学会賞のご案内
2020年度受賞論文
優秀論文賞
原著「ハイフローセラピー施行中の呼吸不全患者における移動式ハイフローシステムを用いた長距離歩行訓練の臨床的効果」 36巻2号p.165-172掲載 |
受賞の言葉
このたびは大変名誉ある賞を頂戴し、光栄に思います。新たな酸素デバイスとしてハイフローセラピーが登場して以来、未解明な点がまだまだありつつも、その構成のシンプルさに不似合いとすら思えるほどに強力な呼吸サポート効果が示され、呼吸不全患者に幅広く活用されてきました。患者の受け入れもよく、使用経験を重ねるうちに私自身もすっかりハイフローセラピーのファンになってしまいました。そしてデバイスの限界を認識したうえで、さらにそのメリットを活かしたいという考えから今回の取り組みに至りました。
臨床工学技士と協力して組み上げたシステムを用いて、看護師・理学療法士とともにハイフローセラピー中の患者さんを初めて病室外の歩行訓練に出した時に、「外に出られてよかったわ。もうちょっと歩いとくわ」と、それまでリハビリに乗り気ではなかった患者さんが笑顔を見せたのが印象的でした。
今回こうした経験を論文という形にすることができ、また一定のご評価をいただいたことを大変うれしく思います。スタッフ達の惜しみない協力に、そして夜な夜なパソコンに向かう私を大目に見てくれた(はずの)家族に感謝したいと思います。
このたびは誠にありがとうございました。
奨励論文賞
短報「High Flow Nasal Cannula治療における鼻カニュラ先端径が治療に及ぼす影響―TTLモデル肺・CAD・3Dプリンタを使用した実験―」 36巻1号p.80-82掲載 |
受賞の言葉
昨今、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、尽力されている医療従事者の皆様に心より敬意を表すとともに、深く感謝を申し上げます。また、残念ながら感染によりお亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみを申し上げます。
さて、この度は思いもよらずこのような賞をいただき大変うれしく思います。日本呼吸療法医学会ならびに論文作成にかかわられた各位に厚くお礼申し上げます。今後も一層の努力を重ねる所存でございます。
この研究が、High Flow Nasal Cannula(HFNC)酸素療法の発展に微力ながら貢献できたのであれば幸いです。略儀ながら書中にて御礼申し上げます。
呼吸管理の工夫「人工呼吸器における情報管理システムの構築」 36巻1号p.67-73掲載 |
受賞の言葉
このたびは日本呼吸療法医学会奨励論文賞という名誉ある賞をいただき、大変うれしく、光栄に思います。このような賞を受賞できましたのは、未熟な私を支えて下さった土井部長をはじめ、医療機器管理部スタッフのお陰です。遠隔医療等はこれからだと思いますので、今後も研究を進めていければと思います。
これからも、これまで導いてくださった先生や先輩方から受けたご恩に報いるべく、後輩たちの指導に取り組みながら研究に精進してまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
お祝いの言葉
恒石様、濵本様、八反丸様、
このたびは誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
さて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延により、会員のみなさまにおかれましてはまさに医療現場の最前線で奮闘されていることと存じます。あらためてみなさまの献身的なご尽力に心からの敬意と感謝を表します。
そのCOVID-19により、本会が担う人工呼吸・呼吸管理の領域はさらに重要度が増し、専門学会としての社会的責任も問われていることかと思われます。今後、本会から多くの優れた研究業績を発表し、そうした期待に応えていくことがますます重要となってきます。
ここに『人工呼吸』の充実・発展と、みなさま方のさらなるご活躍を祈念して、お祝いの言葉とさせていただきます。
2020年6月吉日
一般社団法人日本呼吸療法医学会 理事長 藤野裕士