日本呼吸療法医学会理事長からのご挨拶
ごあいさつ
理事長 川前金幸
(山形大学医学部麻酔科学講座 主任教授)
2011.12.26記
本学会の使命は、1)呼吸管理を要する患者に関与する医療人の資質の向上をはかり、安心安全に呼吸管理が遂行されること、そして2)呼吸管理に関わるアカデミックな研究を推進し情報交換を行うことの2点であります。
本学会も、平成21年より理事長制を導入し、責任者を擁立したことで成熟し、学会内外に対し責任ある行動をとれるようになりました。学会が理事会を中心として、会員の声をまとめ、時代の要請に対応しつつ、外部団体との協調と意見交換により、解決すべき種々の事項に柔軟に対応できる組織として成長していけるものと存じます。
学会が中心として、まず取り組むべき課題は、安心安全な呼吸管理が行われるための組織作りであります。2年前から取り組んでいる本学会の専門医制度を継続かつ拡充することは、日本の呼吸療法に関わる医師のブラッシュアップにつながります。たとえば呼吸不全の診断治療に精通するのみならず、呼吸器のイロハ、さらには危機管理の際の対応と予防についても熟知されなくてはなりません。この専門医制度はまだまだ産声を上げたばかりですが、先々の将来的には車を運転するものは誰もが有する運転免許証のような存在まで進むものと考えております。
第2の課題は、呼吸管理の教育、啓蒙、普及であります。このためには、学会が行っているセミナー等の活動、機関誌発行など継続的に力を入れることが必要です。本学会の特徴であり長所は、医師、看護師、臨床工学士、理学療法士、その他の職種の方々が同時に参会し、意見交換できるところであります。各職種においてその専門性は高度に発展し、職種を超えると把握できない問題に対し、一同に会することで様々な角度から答えを見出すことができます。複雑化する医療の中でチーム医療が重要性を高めていくことは自明の理であります。本学会はこのチーム医療活動を進める上での規範として発展充実していく必要があります。そのためのコメデイカル推進委員会、人工呼吸管理安全対策委員会を始めとした各委員会の活動は重要です。一方、一部では非会員医師の呼吸管理離れが進んでいるとの現実もあるようです。非会員の方々の医師の皆様にも楽しく学べる場を提供したいと考えております。
最後の課題は、学会にとって種々の社会貢献も大切ですが、会員の知的好奇心をそそるような研究を進めるためのアカデミックマインドを育てていくことです。学会発表、機関誌での論文発表を通じて、より有益な情報、より斬新な研究を会員と共に情報を発信、そして共有し、かつ、後輩たちにアカデミックマインドを伝えていくことこそ最も重要な課題であると考えます。
本学会会員及び関係者が、すべからく学会活動に明るく、楽しく、元気よく、そして生き生きと参画できることをモットーに邁進したいと存じます。皆様のご支援、ご協力、そしてご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

