髄膜腫

髄膜腫とは

脳腫瘍の中では比較的多い腫瘍です。頭蓋骨の内側にある、脳を包んでいる硬膜という組織から発生する腫瘍です。つまり脳そのものから生じる腫瘍ではなく、脳の外側に発生して脳を圧迫する腫瘍です。基本的に良性であるため、ゆっくり大きくなるのが特徴です。しかし、まれに急速に大きくなる悪性の髄膜腫も存在します。

髄膜腫の症状と診断

髄膜腫ができる場所に応じた症状が出ます。代表的なものは頭痛や手足の動きにくさ、言葉の出にくさなどです。診断には、CTやMRIと呼ばれる脳の検査が必要です。近年では脳ドックの普及により、無症状のうちに偶然みつかることも多くなりました。

髄膜腫の治療法

基本は手術による摘出です。しかし、診断されたらすぐに治療が必要というわけではなく、治療をいつするべきか十分検討することが重要です。無症状の場合は、定期的にCT,MRIで検査を行い、増大傾向がないかしばらく経過観察する場合もよくあります。治療が推奨されているのは、症状が出ているもの、症状がなくても3cm以上のものなどです。ただし、物を見る神経の近くにできているものは、将来的に眼の見えにくさが出る危険があるので、3cmに達していなくても治療を前向きに考えることが勧められています。
多くの場合は第一選択にはなりませんが、放射線照射も行われます。これには大きく分けて2種類あり、一日あたり少しずつの放射線量を数週間かけて照射する方法と、一度に大量の放射線量を腫瘍に絞って照射する方法があります。

終わりに

髄膜腫と診断されても、腫瘍がしばらく大きくならず、症状がないまま日常生活を送られている方が多数います。


髄膜腫のMRI

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