1. ホーム
  2. 内容
  3. 平成28年度研究支援実施計画

平成28年度研究支援実施計画

① 総括支援活動

シンポジウムを開催し支援の利用者と提供者との情報共有を促進します。当支援活動へ試料を提供してくださる方への説明の機会として、市民公開講演会ならびに青少年向け講演会を開催します。連携機関との会議に加え他の生体試料バンクとの連携会議を開催し、我が国のコホート・生体試料支援の有機的な連携を促進します。

研究支援代表者 今井 浩三(東京大学・医科学研究所・学術研究基盤支援室長・客員教授)
研究支援分担者 田中 英夫(愛知県がんセンター研究所・疫学・予防部・部長)
研究支援分担者 村上 善則(東京大学・医科学研究所・所長)
連携研究支援者 石川 冬木(京都大学・大学院生命科学研究科・教授)
連携研究支援者 樋野 興夫(順天堂大学・医学部・教授)

② コホートによるバイオリソース支援活動

支援件数を増加させるための具体的な仕組み・計画を策定します。既にデータ化されたゲノムおよび表現型情報を利活用させる形での支援においては、当該データ項目のマトリックス表をHP上で本年8月までに公開し支援希望者に情報発信します。また、発症アウトカム数の増加による同情報の公開の有用性から、平成29年度中の公開に向けたデータベースの整理作業と倫理的問題等の検討に着手します。

既に「がん支援活動」の一環としてリクルートを終了した10.1万人分コーホートについては引き続き❶リクルートから5年後に行う第二次調査、❷2年に1回程度行うがん罹患調査、❸毎年行う生死および死因を把握する追跡調査を着実に実行し、一部のコーホート研究においては➍虚血性心疾患や脳卒中の発症情報を、当該地域の病院ネットワーク等を通じて入手しこれら全てをデータベース化していきます。❺1.4万人分のGWASデータなど、既に解析が終了したものについても順次、研究支援に使えるよう手続きを定めて広報を進めます。❻血清などの採取された生体試料は、引き続き長期安定保管に努め、大規模災害に備えた分散保管体制を維持します。

ブレインバンクは、⑴リソース収集について剖検率の減少に対抗するため、コーディネーターを通じてブレインバンク生前献脳同意の推進を行います。⑵リソースの品質管理として、神経病理診断を高齢者ブレインバンクプロトコールに準拠し免疫組織化学を標準として行います。⑶高齢者ブレインバンクネットワークの拡大として、徳島大学、大阪市立大学の参画を準備します。

研究支援分担者 田中 英夫(愛知県がんセンター研究所・疫学・予防部・部長)
研究支援分担者 村山 繁雄(東京都健康長寿医療センター・東京都健康長寿医療センター研究所・研究部長

③ 生体試料による支援活動

ヒト生体内の分子動態の体系的理解に基づいた生命科学全般の領域にまたがる我が国のボトムアップ型研究の推進とその基礎研究成果のさらなる生命現象解明への展開と応用研究への移行を支援します。

ヒト生体試料を用いた生体内分子動態・生体指標の解析・技術に関わる支援では、主に「生体試料を用いた超高感度分子病態解析と多施設連携研究ネットワーク構築支援」と「生体試料を用いた多層オミックス・情報解析の支援」を通じて、被支援者が解析している生体機能分子や生体指標等に対し当班が具備する正確な背景情報を伴う生体試料を用いた超高感度分子病態解析や各種オミックス解析支援を行います。

適切な倫理管理と役割分担を条件に、生体試料を用いた解析・技術・連携支援につき総数で24件(各〜10アッセイ)の実施を目標とします。ヒト生体試料の収集・提供に関わる支援では、主に「ヒト生体試料(組織・血液試料)や背景情報の集積と提供支援」と「血液悪性腫瘍バイオリソース支援」を通じて、がん関連患者を中心に凍結腫瘍組織で年間700例、血液試料で年間1,000例を収集し、HTLV-I感染者試料は、1,000検体の収集を目標とします。

病理専門医による病理形態学支援の体制を整えます。試料提供は、適切な倫理管理と役割分担を条件に総数で18件(各〜50試料)を目標とします。収集試料につき各種検査情報の付加やその分析技術の蓄積を進めます。

当班全体の取り組みとして、HP・講演会・学会等を通じて我が国における生体試料収集・提供とそれらを用いた解析・連携支援に関するノウハウの普及に向けた啓発活動を行い(4件)、関係者の研修を各機関で適宜受け入れます。

研究支援分担者 醍醐 弥太郎(東京大学・医科学研究所・特任教授)

Page Top