頚動脈狭窄症

頚動脈狭窄症とは

頚動脈狭窄症とは頚動脈が狭くなって脳への血流が減少することで脳梗塞(脳の損傷)を引き起こす病気です。動脈の壁に主に脂肪の塊(プラーク)が付着することで血液の通り道が狭くなってしまいます。プラークが遊離すれば末梢の脳動脈を閉塞し脳梗塞の原因となることもあります。近年の高齢化、食生活の欧米化や運動不足などの影響で患者さんの数は増えています。
脳への血流が十分に届かなくなった際の症状は、片目が見えにくい、手足がしびれる、呂律が回らない、半身が動かない、言葉が上手く喋れない、など様々です。重症になると意識が低下し、さらに意識が完全に無くなってしまい、生命に関わります。

頚動脈狭窄症の治療

治療法は、内科治療、外科手術(図1)、カテーテル治療(図2)の3つがあります。内科治療は、血液を凝固しにくくする抗血小板薬やコレステロールを低下させるスタチン薬などがあります。外科手術は、頚部を切開して頚動脈内のプラークを摘出する内膜剥離術です。カテーテル治療は、頚動脈の狭くなった部分をステントという金属製の筒で拡張させる治療です。それぞれに利点、欠点があり、原則は内科治療を優先させますがその効果が十分でないときや、過去に脳梗塞を起こしたことがある場合では再発の可能性が高いため外科手術やカテーテル治療を検討します。また脳梗塞を起こしたことがなくても、頚動脈の太さが極端に狭くなっている場合には、予防的に外科手術やカテーテル治療を行うかどうか検討します。
頚動脈狭窄症は重篤な後遺症を残す脳梗塞の原因となる病気です。治療については専門医と相談しながらすすめてください。

図1


図2

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