Bernard-Soulier症候群 |
GPIb/IX/V複合体の欠損(量的異常)もしくは機能障害により、血小板凝集能が障害されている先天性疾患です。GPIb/IX/V複合体はフォンビルブランド因子のレセプターとして作用します。血小板凝集能検査を行うと,ADP、コラーゲン、エピネフリン並びにトロンビンなどの多くのアゴニストによる刺激では凝集が認められますが、リストセチン凝集が欠落しています。
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常染色体潜性(劣性)遺伝形式を取ります。
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点状出血や紫斑、鼻出血、歯肉出血、女性の場合過多月経などの皮膚粘膜出血を認めます。抜歯など小手術後の止血困難で診断されることもあります。時には消化管出血や血尿も認められ、打撲などの外的要因により頭蓋内出血など重篤な出血を来たすこともあり得ます。一方で血友病でしばしば認められる筋肉や関節内出血は一般的には認められません。
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血小板数が減少し、MPVの上昇しています。塗抹標本では巨大血小板が認められます。白血球系並びに赤血球系は正常です。血小板凝集能検査では,リストセチンによる凝集反応が認められません。出血時間の延長が認められます。
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外傷等を避けるなど日常生活における注意を促す患者教育が重要です。また血小板機能を抑制する可能性がある非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)などの使用には注意する必要があります。皮膚粘膜の小出血など、予後に影響が少ない出血の場合、局所圧迫や局所の処置で対応することを基本とし、トラネキサム酸などの抗線溶療法などの併用を行います。予後に影響を与える様な重篤な出血および止血困難時、並びに抜歯を含む外科的処置の場合には血小板輸血を行うことが必要になりますが、血小板輸血を繰り返すことで、GPIb/IX/V複合体などの血小板膜蛋白やHLAに対する同種抗体が発生すると、血小板輸血不応症の状態に陥るため、止血に困難を手じる可能性があります。このため、血小板輸血は必要最小限度に止める必要があります。
血小板無力症において保険適応が一応ある(縛りが厳しいですが)遺伝子組換え活性型第VII因子製剤(rFVIIa;ノボセブン)の保険適応はありません。
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