凝固因子欠損症(先天性および後天性) |
凝固因子欠損症のスクリーニングとしては伝統的にプロトロンビン時間(PT)と活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)が使用されています。それぞれ外因系凝固反応と内因系凝固反応とを反映していると言われています。生体内の止血反応は凝固第VII因子が組織因子と結合することで開始されますので外因系凝固ですが、凝固第VII因子/組織因子複合体は凝固第IX因子の活性化を惹起し、凝固第X因子の活性化へとつながっていきます。検査で使用されているPTやAPTTはあくまで試験管内の凝固反応です。
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凝固時間延長のパターンに応じて、疾患を絞り込むことができます。先天性の欠損症の場合は、特に合併症がない状態(炎症反応などない状態)では比較的容易に診断に至りますが、後天性の病態では、様々な要因が互いに影響するため単純ではありません。特に炎症性の病態が合併している場合は凝固時間は非特異的に延長することも稀ではなく、確定診断に至るのか困難な場合も少なくありません。
下段に表を示しますが、特に後天性疾患の場合は、表に囚われすぎることなく判断してください。
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