12の専門班が、幅広い小児疾患に対応
感染、心臓、神経などの伝統的な専門領域から、精神保健、遺伝、免疫・アレルギー、急性期・集中治療まで。各専門班がそれぞれの専門性を持ちながら、必要に応じて班を越えて連携し、子どもの成長と発達を長期的に見据えた診療を行います。
感染班
診療内容・メンバー代謝内分泌班
診療内容・メンバー神経班
診療内容・メンバー精神保健班
診療内容・メンバー新生児班
診療内容・メンバー呼吸器班
診療内容・メンバー心臓班
診療内容・メンバー腎臓班
診療内容・メンバー血液・腫瘍班
診療内容・メンバー遺伝班
診療内容・メンバー免疫・アレルギー班
診療内容・メンバー急性期・集中治療班
診療内容・メンバー各診療班の詳細
対象疾患、慶應での診療の特徴、診療の歩み、担当メンバーをご紹介します。
感染班診療内容・メンバーを見る
対象疾患
発熱、肺炎、髄膜炎、菌血症などの一般的な小児感染症から、小児ICUで治療を要する重症感染症、免疫抑制状態や臓器移植後の感染症、先天性感染症、新生児感染症まで幅広く診療しています。原因がはっきりしない発熱や、抗菌薬を使用しても改善しない感染症などについて、院内各診療科や他院からの相談にも対応しています。
診療の歩み
慶應小児科の感染症診療は、かつてウイルス・細菌・ワクチンなど領域ごとに活動していた時期を経て、2013年から感染班として再び一体的な診療・教育体制を整えてきました。インフルエンザ、小児細菌感染症、ワクチン免疫などを長年研究してきた教室内外の先達の蓄積を受け継ぎ、現在は感染症診療、予防接種、感染対策を横断して扱っています。
慶應での診療の特徴
小児の感染症は、年齢、基礎疾患、免疫状態によって必要な検査や治療が大きく異なります。当班では、小児科各専門班、小児ICU、小児外科、感染制御部などと連携し、抗菌薬の選択だけでなく、感染経路の評価、抗菌薬適正使用、院内感染対策まで含めて総合的に診療しています。
特に肝移植後など免疫抑制状態にあるお子さんでは、小児外科と協力し、感染症の診断・治療に加えて、弱毒生ワクチンを含む予防接種についても一人ひとりの免疫状態を確認しながら対応します。麻しん、水痘、インフルエンザ、百日咳など周囲へ広がる可能性のある感染症についても、病棟・外来で安全に診療を継続できる体制づくりに関わっています。
患者さんとご家族へ
「発熱が長く続いて原因が分からない」「特殊な基礎疾患があり感染症への対応に困っている」「移植後に予防接種を受けられるか相談したい」といった場合にもご相談ください。感染症や不明熱について関連施設を含む専門医ネットワークで情報を共有し、必要に応じて他施設とも連携します。慶應義塾大学病院は日本感染症学会認定研修施設であり、小児科は関連施設と連携して小児感染症専門医を育成する教育拠点としての役割も担っています。
代謝内分泌班診療内容・メンバーを見る
対象疾患
低身長や成長の遅れ、思春期の早まり・遅れ、甲状腺疾患、副腎疾患、糖尿病、肥満、骨・カルシウム代謝異常、性分化疾患、先天性代謝異常など、小児期にみられる幅広い内分泌・代謝疾患を診療しています。成長や思春期には大きな個人差があるため、「病気なのか、体質の範囲なのか」を丁寧に見極めることを大切にしています。
診療の歩み
代謝内分泌班は1984年に創設され、成長、甲状腺、副腎、性腺、糖代謝、骨・カルシウム代謝など、小児内分泌代謝疾患の全領域を診療してきました。2019年には全国に先駆けて性分化疾患(DSD)センターを開設し、泌尿器科・産婦人科・臨床遺伝学など多領域と連携する診療体制へ発展しています。
慶應での診療の特徴
当班では1万2千人を超える患者さんの診療実績を背景に、日本内分泌学会専門医や臨床遺伝専門医を含む多数の専門医が、大学病院と関連施設のネットワークで診療にあたっています。全国の大学病院や小児医療専門施設から希少な内分泌・代謝疾患について紹介を受け、必要に応じて遺伝学的検査を含む専門的な診断を行っています。
大きな特徴の一つが、わが国で先駆けて設立された性分化疾患(DSD)センターです。小児科だけでなく、泌尿器科、産婦人科、臨床遺伝学など関連診療科と連携し、出生直後の性別決定に関わる症例から思春期以降に診断される性腺機能異常まで、診断・治療・心理社会的支援を含めた包括的な診療を行っています。
患者さんとご家族へ
成長ホルモン治療、甲状腺・副腎ホルモン補充、思春期誘導、糖尿病治療などでは、目の前の検査値だけでなく、長期的な成長・発達、学校生活、成人期への移行まで考えながら、一人ひとりに合った治療を提案します。診療と研究が密接に結びついていることも特徴で、原因不明の希少疾患については、診療で得られた疑問を新しい診断法や治療法の開発につなげています。
神経班診療内容・メンバーを見る
対象疾患
てんかん、発達の遅れ、神経発達症、神経筋疾患、慢性頭痛、遺伝性神経疾患などの外来診療から、急性脳炎・脳症、けいれん重積、脳梗塞、代謝性神経疾患など、集中治療を必要とする急性神経疾患の入院診療まで幅広く対応しています。病歴、神経診察、脳波、MRI、遺伝学的検査などを組み合わせて診断します。
診療の歩み
神経班は、てんかん、知的・発達障害、脳性麻痺など幅広い小児神経疾患を長年診療してきました。2000年代以降は画像診断やゲノム解析の進歩を臨床に取り込み、基礎医学教室とも連携して疾患特異的iPS細胞や遺伝子解析などを用いる体制へ発展しています。多くの班員が海外留学を経験し、帰国後も国内外で小児神経診療・研究を担ってきました。
慶應での診療の特徴
進行性神経筋疾患ではリハビリテーション科と連携し、小型ロボットスーツHAL®を用いたリハビリテーションを導入しています。結節性硬化症や神経線維腫症などの母斑症については、関連各科とともに「母斑症センター」で診療し、必要に応じて分子標的薬による治療も行っています。
さらに、頭蓋縫合早期癒合症では形成外科・脳神経外科と連携して小児頭蓋顔面(クラニオ)センターに参画し、側弯症についても整形外科などと連携しています。複数の診療科が関わる疾患を、センター横断型のチームで診療できることが特徴です。
患者さんとご家族へ
神経の病気は、運動、呼吸、栄養、整形外科的問題、発達や学習など複数の領域に影響することがあります。そのため、病名を診断するだけでなく、成長と生活を長期的に支えることを重視しています。急性期の高度医療から、慢性疾患のリハビリテーションや生活支援まで切れ目なく対応します。
精神保健班診療内容・メンバーを見る
対象疾患
小児心身症、摂食障害、不登校、神経発達症、自傷行為、過量服薬、虐待など、子どものこころと身体の両方に関わる問題を診療しています。腹痛や頭痛など身体症状が続いていても検査で明らかな原因が見つからない場合や、食事がとれない、学校に行けない、気分の落ち込みが続くなど、身体とこころの両面からの評価が必要な場合に対応しています。
診療の歩み
精神保健班は、医師と臨床心理職が協働し、愛着障害、虐待、発達障害と発達性トラウマ、摂食障害、転換性障害などの心身症、他科とのリエゾン診療を発展させてきました。院内の虐待対応、救急・他診療科との連携、行政・児童相談所・警察・司法との多機関連携に加え、周産期からの母子メンタルヘルスや被災地支援にも取り組んできた歴史があります。
慶應での診療の特徴
医師と公認心理師が協働し、看護師、医療ソーシャルワーカーなど多職種と連携します。また、がん、心臓病、神経疾患などの慢性疾患をもつお子さんや、NICU・小児ICUで治療を受ける患者さんとご家族に対しても、心理社会的支援やリエゾン診療を行っています。
児童虐待が疑われる場合には、院内虐待防止委員会の中心メンバーとして児童相談所や院内多職種と連携し、お子さんの安全確保と家族支援に取り組んでいます。
患者さんとご家族へ
こころの問題は、家庭、学校、病気、発達などさまざまな要因が重なって現れることがあります。症状だけをみるのではなく、その子の生活全体とご家族の状況を一緒に考えながら支援します。慶應義塾大学周産期・小児医療センターを基幹施設として「子どものこころ専門医研修」も行い、地域医療機関と連携しながら専門診療体制を整えています。
新生児班診療内容・メンバーを見る
対象疾患
NICU・GCUを中心に、早産児、極低出生体重児、出生直後に呼吸や循環の管理を必要とする赤ちゃん、先天異常や外科疾患をもつ赤ちゃんなど、高度な医療を必要とする新生児を診療しています。在胎週数が非常に短い超早産児や、複数の合併症を抱える重症児にも対応しています。
診療の歩み
新生児班は新生児室を起源とし、1974年のNICU開設を契機に専門班として発足しました。2004年に東京都周産期医療ネットワークへ参加し、新生児搬送を広く受け入れる体制を整備。NICUは6床から9床へ拡充され、2013年にはNICU9床・GCU18床の体制となり、2018年の新病院開院時に現在の1号館6階へ移転しました。超低出生体重児を含む重症新生児の救命と長期支援を積み重ねてきました。
慶應での診療の特徴
産婦人科と連携し、出生前から病気が予想される場合には出生後の治療を見据えた準備を行います。出生後は、小児外科、心臓班、神経班、代謝内分泌班など小児科内外の専門領域と協力し、赤ちゃんの状態に応じたチーム医療を行います。必要に応じて小児ICUや一般小児病棟とも連携し、病状の変化に応じて切れ目なく診療できる体制を整えています。
東京都の地域周産期センターとして、23区西部地域を中心に新生児搬送を積極的に受け入れています。日本周産期・新生児医学会の周産期専門医(新生児)研修にも関わり、高度新生児医療を支える人材育成にも取り組んでいます。
患者さんとご家族へ
赤ちゃんを治療するだけでなく、ご家族が安心して育児を始められることを大切にしています。看護師、助産師、医療ソーシャルワーカーなど多職種と協力し、社会的背景が複雑なご家庭にも入院中から退院後を見据えた育児支援を行います。両親だけでなく祖父母やきょうだいも含めて赤ちゃんとの時間を大切にするファミリーセンタードケアを推進しています。
呼吸器班診療内容・メンバーを見る
対象疾患
気管支喘息、慢性肺疾患、反復性肺炎、慢性的な咳や喘鳴、気道狭窄、先天性気道異常など、小児のさまざまな呼吸器疾患を診療しています。症状だけでは原因が分かりにくい場合には、肺機能検査、画像検査、気道内視鏡などを組み合わせて診断します。
診療の歩み
慶應小児科は、わが国の小児呼吸器学の黎明期から診療・学会活動を牽引してきました。気道内視鏡をはじめとする専門技術を蓄積し、大学病院のみならず成育医療研究センターや地域基幹病院へ人材を送り出して、小児呼吸器専門診療を広げてきた歴史があります。
慶應での診療の特徴
大きな特徴は、小児の上気道・下気道内視鏡を積極的に行っていることです。喉頭、気管、気管支を直接観察し、喉頭軟化症、気管・気管支狭窄、異物、慢性炎症などを評価します。外来・病棟の両方で検査を行い、必要に応じて耳鼻咽喉科、呼吸器外科、小児外科などと連携して治療につなげます。
原発性線毛機能不全など診断が難しい疾患では、呼吸器内科と共同して鼻腔NO測定や鼻粘膜培養を行う体制を整えています。また、小児科だけでなく整形外科・呼吸器外科から依頼される18歳未満の患者さんの肺機能検査にも対応しています。
患者さんとご家族へ
側弯症や神経筋疾患など、「肺そのもの以外の病気」に伴う呼吸障害にも対応しています。気道の形態を見る内視鏡と、肺の働きを評価する呼吸生理検査の両方を活用し、子どもの呼吸を多面的に評価します。「咳や喘鳴が長引く」「呼吸が苦しそうだが原因が分からない」といった場合にも、必要に応じて関連診療科と協力して原因を探ります。
心臓班診療内容・メンバーを見る
対象疾患
先天性心疾患、不整脈、肺高血圧、川崎病など、小児の循環器疾患を幅広く診療しています。胎児期から診断される患者さん、出生直後に治療が必要な患者さん、乳幼児期に手術を受ける患者さん、さらに成人期まで経過観察が必要な患者さんまで、生涯にわたる循環器診療を行っています。
診療の歩み
心臓班は1966年に創設され、先天性心疾患を中心に半世紀以上の診療実績を積み重ねてきました。小児ICUや心臓血管外科と緊密に協力して周術期管理を行い、東京都立小児総合医療センター、埼玉医科大学国際医療センター、済生会宇都宮病院などとも連携しながら若手小児循環器医を育成してきました。
慶應での診療の特徴
心エコー、心電図、運動負荷検査、MRI、心臓カテーテル検査などを用いて病態を詳しく評価します。心臓カテーテルでは、心房中隔欠損や動脈管開存の閉鎖術に加え、経皮的肺動脈弁留置術(TPVI)の施設認定を受け、Fallot四徴症術後などの患者さんに低侵襲な肺動脈弁置換術を行っています。
また、Fontan術後の蛋白漏出性胃腸症など治療が難しい合併症については全国から紹介を受け、多診療科で集学的治療を行っています。成人となった先天性心疾患患者さんについても循環器内科などと連携し、成人先天性心疾患診療を行っています。
患者さんとご家族へ
先天性心疾患は「手術が終われば診療終了」ではなく、成長や妊娠・出産、運動、生活習慣などを含めて長く見守る必要があります。スポーツ医学総合センターでは運動負荷検査や運動療法も行い、心疾患をもつお子さんが安全に学校生活やスポーツを続けるための支援にも取り組んでいます。治療だけでなく、その子らしい生活をどう支えるかまで考えることを大切にしています。
腎臓班診療内容・メンバーを見る
対象疾患
急性・慢性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、尿路感染症、溶血性尿毒症症候群、腎血管性高血圧、慢性腎臓病など、小児の腎・尿路疾患を幅広く診療しています。学校検尿で尿蛋白や血尿を指摘されたお子さんから、腎機能低下や高血圧を伴う重症例まで対応しています。
診療の歩み
腎臓班は、清瀬小児病院と都立小児総合医療センターを含む関連施設とともに、わが国の小児腎臓診療を長く牽引してきました。1970年代から小児腎不全に対する透析・移植医療を開拓し、乳幼児の在宅腹膜透析、難治性腎疾患の多施設研究など、新しい治療を臨床へ導入してきた歴史があります。
慶應での診療の特徴
血液・尿検査、超音波検査などに加え、必要に応じて腎生検を行い、腎臓の組織を詳しく調べます。重症の腎機能障害では透析などの腎代替療法にも対応しています。先天性腎尿路異常では泌尿器科、低出生体重児の腎機能や高血圧については新生児班、内分泌疾患との関連では代謝内分泌班、結節性硬化症などでは神経班と連携しています。
腎臓以外の臓器にも異常を伴う先天性腎尿路異常では、臨床遺伝学センターと協力して遺伝学的検査を行っています。希少・難治性腎疾患については全国的なレジストリや診療ガイドライン・手引きの作成にも関与しています。
患者さんとご家族へ
慢性腎臓病では、腎機能だけを見るのではなく、成長、血圧、食事、学校生活、薬物療法、将来の成人診療への移行まで長期的に支援します。「学校検尿で異常を指摘された」「尿路感染を繰り返す」「腎臓以外にも複数の症状がある」といった場合にも、必要な専門科と連携して診療します。
血液・腫瘍班診療内容・メンバーを見る
対象疾患
白血病、悪性リンパ腫、脳腫瘍、神経芽腫、骨・軟部腫瘍などの小児がんに加え、再生不良性貧血、血小板減少症などの血液疾患を診療しています。診断から化学療法、造血細胞移植、治療後の長期フォローアップまで、一貫した診療を行っています。
診療の歩み
血液・腫瘍班は、白血病・リンパ腫だけでなく、脳腫瘍、骨・軟部腫瘍を含むあらゆる小児がんと血液疾患に対応する体制を整えてきました。必要に応じてAYA世代まで治療を継続し、EBMに基づく治療選択とQOLの両立、看護師・CLSなど多職種による家族支援、患者会との連携を重視しています。
慶應での診療の特徴
小児がんでは、小児外科、整形外科、脳神経外科、泌尿器科、放射線科などと「小児がんクラスター」を形成し、定期的なpediatric tumor boardで画像、病理、遺伝子情報、治療法を多診療科で検討します。また、日本小児がん研究グループ(JCCG)の多施設共同臨床研究に参加し、新しい治療法や標準治療の確立にも取り組んでいます。
造血細胞移植については、非血縁者間移植を含む高度な移植医療を行う認定施設です。小児血液・がん専門医研修施設、血液専門医専門研修認定施設として、専門医療と人材育成を両立しています。
患者さんとご家族へ
治療終了後も、成長、内分泌機能、心機能、学習、就学・就労など、治療による晩期合併症を長期的に評価します。関東甲信越地域小児がん連携病院、東京都小児がん診療病院として地域医療機関とも連携し、患者さんとご家族が治療中だけでなく、その後も安心して生活できる長期フォローアップ体制の構築に取り組んでいます。
遺伝班診療内容・メンバーを見る
対象疾患
先天異常、発達の遅れ、複数の臓器にまたがる症状、家族内で繰り返す病気など、遺伝性疾患が疑われる患者さんを幅広く診療しています。小児科だけでなく、慶應義塾大学病院臨床遺伝学センターを中心に院内各診療科と連携して、診断、医学的管理、遺伝カウンセリングを行います。
診療の歩み
遺伝班は1998年に設立され、遺伝性疾患の診療・研究・教育を一体として発展させてきました。2011年には臨床遺伝学センターの設立につながり、小児科の枠を越えて各診療科と連携する体制が整いました。未診断疾患イニシアチブ(IRUD)など全国規模のプロジェクトを通じて、診断がつかない患者さんの診療を大きく前進させてきました。
慶應での診療の特徴
一般的な検査を繰り返しても診断がつかない患者さんに対しては、未診断疾患イニシアチブ(IRUD)などを通じて、エクソーム解析や全ゲノム解析などの網羅的な遺伝学的検査を検討します。先天異常に限らず、神経、内分泌、腎、心臓など多様な遺伝性疾患を対象としています。
診断をつける目的は病名を明らかにすることだけではありません。今後起こり得る症状を予測し、必要な検査や治療を計画し、ご家族への情報提供や将来の妊娠・出産について考える手がかりにすることも重要です。診断後も必要に応じて各専門診療科と連携し、長期的な健康管理につなげます。
患者さんとご家族へ
「何年も診断がつかない」「複数の症状があるが一つの病気として説明できない」「家族にも似た症状がある」といった場合に、“診断がつかないこと”そのものを専門的に診療することが遺伝班の重要な役割です。検査を受ける意味や結果がご本人・ご家族に及ぼす影響についても、遺伝カウンセリングを通じて丁寧に相談します。
免疫・アレルギー班診療内容・メンバーを見る
対象疾患
食物アレルギー、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)など、小児のアレルギー疾患を幅広く診療しています。アレルギー専門医による専門外来を設け、症状や検査結果だけでなく、日常生活や食事、園・学校での過ごし方まで考えた診療を行っています。
診療の歩み
免疫・アレルギー班は2010年に新設され、アレルギー疾患患者の増加と専門医療へのニーズに応じて発展してきました。2018年の慶應アレルギーセンター開設後は多診療科連携を強化し、2024年には東京都アレルギー疾患医療拠点病院として、院内外の多数の施設と連携する診療体制を担っています。
慶應での診療の特徴
食物アレルギーでは、必要に応じて食物経口負荷試験を行い、「本当に除去が必要なのか」「どの程度まで食べられるのか」を安全に評価します。過剰な食物除去を避け、できるだけ多くの食品を安心して食べられることを目標としています。
慶應アレルギーセンターの一員として院内各診療科からの相談にも対応し、成人アレルギー外来にも参画しています。また、東京都アレルギー疾患拠点病院として地域の医療機関と連携し、難治性アレルギー疾患の診断・治療、患者さんや医療従事者への情報提供を行っています。
患者さんとご家族へ
関連病院とは定期的にWebカンファレンスを行い、大学病院だけでなく慶應小児科ネットワーク全体で診療水準を高めています。感染班と協力した小児リウマチ外来も行っています。「食べられるものを増やしたい」「除去をいつまで続けるべきか分からない」「複数のアレルギー症状があり治療が難しい」といった場合にも、生活の質を大切にしながら一緒に方針を考えます。
急性期・集中治療班診療内容・メンバーを見る
対象疾患
小児ICUに専従医を配置し、24時間体制で重症小児の集中治療を行っています。呼吸不全、循環不全、重症感染症、けいれん重積や急性脳症、重症外傷、術後管理など、原因となる診療科を問わず、生命の危機にある子どもを受け入れています。
診療の歩み
急性期・集中治療班は、慶應義塾大学病院小児ICUの開設に伴い2019年に発足しました。専従医が常駐し、人工呼吸管理、ECMO、腎代替療法など高度な集中治療に対応するとともに、新生児部門と連携して侵襲度の高い外科治療を受ける新生児も受け入れてきました。2022年には小児の院内迅速対応システム(RRS)を稼働させ、PICUの外でも重症化を早期に捉える体制を構築しています。
慶應での診療の特徴
人工呼吸、循環管理、腎代替療法などの高度な集中治療を行いながら、小児科各専門班、心臓血管外科、小児外科、脳神経外科、整形外科などの外科系診療科、NICU、成人ICU、多職種と協力してチーム医療を行います。周産期・小児医療センター、小児頭蓋顔面(クラニオ)センター、側弯症診療センターなど、高度な手術・治療を行う院内部門を支える役割も担っています。
また、小児ICUに入室した患者さんを救命するだけでなく、病棟で重症化する前に異変を見つけることにも力を入れています。院内急変迅速対応システム(Rapid Response System)の構築・運営に中心的に関わり、早期介入によって重症化を防ぐことを目指しています。
患者さんとご家族へ
重症な病気や大きな手術を経験したお子さんでは、救命後にも身体機能、発達、心理面、生活への影響が残ることがあります。小児ICU退室後も元の専門診療班や病棟スタッフと情報を共有し、その後のフォローへつなげます。「救命」だけでなく、子どもとご家族のその後まで支えることを大切にしています。
