一般社団法人 日本頭頸部癌学会

頭頸部がん

Ⅵ.頭頸部がんに対する放射線治療

1.放射線治療

1)放射線治療とは

 がんのDNAを放射線により傷害し、がんを消失・縮小させることを期待して放射線治療が行われます。手術とは異なり、がん周囲の正常組織が温存されることが 特徴です。治療後の外見の変化、発声や咀嚼・嚥下機能に与える影響が少ないことから、頭頸部がんの治療に広く用いられています。また、抗がん剤による化学療法を併用したり (化学放射線治療)、手術後の再発を抑制するために放射線治療が行われること(術後照射)があります。また、病期の根治(完全に治すこと)を期待した根治的放射線治療のみならず、 がんによる疼痛などの症状を緩和することを目指した緩和的放射線治療もひろく行われています。
 
放射線治療では、腫瘍周囲の正常組織も照射されてしまうことが問題となります。近年では、CT画像を基に、コンピューターによる治療計画を行うことで、腫瘍に集中的に放射線を あてながら、正常組織にあたる放射線量を減らすことが出来るようになりつつあります。
 
放射線治療に用いられる放射線には様々な種類があります。X線、陽子線、重粒子線などがあります。また、腫瘍に直接放射線を出す物質を埋め込む小線源治療に対応している施設もあります。 もっとも広く用いられているのは、X線です。X線を使用しているものとして、三次元原体放射線治療(3DCRT)、強度変調放射線治療(IMRT)、サイバーナイフ等による定位放射線治療などがあります。 最適な治療法は、個々の患者さんにより異なります。
⇒ Ⅵ-2. IMRTの項へ
 
陽子線、重粒子線による治療は、粒子線治療と呼ばれ、放射線のあたり方が、X線と異なります。そのため、腫瘍に線量を集中させることができる一方で、正常組織への線量を減らすことができます。 頭頸部がんに対しては、とても有効な技術ですが、特殊な治療装置が必要となります。国内では、現在施設数が増えつつあり、各地で治療が受けやすくなっています。
⇒ Ⅵ-3. 粒子線治療の項へ

2)放射線治療の適応

 放射線治療は、頭頸部領域のすべての悪性腫瘍に適応になりますが、一般的に、根治的放射線治療が行われるのは上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がん、声門がんを含む喉頭がん、 鼻・副鼻腔がん、唾液腺がんなどです。進行した下咽頭がんや喉頭がんでは、手術による喉頭摘出が避けられないことがあります。しかし、そのような状況でも、喉頭を残すことを期待して放射線治療 が行われることがあります。また、手術が出来ない状況でも、根治的放射線治療は適応になりことがあります。
 
放射線治療には、特有の副作用がありますが、構造・外見の変化が少なく、音声など機能への影響が手術に比べて低いことが利点です。しかし、治療法の選択は、がんの部位や進展範囲、患者さんの 全身状態や予想される効果・副作用などを総合して判断する必要があります。

3)放射線治療のながれ

■診察
図Ⅵ-1-1

図Ⅵ-1-1

 頭頸科 (耳鼻咽喉科)医、放射線治療医、腫瘍内科医による診察を行います。(図Ⅵ-1-1)全身状態の評価にはじまり、CT、MRIやPET等の検査結果を評価します。 また、視触診や内視鏡による観察で腫瘍の範囲を特定します。

■放射線治療計画・CTシミュレーション

 どのように放射線治療を行うのか、治療前に計画をたてます。これは、実際に放射線治療の際と同じ姿勢で、CTを撮影し、その画像を基に計算を行う作業です。
 
実際の放射線治療中は、患者さんの体が動かないように、頭部や肩を固定する必要があります。そのため、枕や、プラスチックのお面(シェルとよばれます)を治療計画時に準備します。まず、 患者さんは、治療計画CT台に仰向けで寝ていただきます。状況により、患者さん専用の枕を作成することもあります。シェル素材を加熱して軟らかくし、顔の上からかぶせ体の輪郭にフィット させるとその形状のまま冷えて固くなり、5-10分ほどでシェルが完成します。(図Ⅵ-1-2)シェル素材は、加熱されていますが、蒸しタオルほどの温度で、やけどはしません。また、鼻や口は密封 されていないので呼吸は楽にできます。

枕の上でシェルをかぶり、その状態でCT撮影を行います。状況に応じて、ヨード造影剤を使うこともあります。シェルや体に、位置あわせのための印を付けます。(図Ⅵ-1-3)
 
放射線治療医は、専用のコンピュータ(治療計画装置)を用いて治療計画CT画像に腫瘍や正常組織の輪郭を入力し、放射線をあてる方向や、その量を計算します。この計算に、数日間から2週間程度必要とします。

■位置あわせ(位置照合)

 治療台にのり、治療計画時につけた印をもとに、レーザービームをもちいて位置あわせを行います。その後、照射範囲や、患者さんの位置を写真(リニアックグラフィー)やCTで確認します。ずれている場合は、 修正して治療を開始します。治療期間中も、位置合わせを繰り返し行って位置のずれを最小限にするようにしています。

■放射線治療
図Ⅵ-1-4

 治療台で、シェルをかぶってその場でじっとしているだけで、治療は完了します。(図Ⅵ-1-4)治療中に、痛みや、熱を感じることはありません。治療にかかる時間は、3DCRTでは、 一般的に部屋に入ってから出るまで20分程度ですが、IMRTや粒子線治療では、もう少し時間がかかります。

■放射線治療の期間

頭頸部がんの根治的放射線治療は、1日1回2 Gy(グレイ:放射線の単位です)、週5回、合計35回程度を、約7週間かけて行われることが一般的です。がんの種類や進行度では、1日2回、放射線治療を行うこともあります。 粒子線治療や、定位放射線治療では、1回あたりの放射線の量や、回数が異なることがあります。また、緩和的放射線治療では、短い期間(2週間程度)で治療を行います。

■治療中の診察

頭頸部がんの放射線治療をうけている期間中に、放射線や併用する化学療法などの副作用で体調が変化することがあります。そのため、放射線治療中には、定期的に放射線治療担当医による診察が行われます。必要な検査や、 副作用を軽減するための処方や処置が行われることがあります。

■治療後の診察(フォローアップ)

 放射線治療の効果、副作用は、治療終了から少し遅れてピークになることが一般的です。従って、治療が終了した後も、担当医に経過を観察してもらうことが大切です。

4)放射線治療の副作用

図Ⅵ-1-5

 放射線治療の副作用(有害事象)としては、以下のものが挙げられます。(図Ⅳ-1-5)図はそれぞれ、放射線治療中から治療直後、治療後の副作用のあらわれかたを示したものです。

■粘膜炎・皮膚炎

 放射線治療中、放射線があたった部分の粘膜や、皮膚には炎症が起きます。炎症がすすむと、びらん(表面のただれ)や、痛みがでてきます。外見上、放射線のあたった部位に生じる放射線皮膚炎は、 治療の後半に目立ってきます。放射線による粘膜炎・皮膚炎は、放射線があたった部分にだけ生じ、放射線のあたっていない部位にはおこりません。この反応は、抗がん剤が同時に使われる場合は、強くなることがあり、 注意が必要です。粘膜炎による痛みが強い場合は、医療用麻薬を含めた鎮痛剤で痛みをコントロールする必要があります。また、粘膜炎が強くなると、痛みで食事が摂れなくなることがあり、栄養管理に問題が出てきます。 そのため、念のため胃ろうといって、あらかじめ腹部に栄養剤や水分を投与するための管をおくこともあります。
 
皮膚炎は、出現早期から、軟膏や保護処置などで対応しておくと、進行の程度を和らげることができ、また早くよくなることが知られています。
 
粘膜炎・皮膚炎は、治療開始後3週間程度で出現し始めますが、治療後2-3週程度で良くなることが多く、一時的な反応です。皮膚炎を生じた部位は、治療後比較的長い期間にわたり、色素沈着が残ることもあります。

■唾液分泌障害

 唾液腺は、頭頸部がんの放射線治療で、放射線があたりやすい正常組織です。一定量の放射線があたると、機能が低下することで、唾液の分泌が減少し、なかなか元に戻りづらいことが知られています。 唾液量が減少すると、不快な口の乾き(口腔乾燥)が出現し、食物がのみこみづらくなることもあります。また、う歯(虫歯)になりやすくなることも知られており、治療前より、口の中を衛生的に保つ(口腔ケア)努力が必要になります。
 
口腔乾燥の改善には、年単位の期間が必要なこともありますが、一定の期間が過ぎても、もとのレベルにまで唾液分泌量が戻らないこともあります。減少した唾液を補う人工唾液の使用や、唾液分泌を促す内服薬などを処方して対応することもあります。

■味覚障害

 舌に放射線があたった場合に生じます。舌に病変がない場合でも、周囲の組織(中咽頭やリンパ節など)を治療する際に、舌を完全に避けて放射線をあてることが出来ないため、味覚障害が生じることがあります。放射線のあたる範囲が少なければ、 6か月から1年後に、ほぼ味覚は改善しますが、状況によっては、味覚障害が持続することがあります。

■放射線性骨髄炎、骨壊死

 顎の骨や頭蓋骨の一部に放射線があたると、放射線による血流障害から感染を生じ、骨の炎症である骨髄炎や、骨壊死を生じる場合があります。頻度はそれほど高くはありませんが、症状が改善しない場合には、 壊死した骨の切除や、骨移植による再建術が行われることがあります。う歯や歯周病が進行したり、放射線のあたった部分の歯を抜くことで生じることが知られています。このため、う歯の有無をチェックしたり、う歯を予防する ための放射線治療前・中・後の口腔ケアが非常に重要です。また、歯科処置の際に感染予防など、適切な処置を行えば、骨壊死のリスクを下げることができます。頭頸部がんの放射線治療後、歯科処置が必要となった場合は、 必ず担当の歯科医師に、放射線治療を受けたことがあることを伝えるようにしましょう。

■嚥下困難(のみこみづらさ)、誤嚥(ごえん)

 がんの進行により、咽頭・喉頭の構造が大きく破壊されていたり、広範囲にわたる放射線治療が行われた場合、 嚥下困難や、食物や唾液が気管へ流れこんでしまう誤嚥を生じることがあります。放射線治療直後から出てくることもありますが、 治療後、年単位の期間が過ぎてから認められることもあります。施設によっては、嚥下機能の評価や、リハビリを行なっているところもあります。

■聴力低下

 聴器(外耳・中耳・内耳)に近い腫瘍(外耳道がん、上咽頭がんなど)の放射線治療後に生じることがあります。シスプラチンなどの化学療法の副作用で生じることもあります。耳痛や、めまいを伴うこともあります。

■その他

 病変の位置によっては、視力障害、脳神経障害、開口障害、摂食時の鼻逆流、甲状腺機能低下を生じることがあります。まれに、脳壊死や脊髄障害などの重篤な副作用が生じる可能性もあります。出現時期は、数ヶ月後から年単位を経過してから 発生すこともあり、幅があります。通常は、これらの重篤な副作用が発生しないよう、治療計画を行ないますが、副作用がさけられないこともあります。なお、IMRTや粒子線治療などにより、重篤な副作用のリスクを軽減できるという報告もあります。
 
放射線治療の副作用には、治療開始後早期に出現し、早期に治るものと、時間が経過してから出現し、一旦出現すると治りにくいものなど、様々なものがあります。副作用の出方、治り方には、個人差が大きいのも特徴です。

■放射線治療中に気をつけていただきたいこと

 放射線治療前・中・後の喫煙・飲酒は、治療による副作用を悪化させることがあり、危険です。
 
禁酒・禁煙を徹底してください。独力で禁煙が難しい方には禁煙外来の利用が有効です。

2.強度変調放射線治療

1)強度変調放射線治療とは

 強度変調放射線治療 (Intensity modulated radiotherapy: IMRT)は、従来のX線治療(三次元原体放射線治療:3DCRT)とは大きく異なる技術です。さまざまな方向から、強弱をつけて放射線を照射してゆきますが、そのためには複雑な計算 (最適化)が必要となります。IMRTでは、コンピュータがその最適化を行うことが特徴です。そのため、3DCRTでは実現困難なような、病変には多くの線量を照射しつつ、正常臓器への放射線量を軽減するような放射線のあてかた(線量分布)が実現可能になりました。 頭頸部がんは、病変の周囲に、嚥下や咀嚼、会話などの機能を担う臓器が存在することが多く、それらの臓器への線量軽減が可能なIMRTは、治療中の副作用の軽減や、治療後の生活の質の向上に役立つことがわかっています。最近では、強度変調回転照射あるいはVMAT (Volumetric Modulated Arc Therapy)と呼ばれる治療技術が広く使われるようになってきています。IMRTでは放射線が照射される角度が固定されているのに対し、VMATでは放射線を照射する装置が回転しながら照射が行われ、治療時間が短縮できることがメリットです。

2)代表的な線量分布図

図Ⅵ-2-1

 IMRTと3DCRTを比較したものを図に示します。(図Ⅵ-2-1)
 
IMRTにより、口腔(口の中の舌などを含む範囲)、唾液の分泌を司る唾液腺(耳下腺など)への線量が軽減されているのがわかります。等高線のような線が、あたっている放射線の強さを表します。3DCRTでは、幾何学的な線量分布となっているのに対して、IMRTでは、 病変や、正常組織の構造にそった線量分布が作られているのがわかります。

3)IMRTのメリット

 IMRTは、3DCRTと比較して、患者さんの治療後の口の渇きや味覚低下の点で、すぐれていることがわかっています。治療効果の点では、両者に大きな差はないとされていますが、病変の周囲に、放射線に弱い臓器が存在する疾患、例えば、鼻腔・副鼻腔がんや上咽頭がんなどでは、 脳や眼球、視神経への線量を減弱することができ、重篤な副作用の発生リスクが下げられるという報告もあります。中咽頭がんでは、IMRTにより口腔線量や耳下腺線量の減弱が可能です。下咽頭がんの治療では、腫瘍部位を中心とした照射を行う前に予防照射を広い範囲に行う必要 がありますが、その際、IMRTにより耳下腺線量を下げることが可能になります。口腔がんに対する治療(術後照射など)では、唇や正常な口腔への線量を下げることができます。

3)IMRTのデメリット

 治療計画に時間がかかり、2週間程度必要とする施設が多いようです。また、3DCRTと比べて、治療時間が長く、20分程度かかることがあります。また、治療中に患者さんの位置がわずかでもずれると、放射線のあたりかたが乱れやすいため、位置精度を高く保つ必要があります。
 
また、特別な技術・機械が必要になるため、現在国内の全ての施設で利用可能というわけではありません。

3.粒子線治療

1)粒子線治療とは

 粒子線は、元素の原子核を加速したもので、放射線の一種です。
 
陽子は、水素という最も軽い元素の原子核で、それを加速したものが陽子線です。重粒子線は、質量の大きな炭素の原子核を加速したものです。粒子線治療は、これらを用いてがん治療を行います。
 
現在、日本では粒子線医療施設は22箇所あります。各施設の詳細は各施設のウェブサイトを訪れてみてください。

2)陽子線治療とは

 放射線治療では、がん周囲の正常組織にも影響がおよび、副作用が生じます。そのため、極力がんに放射線を集中しつつ、正常組織への影響を最小限に抑えることが重要です。

 陽子線は、一般的な放射線であるX線と体内での効果のあらわれ方が異なります。図に示すように、X線は、体の表面近くでその効果がピークになり、徐々に減少します。一方、陽子線は一定の深さに達した時点でその効果がピークとなり(ブラッグ・ピークとよばれます。図Ⅵ-3-1参照)、 その後急激に効果が減少します。つまり、一定の深さ以降では、陽子線の影響がほとんどなくなるということであり、副作用の軽減が期待できます。(図Ⅵ-3-2)に、鼻腔がんに対する陽子線治療とIMRTによる線量分布図を示します。IMRTでは、脳に少ない線量ですが広範囲に放射線が照射されてしまうのに対し、 陽子線治療では、病変に集中して照射されていることがわかります。また、陽子線の照射方法には様々なものがあり、施設ごとに工夫がされています。

図Ⅵ-3-1
図Ⅵ-3-2

 陽子線の効果は、X線と比較して1.1倍程度(同じ吸収線量の放射線を照射した時の生物学的効果。RBE:相対的生物学的効果)とされています。つまり、X線とほぼ同様の効果を持つと考えられており、そのため従来のX線治療で培われた知識 (がんを制御するために必要な放射線量や、正常組織への影響など)を生かしたり、理論的には、X線で使用されている化学療法を併用しやすいのが特徴です。副作用を軽減できると予想されるため、病変にあてる放射線の量を増やす試みも行われています。
 
2018年4月より、口腔・咽喉頭の扁平上皮がんを除く頭頸部がんに対する陽子線治療は、保険収載されています。具体的には、鼻・副鼻腔の扁平上皮がん、頭頸部悪性黒色腫、嗅神経芽細胞腫、腺様のう胞がん、唾液腺腫瘍、頭頸部非扁平上皮癌などです。
 
それ以外の頭頸部がんに対する陽子線治療を、先進医療として行うこともあります。
 
(*適応となる疾患は変わる可能性があります)

3)陽子線治療のながれ

 治療計画は、X線による放射線治療とほぼ同様です。治療計画CTに乗っていただいた後、シェルなどにより頭頸部を固定し、治療計画CTを撮影します。その画像に基づき、治療計画が行われます。また、ボーラス、コリメーターといった患者さん専用の特殊な器具を作成することがあります。 この過程に1-2週間程度を必要とします。一回の治療時間は、15分から30分ほどです。
 
治療期間や、放射線量や回数は、同じ疾患でもX線とは異なることがあります。

4)重粒子線治療とは

図Ⅵ-3-3

 重粒子線治療は、陽子線治療と同様の特性(ブラッグ・ピーク)により、放射線の体内での効果の出方がX線と大きく異なります。その結果、正常組織に当たる放射線量を減じることが可能です(図Ⅵ-3-3)に鼻腔がんに対する重粒子線治療とIMRTによる線量分布図をしめします)。 加えて、重粒子線治療では線量分布を方向によってはより急峻にすることができ、正常組織を守りながら腫瘍への線量をより高められると期待されています。また、重粒子線治療の生物学的効果の目安となるRBEは3程度と想定されています(陽子線は1.1程度)。その結果、従来のX線では効果の低い腫瘍に 対しても高い効果が期待されています。
 
2018年4月より、口腔・咽喉頭の扁平上皮がんを除く頭頸部がんに対する重粒子線治療は、保険収載されています。具体的には、腺がん、腺様のう胞がん、粘表皮がん、粘膜悪性黒色腫、肉腫、鼻・副鼻腔・聴器の扁平上皮がんなどです。
 
口腔・咽喉頭の扁平上皮がんに対する重粒子線治療は現在行われていません。
 
(*適応となる疾患は変わる可能性があります)

5)重粒子線治療の流れ

 患者さんにとって、治療計画は、X線による放射線治療とほぼ同様です。シェルなどにより頭頸部を固定し、治療計画CTを撮影します。その画像に基づき、治療計画が行われます。また、ボーラス、コリメーターといった患者さん専用の特殊な器具を作成することがあります。 この過程に1-2週間程度を必要とします。1回の治療時間(入室から退室まで)は、15分から30分ほどです。
 
治療期間は同じ疾患でもX線治療より短期間になります(約4週間)。

禁煙・節酒宣言
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