今後の発展

1.集学的治療法

上記顕微鏡下手術、内視鏡手術、血管内治療法、定位放射線治療などに加えて、化学療法、免疫療法、他の放射線治療法、遺伝子治療などの組み合わせによりそれぞれの疾患と病態に応じて治療効果の高い、安全で確実な治療法の確立が期待されています。たとえば、かつて1年生存がほとんど期待できなかった小児悪性腫瘍の代表である髄芽腫は集学的治療法の改善により劇的な予後の改善を見ています。

2.基礎研究に基づいた治療法の進歩

神経保護、神経再生、機能再生、神経移植などの観点から研究が行われており、すでに実用化されているもの、実用化が目前のもの、そして実用化までにはさらに多くの労力をようするものなどがあります。多数の日本の若い脳神経外科医がこれらの研究に携わっており、多くの研究成果が出てきています。

3.技術革新がもたらす新しい概念に基づく治療手段の開発

virtual reality, micromachine, nanomedicine, telesurgery, robotecks, 人工組織および人工器官などの概念および技術の導入が、近未来の治療方法に革命的な変化をもたらす可能性があります。これらの新手法は他領域との連携を通して、自由な発想のもとに挑戦、開拓してゆける分野であり、若い脳神経外科医の活躍が期待される分野です。

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