日本臨床神経生理学会 専門医・専門技術師試験
-2021年実施の認定試験について-
当学会では臨床神経生理検査の施行と判読・解釈において、高度の専門的知識と技術・技能を身につけた専門家を養成し、検査と診療の質を向上維持するために、専門医・専門技術師を養成・認定しています。さらに近年、当学会では面接・実技試験の導入について検討してまいりました。本邦の専門資格の多くに面接・実技試験が導入されているにもかかわらず、高度の専門資格と位置づけられるべき当学会の専門資格が筆記のみでよいのかと問題視されていたからです。そこで、実際に検査をどの程度行っているかをはじめ、技能の一端の評価のため、理事会・社員総会の承認を得て、2019年には筆記試験に加えて面接による認定を実施致しました。しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、昨年から面接と同等の評価を得られる方法としてレポート試験を導入することと致しました。
以下に受験資格など申請にあたっての重要な点を列挙いたしますので、ご参照いただけますと幸いに存じます。専門医と専門技術師では受験資格が多少異なりますので、ご注意下さい。また、2021年実施の試験からは経験症例のレポート原本と併せてPDFを提出していただきます。詳細については「〔7〕波形と所見のレポート」をご参照ください。
認定申請の受付は、2020年12月25日より2021年2月15日までを申請用紙の請求期間とし、申請期間を2021年1月1日より2021年2月末日までとして受付を行います。
認定の申請書類は、下記の学会事務局にメールでご請求下さい。
株式会社コンベンションリンケージ内
日本臨床神経生理学会事務局(試験・認定担当)
TEL: 03-3263-8697 FAX: 03-3263-8693
E-mail:jscn_nintei@secretariat.ne.jp
試験の実施要領は下記のとおりです。
日時 | 2021年6月6日(日) 1分野受験者9:00〜12:30(予定)、2分野受験者9:00〜15:00(予定) |
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場所 | 東京コンベンションホール(JR「東京駅」、「有楽町」東京メトロ「京橋」、「銀座一丁目」都営浅草線「宝町」各徒歩0分~5分) |
〔1〕専門医の受験資格:以下の項目のすべてを満たす必要があります。なお、これらは、日本臨床神経生理学会 専門医資格審査、認定更新等に関する細則に記載されています。
- 日本国の医師免許証を有すること。
- 臨床経験が5年以上(初期臨床研修期間の2年間を含む)あること。
- 脳波あるいは筋電図・神経伝導の臨床的検査・所見診断に3年間以上(他の検査・診断との兼務期間も含む)従事した経験を有すること。
- 継続的に3年間以上の本学会会員歴を有すること。
今回は2018年5月末までに入会された方に受験資格が生じます。
- 本学会会員歴には、学生会員歴も認めるが、正会員歴が含まれている必要がある。
- 本学会主催の学術集会、技術講習会、または別表に示す主催セミナーもしくは関連講習会への参加が、申請時点からさかのぼって3年以内に2回以上あること。ただし、少なくとも1回は本学会主催の学術集会あるいは技術講習会であること。
- 本学会が認定する教育施設あるいは準教育施設における1年以上の研修歴を有すること。ただし、前記の運用を開始するまでは、暫定措置として、専門医あるいは専門技術師指導下の1年以上の研修歴を有することとする。
お知らせ
専門医試験受験資格の緩和措置について:指導医施設認定制度の運用開始に伴い、2022年実施試験まで、専門医受験資格条件を緩和します。
- 従来の〔1〕専門医の受験資格のうち、「 7.専門医あるいは専門技術師指導下の1年以上の研修歴」を満たさない場合。
- 過去3年以内に、別表に示す主催セミナーないし技術講習会1回、あるいは、関連講習会2回を受講したことが証明されれば受験を認める。
- これらのセミナーないし講習会については、以下のように脳波分野、筋電図・神経伝導分野の受験資格を指定する。
(日本臨床神経生理学会主催セミナー・技術講習会)
- 日本臨床神経生理学会技術講習会:脳波、筋電図・神経伝導の両分野
- 神経筋診断セミナー:筋電図・神経伝導分野のみ
- 脳波セミナー・アドバンスコース:脳波分野のみ
- 術中脳脊髄モニタリングセミナー:筋電図・神経伝導分野のみ
(関連講習会)
- 各関連講習会、受講コース、コース内容に応じて、いずれの分野の資格となるかを個別判断する(不明の場合は事務局にお問い合わせください)
〔2〕専門技術師の受験資格:以下の項目のすべてを満たす必要があります。
- 臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、医師、歯科医師、看護師等の資格を有すること、または4年制以上の大学卒業者で臨床神経生理分野の研究者であること。
- 脳波あるいは筋電図・神経伝導の臨床的検査あるいは研究に3年間以上(他の検査・研究との兼務期間も含む)従事した経験を有すること。
- 継続的に3年間以上の本学会会員歴を有すること。
今回は2018年5月末までに入会された方に受験資格が生じます。 - 本学会会員歴には、学生会員歴も認めるが、正会員歴が含まれている必要がある。
- 本学会主催の学術大会,技術講習会、別表に示す主催セミナーもしくは関連講習会、関連国際・国内学会への参加が、申請時点からさかのぼって3年以内に2回以上あること。ただし、少なくとも1回は本学会主催の学術集会あるいは技術講習会であること。
〔3〕受験資格の対象となる学術集会等について
上述の受験資格の対象となる本学会主催の学術大会は、第48回(2018年、東京)学術大会、第49回(2019年、福島)学術大会、第50回学術大会(2020年、京都)です。技術講習会は、第55回(2018年、東京)、第56回(2019年、福島)、第57回(2020年、京都)です。主催セミナー、関連講習会、関連国際・国内学会につきましては、下記の別表をご参照ください。いずれも2018年以降申請時点までに開催されたものに限ります。申請書類に2回分の参加証(参加者の名前が確認できるもの)のコピー、もしくは発表者本人であることを証明できる抄録等のコピーを貼付する必要があります。共同演者としての発表抄録をもって出席の証明とすることは認められません。
〔4〕会員歴と会費納入について
留学のため休会していたなどの理由で会員歴が連続3年未満の方や、会費を2年以上滞納しておられる方は、申請できません。休会中の未納会費を全額納入、あるいは滞納会費を申請期間中に納入されれば、受験資格が生じます。
〔5〕生理検査の経験について
専門医の受験資格「3. 脳波あるいは筋電図・神経伝導の臨床的検査・所見診断に3年間以上(他の検査・診断との兼務期間も含む)従事した経験を有すること。」や、専門技術師の受験資格「2. 脳波あるいは筋電図・神経伝導の臨床的検査あるいは研究に3年間以上(他の検査・研究との兼務期間も含む)従事した経験を有すること。」については、申請書類様式2の略歴欄に、どのような施設で、どれだけの期間、どのような業務に従事した経験があるのかを、できるだけ具体的にご記入下さるよう、ご協力をお願いいたします。また、この3年間の従事経験は専門医ないし専門技術師により証明される必要があります(証明者は同一施設で勤務していることは必ずしも必要ではありません)。ただし、専門技術師の場合は、専門医ないし専門技術師による証明が得られない場合は、所属機関・部署の責任者による証明を持ってこれに代えることができます。
〔6〕専門医の研修歴について
専門医の受験資格「7. 本学会が認定する教育施設あるいは準教育施設における1年以上の研修歴を有すること。ただし、前記の運用を開始するまでは、暫定措置として、専門医あるいは専門技術師指導下の1年以上の研修歴を有することとする。」という条件を満たすためには、専門医あるいは専門技術師がいる施設に常勤ないし非常勤として勤務していなければ受験はできないということではなく、下記のいずれかの場合でも受験可能です。
- (1)専門医あるいは専門技術師がいる施設に、たとえば、週1回程度、研修に通っている場合。
- (2)申請者の所属施設において、専門医あるいは専門技術師が、たとえば、週1回程度非常勤勤務しており、そこで申請者が研修を行っている場合。
これら以外の形態での勤務において検査・所見診断を行っていた場合には、「従事した経験」であっても、「研修歴」とは認められませんのであしからずご了承下さい。
単に「従事した経験」のある方より、「研修歴を有する」方のほうが、より専門性の高い業務に携わったものという認識であるとご理解下さい。
「1年以上の研修歴」については、専門医あるいは専門技術師による証明書(申請書類様式3)の提出により確認いたします。
〔7〕波形と所見のレポート
波形ないしその所見のレポートについては、最近5年以内(2016年以降。日付を記載して下さい)の検査が対象となります。脳波分野、筋電図・神経伝導検査分野それぞれについて5例の提出が必要です。両分野を受験される方は各5例、合わせて10例を提出して下さい。
- 専門医については、脳波ないし筋電図・神経伝導検査等の波形のコピーとその所見のレポートを提出して下さい。脳波と神経伝導検査に関しては波形が必須ですが,針筋電図に関しては必ずしも波形は必要ではありません。本人が施行ないし判読したことがわかるよう署名を入れて下さい。なお、筋電図・神経伝導検査分野の受験者は少なくとも1例について、必ず神経伝導検査の波形を提出してください。
- 専門技術師については、脳波ないし神経伝導検査等の波形のコピーを提出して下さい。本人が施行したことがわかるよう署名を入れて下さい。医師、臨床検査技師、看護師以外の研究者は、正常被験者のデータのみの提出でも構いません。
- 波形・レポートのサンプルは、ホームページに掲載しておりますので、ご参照下さい。内容が同等であれば、形式はこれと異なっていても構いません。
- 提出に当たっては個人情報(名前・生年月日)を消去するようご注意下さい。ただし、年齢・性の情報は審査の参考とするので残して下さい。
- 脳波や筋電図・神経伝導検査波形には必ずスケールを入れて下さい。
- 専門技術師については、脳波にキャリブレーション波形を必ず付けるようにして下さい(ただし器械がキャリブレーション出力に対応していない場合にはこの限りではありません)。
- 神経伝導検査波形には、皮膚温を必ず記載して下さい。
- 波形・レポートはA4サイズにして、分野ごとにそれぞれ提出してください。脳波図はA4横長に判読に十分な解像度でプリントし、1例ずつステイプルでとめて申請書類に同封して下さい。また併せてPDFをメール添付にして、事務局までお送り下さい。
〔8〕出題内容について
従来試験の出題内容の指標として、「試験問題の大綱」をHPに掲載していましたが、2020年新たに臨床神経生理専門医・専門技術師の「研修カリキュラム」が策定されました。
http://square.umin.ac.jp/JSCN/specialist/curriculum.html
今後の試験はこれに沿って出題されますので、こちらをご参照ください。
〔9〕受験料
受験料は下記のとおりです。
専門医 | 1分野 22,000円、2分野 33,000円(税込) |
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専門技術師 | 1分野 11,000円、2分野 16,500円(税込) |
※申請書と同時に、受験料の払込用紙をお送り致します。それを用いて、2021年2月末日までに払い込んで下さい。
〔10〕合否の通知と合格者発表
試験の合否は2021年7月の理事会で承認され、その後のなるべく早い時期に本人に通知されると同時にHPで合格者が公開されます。
また、合格後認定料(専門医、専門技術師とも1分野11,000円、2分野16,500円;税込)を払込いただいてから正式認定となり、認定証が送付されます。
〔11〕学会ホームページへの掲載
学会専門医名簿は公開を義務づけられていることに準じて、一般の方向けに本学会ホームページに認定保有者の氏名、所属機関およびその所在地の都道府県を掲載することを理事会で決定いたしております。何卒ご理解の上、よろしくご協力お願い申し上げます。
〔12〕申請書郵送
簡易書留もしくは宅急便などで学会事務局にお送り下さい。
〔13〕波形・レポート
申請書に同封する波形・レポートをPDFで事務局までメール添付でお送り下さい。その際、必ずパスワードを付すようお願いします。
※昨年の認定試験延期により2021年に認定試験を受験される方は申請の必要はありません。
2020年12月25日
日本臨床神経生理学会
試験委員会
委員長 今井富裕
認定委員会
委員長 園生雅弘
別表:主催セミナー、関連講習会、関連学会
1)当学会主催セミナー:神経筋診断セミナー、脳波セミナー・アドバンスコース、術中脳脊髄モニタリングセミナー
2)関連講習会: 臨床神経生理技術講習会・東京、臨床神経生理研究会(九州)、臨床筋電図・電気診断学入門講習会(東京)、脳波・筋電図セミナー(京都)、北東北・道南神経筋電気診断技術セミナー、南東北臨床神経生理セミナー
3)関連国際学会:国際臨床神経生理学会(ICCN)、ISBET、国際誘発電位シンポジウム、国際てんかん学会、アジア・オセアニアてんかん学会、国際小児神経学会、アメリカ神経筋電気診断医学学会(AANEM)、アメリカ臨床神経生理学会(ACNS)、ヨーロッパ臨床神経生理学会、アメリカてんかん学会、アジア・オセアニア臨床神経生理学会(AOCCN)、国際ヒト脳機能マッピング学会(HBM)、CME、SFEMG/QEMG、世界神経学会(WCN)、国際リハビリテーション医学会(ISPRM)、世界精神医学会(WPA)、世界脳神経外科学会(WFNS)、国際整形外科学会(SICOT)、国際心理生理学会議(IOP)、北米神経科学会(SFN)、米国神経学会(AAN)、国際末梢神経学会(PNS)
4)関連国内学会:日本小児神経学会、日本てんかん学会、日本睡眠学会、日本ヒト脳機能マッピング学会、日本てんかん外科学会、日本神経科学学会、日本生理学会、日本整形外科学会、日本神経学会、日本脳神経外科学会、日本精神神経学会、日本リハビリテーション医学会、日本薬物脳波学会、日本生体磁気学会、日本生理心理学会、日本脊椎脊髄病学会、日本医学検査学会、日本理学療法士学会、日本臨床検査医学会、日本神経生理検査研究会、日本末梢神経学会、日本臨床睡眠医学会、日本ボツリヌス治療学会、日本パーキンソン病・運動障害疾患学会(MDSJ)