血小板機能異常症
【血小板機能異常症とは】
先天的に血小板膜蛋白異常などにより、血小板の機能の一部が障害されている疾患群です。非ステロイド系消炎鎮痛剤などによって後天的に機能が障害されている場合もあります。


【先天性血小板機能異常症】

血小板表面レセプターの異常
レセプターの種類 病態 病名
GPIb/IX/V 粘着能低下 Bernard-Soulier症候群
粘着能亢進 血小板型 von Willebrand病
 
GPIIb/IIIa (αIIbβ3) 凝集能低下 血小板無力症(Glanzmann病)
 
GPIa/IIa (α2β1) コラーゲン結合能低下 GPIa/IIa欠損症・異常症
 
GPVI コラーゲン結合能低下 GPVI欠損症・異常症
 
可溶性アゴニスト受容体 アゴニストに対する
反応性低下
ADP受容体異常症
(P2Y12受容体欠損症など)
 
放出異常症
放出機構異常症 関連酵素 病名
アラキドン酸代謝異常症 ホスホリパーゼ ホスホリパーゼ異常症
cyclooxygenase(COX) cyclooxygenase(COX)欠損症
 
トロンボキサン合成酵素異常症など   TXA2不応症
  TXA2レセプター異常症
 
シグナル伝達異常症   カルシウム動員異常症 など
 
血小板放出顆粒異常症 病名
α顆粒異常症 α-storage pool 病 灰色血小板症候群
ケベック血小板障害
 
濃染顆粒異常症 δ-storage pool 病 Hermansky-Pudlak 症候群
Chédiak-Higashi症候群
 
リン脂質プロコアグラント活性の異常
フリップフロップ異常 TMEMF16 Scott症候群


【後天性血小板機能低下症】
後天性血小板機能低下症
尿毒症(慢性腎不全)
肝疾患
異常蛋白血症
多発性骨髄腫
マクログロブリン血症
骨髄増殖性疾患
体外循環
心肺バイパス
膠原病
白血病
薬剤性血小板機能異常症
薬剤性血小板機能異常症
抗血小板薬
アラキドン酸代謝阻害薬
アスピリン
非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)
ADP(P2Y12)受容体阻害薬
チエノピリジン系抗血小板薬
(チクロピジン・クロピドグレル)
cAMP代謝作動薬
Adenyl cyclase 活性化薬
(ベラプロスト(PGI2 誘導体)など)
Phosphodiesterase 阻害薬
(シロスタゾール,ジ ピリダモール)
セロトニン(5-HT2)受容体阻害剤
サルポグレラート
その他
エイコサペンタエン酸など
向精神薬
三環系抗うつ薬
選択的セロトニン再取り込み阻害薬
抗生物質
ペニシリン
セファロスポリン
循環器病治療薬
カルシウム拮抗薬
β-ブロッカー
ニトログリセリン
キサンチン系製剤
カフェイン
テオフィリン