びまん性軸索損傷

びまん性軸索損傷とは

軸索とは、神経細胞の一部が細長く伸びたもので、神経細胞本体からの信号を別の神経細胞に伝える電線のような役割をしているものの一つです。頭部外傷で脳に回転力や揺さぶられるような力が働いた時、白質と呼ばれる脳のなかでも軸索がたくさんある部分が広範に歪み、損傷を受けます。これをびまん性軸索損傷と呼びます。

びまん性軸索損傷の診断と治療

CT検査では頭蓋内出血や明らかな脳挫傷がみられないにも関わらず、受傷直後から意識障害があり、これが6時間以上続く場合にびまん性軸索損傷と診断します。6時間以内に軽快する場合は脳振盪と診断されます。頭部MRI検査が有用なことがあり、脳深部の微小な出血や白質線維の損傷を診断できることがあります。慢性期のCTやMRIでは広範な脳萎縮がみられます。
現在のところ有効な治療法はありません。全身の状態を出来る限り良好に保ち、保存加療を行います。脳の神経線維がびまん性に損傷するため、記憶や判断に関わる認知機能障害を始めとする高次脳機能障害をきたすことが多いとされています。

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