郭 伸|東京医科大学 神経分子病態学座

東京医科大学

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筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病態機序解明および特異治療法の開発研究
 筋萎縮性側索硬化症(ALS)は運動ニューロンが変性・脱落することで進行性に身体の自由がきかなくなっていく神経難病です。本邦における患者数9,000人強ですが、毎年の発症数は3,000人前後と必ずしも稀な疾患ではありません。それまで健康であった働き盛りの壮年層・老年層を数年で死に至らしめるため、社会的損失が大きく、治療法開発への社会的要請は極めて大きいのですが、残念ながら有効な治療法の開発に至っていません。
 我々の研究グループは、ALS患者全体の90%以上を占める孤発性ALSではグルタミン酸受容体に本来生ずべきRNA編集が不十分であることを世界に先駆けて見出し(Nature 427:801,2004)、この分子変化が孤発性ALSの大多数に生じていること、疾患特異的分子変化であり、運動ニューロン死の直接原因であることを明らかにしてきました。さらに分子病態モデルマウスを開発し、特異的治療法の開発に結びつけ、その方法による臨床試験を行っているところです。孤発性ALSの原因となる分子病態の解明からその正常化による治療法開発を目指している点で、世界に類例のない研究です。

  • A 我々の研究の特徴
  • B これまでの成果と今後の展望

1. 背景
2. 孤発性ALSに働いている疾患特異的分子異常について
3. ADAR2低下に依る未編集型GluA2発現の意味:分子病態モデルマウス(コンディショナルADAR2ノックアウトマウス;ADAR2flox/flox/VChAT-Cre.Fast; AR2マウス)を開発し、運動ニューロン死の原因かどうかを解析を用いた解析
4. ALSの特異マーカーとの関連
5. 細胞死に直結する分子異常の解析
6. 分子病態の解析に基づいた孤発性ALSの分子治療へ

学歴/職歴/所属学会

郭 伸 (カク シン)KWAK,Shin  M.D.,Ph.D.

東京医科大学神経分子病態学 特任教授
1977年東京大学医学部医学科卒業
1984年東京大学 医学博士
1984年東京大学医学部神経内科 助手
1989年国立精神・神経センター神経研究所疾患研究第四部 室長
1994年東京大学医学部附属病院神経内科 講師
1997年東京大学医学系研究科神経内科学 准教授
2012年東京大学大学院医学系研究科 客員研究員
2012年-2017年9月 国際医療福祉大学 特任教授
2014年(株)遺伝子治療研究所 顧問
2017年-2018年5月 理化学研究所 脳科学総合研究センター プロジェクトマネージャー
2017年東京医科大学神経内科 兼任教授
2018年東京医科大学神経分子病態学 特任教授
2018年東京大学病院脳神経内科 客員研究員
日本内科学会・日本神経学会・日本神経科学会・米国Society for Neuroscience
日本神経学会専門医・日本内科学会認定医

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