日本呼吸療法医学会用語集
日本呼吸療法医学会用語集
第1版発行 2009年 5月29日
改訂第2版発行 2016年 2月 1日
改訂第3版発行 2025年 5月20日
改訂第3版公開にあたって
用語集改訂委員会 委員長 大塚 将秀
2025年5月
このたび、日本呼吸療法医学会用語集改訂第3版を公開することとなりました。用語集の初版は2009年に、改訂第2版は2016年に公開されています。2021年には小改訂を行ったものの、第2版の公開から8年が経過して現実との乖離が目立ってきました。そこで、理事会の命により2024年にad hocの用語集改訂委員会が組織され、約1年間の活動を行ってきました。
改訂の主な目的は、この領域の最新の知見に見合う用語集を創ることです。そのためには、新規用語の収載だけでなく、時代の変遷とともに必要が生じた修正、役割を終えた用語の削除、誤用用語の是正などにも尽力しました。また、類似用語や対語でありながら統一されていなかった用語の調整も行いました。さらに、今回は和英の逆引き用語集も作成しました。
本会は多職種・多診療科の集団であることが特徴であり、それが最大の強みだと考えていますが、同時に多くの分野で通用する用語集が必要であることを意味しています。そのため、改訂委員会の委員として集中治療科・呼吸器内科・麻酔科の医師に加えて看護師・臨床工学技士・理学療法士に参加をお願いしました。いずれもその職種を代表する方々で、日本呼吸器学会、日本集中治療医学会、日本クリティカルケア看護学会、日本臨床工学技士会、日本呼吸ケア・リハビリテーション学会などとの整合性も取れた改訂になったと考えています。一方、当学会は人工呼吸や呼吸療法の分野で日本をリードすべき任務があると認識しているので、関連する用語は他団体の規範となるように十分な吟味を行いました。
改訂作業を通じて感じたことは、「言葉は生き物である」ということでした。日々新たな概念や用語が創出され、一部は消え去っていきます。その中で用語集を完成させるのは至難の業でした。関連団体間でも用語が統一されていないだけでなく、委員間でも認識が微妙に異なるものもありました。さらに、原語である英語が統一されていないものも散見されました。このような状況なので、完成した翌日にはもう改訂が必要になるかもしれません。それくらいこの領域の進歩は著しいと感じました。したがって、今後も定期的な改訂が必須です。大規模な改訂を頻回に行うことはできませんが、用語について気が付いたことがあれば、事務局(e-mail:kokyu@medica.co.jp)まで連絡をいただければありがたいと考えます。次回の改訂作業の参考にさせていただきます。
最後になりますが、委員だけでなくパブリックコメントを寄せいていただいた学会員をはじめ、用語集改訂第3版の作成に協力をいただいたすべての方々に感謝します。本用語集が学術集会や機関誌における用語統一だけでなく、この領域の発展に寄与することを祈念します。
用語集に関するお問い合わせ
E-mail:kokyu@medica.co.jp