灰色血小板症候群
【灰色血小板症候群とは】
灰色血小板症候群(gray platelet syndrome; GPS)は軽度から中等度の出血傾向を呈する先天性の疾患です。塗沫標本でα顆粒が少ない灰色の色調の血小板が認められるためにこの様な名前がついています。骨髄の繊維化を合併する場合もあります。

【遺伝形式】
様々な遺伝子変異に伴う疾患群と考えられており、多くは遺伝形式は常染色体劣性(潜性)遺伝形式をとりますが常染色体優性(顕性)遺伝形式をとる家系も報告されています。変異遺伝子によって血小板減少や骨髄繊維症の程度が異なると考えられています。疾患頻度は不明ですが、きわめてまれな疾患であることは間違いありません。

【臨床症状】
出血傾向を呈し、出血時間が延長します。

【検査所見】
出血時間は一般に延長します。血小板凝集検査では二次凝集の欠落が認められる場合がありますが、全ての症例に認められるものではありません。軽度から中等度の血小板減少を呈することが多く、塗沫標本では血小板顆粒が乏しいため血小板色調が灰色に見える大型の血小板が認められます。骨髄生検では軽度から中等度の線維化がみられることがあります。これは本来α顆粒に貯蔵される血小板由来増殖因子が直接骨髄内に放出されるためと考えられています。

【治療】
出血傾向に対する治療を行います。観血的手技が必要な場合は血小板輸血が必要な場合もあります。