脳神経外科の最近の進歩

1.手術法の進歩

1970年ごろより顕微鏡下手術が普及し、現在多くの手術が顕微鏡下で行われています。それに伴い手術法自体、手術器具、手術のための微小脳解剖、術中モニターなど多くの付随する機器の進歩や知見の集積により脳神経外科的手術は飛躍的に安全、確実さを得ました。かつて治療不可能とされた病態が治療可能となり、no man’s landとされてきた脳幹疾患においても現在では手術治療可能例が少なくありません。

2.診断機器の進歩

CT, MRI, PET, SPECT, MEG, 超音波などをはじめとした多くの診断機器の開発は、単に脳・脊髄などの形態変化を捉えるだけでなく、脳機能や生理学的状態などの画像化、数値化をも可能にしました。これによって中枢神経系の形態、生理学的状態、神経機能の状態などをより正確に把握することが可能となっています。

3.新しい治療手段

従来の放射線治療法自体も年々進歩していますが、新たにガンマナイフをはじめとする定位放射線治療法および血管内治療法が手術治療の相補的手段として定着しつつあります。また内視鏡手術は顕微鏡下手術では直視下に見ることのできない部位に有効であり、これらの治療法はより侵襲の少ない治療法を目指すという流れに合致するもので更なる改良と発展が期待されています。ここで最も大切なことは、それぞれの治療法の適応についての慎重で十分な検討です。

 

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