重度知的障害者施設の知られざる実情

一口に”障害者”といっても様々な障害があります.世間の目も少しずつ障害者に向けられるようになってきました.しかし,まだ十分とはとても言えません.その中でも,重度の知的障害(いわゆる知恵遅れ,重度精神遅滞,重度精神薄弱)者を取りまく状況は,比較的充実した身体障害者の福祉に比べて,福祉サービスの中でも最も遅れた部分です.彼らは働くこともできず,言葉を話すことも理解することもできません.それどころか,食事,排泄,更衣といった,生きていくために必須な活動でも全面的な助けが必要です.

そんな人々が360人も生活している施設で私は6年半働いていました.そして,新潟の職場に移ってきてからも,重症心身障害者病棟を預かり,30人の重度知的障害者の主治医でした.2003年7月で中央官庁の役人となるまで,この道満十年働いたわけです.その勤務を通して気づいた問題点をここに少しずつ書き込みました.このページは全国の施設に多かれ少なかれ存在する普遍的な問題をわかりやすく解説したものです.誤っている部分はどんどん指摘してください.より多くの人が,重度知的障害者の現状を理解していただくためにこのページが役立てば幸いです.

なお,下記の書籍は,重度知的障害者を理解するのに,とても役に立ちます.障害のある兄を持つ妹が「お兄ちゃんのことを理解してもらいたい」と、小学6年生の夏休みにまとめた自由研究をもとにした素晴らしい本です.

門真 妙 著 お兄ちゃんはゆっくり、すこしずつ―障害のある私の兄を紹介します.中央法規出版 1200円

また,私の先輩であり,嵐山郷時代,重症心身障害者の診療で,様々なことを教えていただいた高木俊治先生が,下記のサイトで素晴らしい勉強材料を提供してくださっている.→堂々の運命 Dodo's Destiny
 
ある漫画の題材
科学者たち
3K職場の業務診断
実情に合わない”更生施設”
閉鎖性,情報開示不足
知らしむべからず
危機感が薄いんだよね
一体赤字はいくらなの?
お客とお店の関係
家族の宿舎一つとっても
”措置”という縛り
お医者さんやーい
食べさせるべきか否か
白河育成園問題の背景
インパール作戦
何枚ものふんどし
嘱託医の苦悩
施設解体は時代の流れ?
重症心身障害者施設間の連携
重心病棟担当者会議報告
国立施設の問題点
国立施設の問題点2
テレビ番組を勉強材料に

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