プログラム・日程表
※プログラムは現時点での予定のため、変更が生じる場合がございます。詳細が決定次第、随時更新いたします。(9月5日時点)
会長講演
「遺伝要因に着目したアルツハイマー病のゲノム医療への展望」
- 日時:
- 11月21日(金)11:00~11:50
- 座長:
- 岩坪 威(国立精神・神経医療研究センター神経研究所)
- 演者:
- 池内 健(新潟大学 脳研究所 生命科学リソース研究センター)
理事長講演
「アルツハイマー病治療薬の開発と臨床実装」
- 日時:
- 11月21日(金)14:00~14:50
- 座長:
- 森 啓(長岡崇徳大学)
- 演者:
- 岩坪 威(国立精神・神経医療研究センター神経研究所)
特別講演
特別講演1「認知症を「認知する」ための方法は?」
- 日時:
- 11月21日(金)13:05~13:55
- 座長:
- 池内 健(新潟大学脳研究所 遺伝子機能解析学分野)
- 演者:
- 田中 耕一(島津製作所 田中耕一記念質量分析研究所)
特別講演2「超高齢社会とインフォームド・コンセントの変容」
- 日時:
- 11月22日(土)13:25~14:15
- 座長:
- 池内 健(新潟大学脳研究所 遺伝子機能解析学分野)
- 演者:
- 児玉 安司(一橋大学法科大学院/自治医科大学/情報システム研究機構)
特別企画
「共生社会の構築に向けた省庁の取組」
- 日時:
- 11月22日(土)15:25~16:25
- 座長:
- 岩坪 威(国立精神・神経医療研究センター神経研究所)
- 演者:
- 福田 光紀(経済産業省 商務・サービスグループ ヘルスケア産業課)
江川 斉宏(厚生労働省老健局認知症施策・地域介護推進課)
海外招聘講演
海外招聘講演1「Step by step: towards a better understanding of the genetic architecture of Alzheimer's disease」
- 日時:
- 11月21日(金)14:55~15:45
- 座長:
- 鎌谷洋一郎(東京大学大学院新領域創成科学研究科 メディカル情報生命専攻 複雑形質ゲノム解析分野)
- 演者:
- Jean-Charles Lambert(UMR1167 – INSERM, Institut Pasteur de Lille, Université de Lille –)
海外招聘講演2「Modulation of Aβ Amyloidosis and Neuroinflammation by the Gut Microbiome」
- 日時:
- 11月21日(金)15:50~16:40
- 座長:
- 池内 健(新潟大学脳研究所 遺伝子機能解析学分野)
- 演者:
- Sangram S. Sisodia(Departments of Neurobiology and Neurology, The University of Chicago)
海外招聘講演3「Ten Years of Transformative Progress in Alzheimer's Dementia Research: From DIAN Insights to AI-Powered Discovery」
- 日時:
- 11月22日(土)14:25~15:15
- 座長:
- 池内 健(新潟大学脳研究所 遺伝子機能解析学分野)
- 演者:
- Randall J. Bateman(Charles F. and Joanne Knight Distinguished Professor of Neurology, Washington University School of Medicine; Director, Dominantly Inherited Alzheimer Network (DIAN) and DIAN Trials Unit (DIAN-TU))
ホットトピックス
「Tau関連バイオマーカー開発の新展開(仮)」
- 日時:
- 11月22日(土)16:15~17:00
- 座長:
- 岩田 淳(東京都健康長寿医療センター)
- 演者:
- 堀江 勘太(エーザイ株式会社)
プレナリーレクチャー
プレナリーレクチャー1「認知症をきたす疾患の神経病理学
Neuropathology of dementia disorders: insights into practical diagnosis and cellular mechanisms」
- 日時:
- 11月21日(金)9:50~10:40
- 座長:
- 髙尾 昌樹(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター病院臨床検査部・総合内科)
- 演者:
- 柿田 明美(新潟大学 脳研究所・病理学分野)
プレナリーレクチャー2「加齢性認知症における脳小血管病:血管壁マトリックス恒常性破綻を標的とした新戦略」
- 日時:
- 11月22日(土)9:00~9:50
- 座長:
- 冨本 秀和(三重大学大学院/済生会明和病院)
- 演者:
- 小野寺 理(新潟大学脳研究所臨床神経科学部門脳神経内科学分野)
プレナリーレクチャー3「細胞外小胞を標的とした治療法とバイオマーカーとしての応用」
- 日時:
- 11月22日(土)10:00~10:50
- 座長:
- 齊藤 貴志(名古屋市立大学脳神経科学研究所)
- 演者:
- 池津 庸哉(メイヨークリニックフロリダ校神経科学科)
プレナリーレクチャー4「認知症疾患の異常タンパク質蓄積機構の解明と治療法開発」
- 日時:
- 11月23日(日)10:40~11:30
- 座長:
- 秋山 治彦(横浜市立脳卒中・神経脊椎センター MCI・認知症センター)
- 演者:
- 長谷川成人(東京都医学総合研究所 臨床医科学研究分野 認知症研究プロジェクト)
学術教育講演
学術教育講演1「村上コホート研究から得られた認知症のリスク・防御因子」
- 日時:
- 11月21日(金)8:50~9:35
- 座長:
- 道川 誠(名古屋市立大学大学院医学研究科/日本歯科大学新潟生命歯学部)
- 演者:
- 中村 和利(新潟大学大学院医歯学総合研究科環境予防医学分野)
学術教育講演2「上善如水 ー 脳における水の動態」
- 日時:
- 11月21日(金)9:45~10:30
- 座長:
- 湯浅 龍彦(鎌ケ谷総合病院 脳神経内科・神経難病センター)
- 演者:
- 五十嵐博中(新潟大学 脳研究所 統合脳機能研究センター)
学術教育講演3「画像バイオマーカーで読み解く認知症の病態と診療」
- 日時:
- 11月21日(金)13:05~13:50
- 座長:
- 金澤 雅人(新潟医療福祉大学 リハビリテーション学部/新潟大学 脳神経内科)
- 演者:
- 高堂 裕平(国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 量子生命科学研究所)
学術教育講演4「オミックス情報解析から迫る認知症メカニズムの解明」
- 日時:
- 11月21日(金)14:00~14:45
- 座長:
- 桑野 良三(社会福祉法人旭川荘 旭川荘総合研究所)
- 演者:
- 菊地 正隆(新潟大学 脳研究所)
学術教育講演5「百寿者と超百寿者の特性と認知機能」
- 日時:
- 11月22日(土)9:00~9:45
- 座長:
- 三村 將(慶應義塾大学予防医療センター)
- 演者:
- 新井 康通(慶應義塾大学看護医療学部)
学術教育講演6「レビー小体病にみられるアルツハイマー病」
- 日時:
- 11月22日(土)9:55~10:40
- 座長:
- 小野賢二郎(金沢大学医薬保健研究域脳神経内科学)
- 演者:
- 村上 秀友(昭和医科大学医学部内科学講座脳神経内科学部門)
学術教育講演7「橋本脳症と認知症」
- 日時:
- 11月22日(土)13:25~14:10
- 座長:
- 藤田 信也(長岡赤十字病院)
- 演者:
- 米田 誠(福井県立大学大学院 健康生活科学研究科)
学術教育講演8「老年期精神障害はどこへ向かうのだろうか」
- 日時:
- 11月22日(土)14:20~15:05
- 座長:
- 朴 秀賢(新潟大学大学院医歯学総合研究科精神医学分野)
- 演者:
- 笠貫 浩史(聖マリアンナ医科大学 神経精神科学教室)
学術教育講演9「認知症における神経病理学の見方、考え方」
- 日時:
- 11月22日(土)15:20~16:05
- 座長:
- 吉田 眞理(愛知医科大学加齢医科学研究所)
- 演者:
- 他田 真理(新潟大学 脳研究所 脳疾患標本資源解析学分野)
学術教育講演10「認知症における遺伝子核酸医療の現状と展望」
- 日時:
- 11月23日(日)9:30~10:15
- 座長:
- 山田 薫(東京大学医学部附属病院 認知症共生社会創成治療学)
- 演者:
- 池津 聖子(Mayo Clinic Florida )
学術教育講演11「自然の中の認知症ケア:食べて、祈って、耕して」
- 日時:
- 11月23日(日)10:25~11:10
- 座長:
- 粟田 主一(認知症介護研究・研修東京センター/東京都健康長寿医療センター)
- 演者:
- 岡村 毅(東京都健康長寿医療センター研究所)
学術教育講演12「認知症疾患診療ガイドライン update」
- 日時:
- 11月23日(日)12:50~13:35
- 座長:
- 中島 健二(国立大学法人鳥取大学/独立行政法人国立病院機構松江医療センター)
- 演者:
- 和田 健二(川崎医科大学 認知症学)
学術教育講演13「医原性脳アミロイド血管症 ー歴史的背景と今後のサーベーランスー」
- 日時:
- 11月23日(日)13:45~14:30
- 座長:
- 原 英夫(福岡国際医療福祉大学)
- 演者:
- 藥師寺祐介(関西医科大学 神経内科学講座)
シンポジウム
シンポジウム1「認知症創薬企業セッション
Industry session for drug development」
- 日時:
- 11月21日(金)8:50~10:50
- 座長:
- 岩田 淳(東京都健康長寿医療センター)
岩坪 威(国立精神・神経医療研究センター神経研究所) - 演者:
- Michael Irizarry(Eisai Inc. Nutley, NJ)
Stephane Epelbaum(Eli Lilly and Company)
Sagar Anil Chandekar(Novo Nordisk Health Care AG, Zurich, Switzerland)
Janice Smith(Roche Products Ltd., Hexagon Place, Shire Park, Welwyn Garden City. AL7 1TW, United Kingdon)
▼ 概要
認知症の創薬は抗Aβ抗体の上市によって新しい時代を迎えている。抗Aβ抗体薬の引き続き之開発のみならず新しいターゲット、新しい方法論を基にした創薬が続く。本シンポジウムではその現在地を確認するため、各企業からの登壇を頂く。
シンポジウム2「認知症病態イメージングの最前線と嘱望される未来」
- 日時:
- 11月21日(金)8:50~10:50
- 座長:
- 島田 斉(新潟大学 脳研究所 統合脳機能研究センター 臨床機能脳神経学分野)
関谷 倫子(国立研究開発法人国立長寿医療研究センター 神経遺伝学研究部) - 演者:
- 遠藤 浩信(量子科学技術研究開発機構 量子医科学研究所 脳機能イメージング研究センター)
小縣 綾(岐阜大学 応用生物科学部 応用生命化学科)
関 守信(慶應義塾大学 医学部 神経内科)
廣瀨 匠(順天堂大学 大学院 医学研究科 ゲノム・再生医療センター)
▼ 概要
認知症病態イメージング技術の発展は目覚ましく、病態研究のみならず、創薬過程を支える基盤技術ともなっている。本シンポジウムでは、特に異常凝集蛋白、神経炎症、Glymphatic systemのイメージングに焦点をあて、一線で活躍する研究者より講演を賜る。さらに本学会の若手研究者促進委員会主催イベントである、「若手の会 -2024-」で実施した特別プログラムにおける最優秀発表グループを代表する若手推薦演者より、「目指したい認知症治療・予防の未来の実現へ向け、嘱望されるイメージング技術」というテーマでご講演頂いたうえで、講演内容を踏まえた総合討論を行う。
シンポジウム3「核酸高次構造:グアニン四重鎖に着目した神経変性疾患の病態解明と創薬研究」
- 日時:
- 11月21日(金)8:50~10:50
- 座長:
- 長谷川隆文(国立病院機構仙台西多賀病院 脳神経内科)
齊藤 貴志(名古屋市立大学脳神経科学研究所) - 演者:
- 正井 久雄(東京都医学総合研究所)
朝光 世煌(理化学研究所 生命医科学研究センター)
矢吹 悌(熊本大学 発生医学研究所 ゲノム神経学)
永井 義隆(近畿大学 医学部 脳神経内科)
▼ 概要
DNA・RNA高次構造には多様性がある。DNAの基本的な構造はB型DNAと呼ばれる右巻き二重らせんであるが、それ以外にも左巻き(Z型)、三重鎖(H型)、ヘアピン型など非B型DNA・RNAがあり、配列の特徴や環境要因により多様な構造を形成する。非B型の一つであるグアニン四重鎖(G4:G-quadruplex)は、グアニンが豊富な配列領域で形成されるRNase耐性を持つRNA高次構造である。G4の高次構造は、4つのグアニン分子がGカルテットと呼ばれる正方形の平面配置をとり、それらが互いの上に積み重なることで形成される。通常G4は細胞内で構造形成と構造展開が平衡状態で保たれ、全mRNA内に約3000箇所存在する。G4はゲノムの安定性や遺伝子発現の制御機能を有し、発癌やウイルス感染などに重要な役割を果たしている。また、G4自体は高い自己集合性を有すると共にG4が核となるRNAで相分離現象を引き起こし、神経変性疾患の病態・創薬ターゲットとして注目されているストレス顆粒の形成や、αシヌクレインやタウの凝集・伝播にも関与していることが判ってきた。本シンポジウムではG4バイオロジーの分野でご活躍されているトップランナーの先生方に最新の知見を紹介頂き、G4の生物学的・病態メカニズム制御の現在地を確認すると供に、神経変性疾患分野における今後の応用面について多角的な視点から議論する場としたい。
シンポジウム4「疫学研究の知見に基づく認知症発症/認知機能低下のリスク低減」
- 日時:
- 11月21日(金)8:50~10:50
- 座長:
- 小原 知之(九州大学大学院医学研究院 精神病態医学)
篠原もえ子(金沢大学医薬保健研究域医学系 脳神経内科学) - 演者:
- 小原 知之(九州大学大学院医学研究院 精神病態医学)
石塚 直樹(岩手医科大学 内科学講座 脳神経内科・老年科分野)
伊賀 淳一(愛媛大学大学院精神神経科学講座)
木村 成志(大分大学医学部神経内科学講座)
櫻井 孝(国立長寿医療研究センター)
▼ 概要
欧米を中心とした認知症の疫学研究から認知症の発症には生活習慣病や生活習慣が密接に関連することが明らかとなっている。本シンポジウムでは、岩手県矢巾町、愛媛県中山町、福岡県久山町、大分県臼杵市の地域高齢住民を対象とした認知症の疫学研究で得られた最新の知見を紹介する。また、既報の研究から認知症発症や認知機能低下のリスク低減を図るには単一因子の管理だけでは不十分であることが明らかとなっている。そこで、わが国の地域高齢住民を対象に複数因子の管理を通じた介入研究を行っているJ-MINT PRIME Tamba研究からの知見も紹介したい。本シンポジウムを通じて日本人における認知症や認知機能低下のリスク低減に必要なことを学んで頂ければ幸いである。
シンポジウム5「睡眠と認知症:互いに影響し合うメカニズムと治療戦略」
- 日時:
- 11月21日(金)8:50~10:50
- 座長:
- 林 悠(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻)
皆川 栄子(国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 モデル動物開発研究部) - 演者:
- 藤城 弘樹(名古屋大学大学院医学系研究科精神医学)
林 悠(東京大学 大学院理学系研究科 生物科学専攻)
皆川 栄子(国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 モデル動物開発研究部)
竹内 春樹(東京大学 大学院理学系研究科 生物科学専攻)
▼ 概要
認知症における睡眠障害は、認知機能低下に先行して現れ、周辺症状の中でも特に頻度が高く、患者の施設入所を決定づける主要因となっている。近年、睡眠の異常が脳機能の低下を促し、認知症の発症・進行にも深く関与している可能性も示唆されている。本シンポジウムでは、臨床医学・神経病理学の観点から、各種認知症と睡眠障害の関係を明らかにするとともに、基礎研究から解明されたメカニズムを紹介する。また、前臨床研究の成果をもとに、睡眠異常が認知症の発症・進行に及ぼす影響や、その基盤となる神経機構について議論する。さらに、睡眠に着目した革新的な認知症予防・克服技術の可能性にも焦点を当て、今後の治療戦略の展望を探る。
シンポジウム6「BPSDの新たな治療戦略を考える」
- 日時:
- 11月21日(金)8:50~10:50
- 座長:
- 數井 裕光(高知大学医学部神経精神科学講座)
橋本 衛(近畿大学医学部精神神経科学教室) - 演者:
- 樫林 哲雄(兵庫県立リハビリテーション西播磨病院 認知症疾患医療センター)
山中 克夫(筑波大学 人間系)
品川俊一郎(東京慈恵会医科大学 精神医学講座)
吉山 顕次(大阪大学大学院医学系研究科)
數井 裕光(高知大学 医学部 神経精神科学講座)
▼ 概要
認知症の人の行動・心理症状(BPSD)は認知症の人の生活の質を低下させ、家族の介護負担を増大させる臨床上重要な症状である。我々は多数例のBPSDデータと神経画像検査データを収集してこれらを解析したJ-BIRD-RN研究を行ってきた。また認知症ちえのわnet研究、BPSDケアレジストリ研究、J-BIRD-PNB研究によってBPSDに関するリアルワールドデータを収集してきた。また並行してBPSDに対する薬物療法と非薬物療法に関する最近の文献のシステマティックレビューを行ってきた。これらの研究活動によって得られた知見を基にBPSDに対する治療戦楽について考えてみたい。
シンポジウム7「認知症のリスク低減と社会実装」
- 日時:
- 11月21日(金)13:05~14:45
- 座長:
- 小野賢二郎(金沢大学医薬保健研究域脳神経内科学)
櫻井 孝(国立長寿医療研究センター研究所) - 演者:
- 二宮 利治(九州大学 大学院 医学研究院 衛生・公衆衛生学分野)
木村 成志(大分大学医学部神経内科学講座)
篠原もえ子(金沢大学医薬保健研究域医学系 脳神経内科学)
櫻井 孝(国立長寿医療研究センター)
村山 洋史(東京都健康長寿医療センター研究所 社会参加とヘルシーエイジング研究チーム)
▼ 概要
近年、抗アミロイド抗体薬による新しい認知症診療が始まり、治療対象はMCIからさらに早期のステージに広がろうとしています。そこで、認知症リスクを有する人においてBrain Healthを達成するために、リスク低減の在り方を開発し、社会に提言することが求められています。現在、認知症リスクを有する者を早期発見すること、早期介入するためには多くの課題があります。本シンポジウム(案)では、認知症の発症予測モデル、認知症リスクのスクリーニング、非薬物介入のエビデンスと社会実装について、5名の専門家から最新の情報を提供していただきたいと考えます。
シンポジウム8「難聴・視覚障害と認知症」
- 日時:
- 11月21日(金)13:05~14:45
- 座長:
- 和田 健二(川崎医科大学認知症学)
武田 章敬(国立長寿医療研究センター病院 もの忘れセンター) - 演者:
- 佐治 直樹(国立長寿医療研究センター もの忘れセンター)
宮田季美恵(奈良県立医科大学 医学部 眼科)
川上 暢子(東北大学 大学院 医学系研究科 高次機能障害学分野)
西尾 慶之(大阪大学 行動神経学・神経精神医学寄附講座)
▼ 概要
近年、加齢に伴う聴覚・視覚の低下が認知機能の低下を加速させ、認知症発症リスクを高める可能性が指摘されている。適切な対応により、認知機能の維持や認知症の進行予防が期待される。一方で、Lewy小体型認知症における幻視、後部皮質萎縮症の視覚・空間認知障害や原発性進行性失語における聴覚処理障害などのように認知症性疾患ではさまざまな聴覚・視覚の異常がみられる。本シンポジウムでは、難聴・視覚障害と認知症の関係について疫学的観点からエビデンスを整理し、認知症の症状としての感覚器の異常についても理解を深めることを目的とする。
シンポジウム9「認知症と口腔機能-医科・歯科連携の課題と展望ー」
- 日時:
- 11月21日(金)13:05~14:45
- 座長:
- 眞鍋 雄太(神奈川歯科大学歯学部臨床先端医学系認知症医科学分野 認知症・高齢者総合内科)
橋本 衛(近畿大学医学部精神神経科学教室) - 演者:
- 木本 克彦(神奈川歯科大学 横浜クリニック 歯科補綴学講座 クラウンブリッジ補綴学分野)
眞鍋 雄太(神奈川歯科大学 歯学部 臨床先端医学系 認知症医科学分野 認知症・高齢者総合内科)
笛木 賢治(東京科学大学 咬合機能健康科学分野)
▼ 概要
実臨床では、認知症性疾患の症状や病態への口腔機能の関与をしばしば実感する。事実、認知症性疾患と口腔機能の関連を指摘する報告は多い。一方で、この領域に対する医科における関心の度合いは、歯科研究者程ではない印象を持つ。本シンポジウムでは、医科専門家の口腔機能への関心を深めることを目的に、先ず歯科研究者より歯科発信の知見をサマライズしてもらい、これを受けて、医科研究者より現時点で言えること、今後の課題と展望を報告。最後に現在進行中の医科-歯科連携研究プロジェクトを紹介する。
シンポジウム10「認知予備能・レジリエンス」
- 日時:
- 11月21日(金)13:05~14:45
- 座長:
- 木下 彩栄(京都大学大学院医学研究科)
布村 明彦(東京都立松沢病院) - 演者:
- 布村 明彦(東京都立松沢病院)
金田 大太(医療法人さわらび会福祉村病院神経病理研究所)
木谷 晃広(名古屋大学医学系研究科)
葛谷 聡(京都大学 医学研究科 脳病態生理学講座 臨床神経学)
▼ 概要
認知機能は、マイナス要因である病理学的変化と補完要因としての認知予備能との差分として表れる。中でも、脳内に病理学的変化があるにもかかわらず、認知機能が正常に維持されている人もおり、こうした疾患抵抗性のことを認知レジリエンスと呼ぶ。認知症の危険因子として知られている要因の中には、教育歴や社会的交流など認知レジリエンスに関わるものもあり、その基盤の解明が待たれる。本シンポジウムでは、認知予備能・レジリエンスの概念や尺度について概説し、さらに、病理学的な面からその基盤を解説する。新たな手法として、機械学習を用いたレジリエンスの予測因子の研究を紹介した後、一例として、介入研究の結果を提示する。
シンポジウム11「AA改訂診断基準(2024)」
- 日時:
- 11月21日(金)13:05~14:45
- 座長:
- 石井 賢二(東京都健康長寿医療センター研究所 神経画像研究チーム)
清水聰一郎(東京医科大学病院 高齢診療科) - 演者:
- 清水聰一郎(東京医科大学)
石井 賢二(東京都健康長寿医療センター)
春日 健作(国立長寿医療研究センター 診断イノベーション研究部)
松原 知康(東京都健康長寿医療センター 高齢者ブレインバンク・神経病理)
▼ 概要
アルツハイマー病協会(AA)によるアルツハイマー病の改訂診断基準が昨年公表された。抗アミロイドβ抗体薬の診療実装と体液バイオマーカー研究の進歩を踏まえ、認知症診療の中にバイオマーカーを適用するための枠組みが示されているが、バイオマーカーの進歩も著しく、実臨床とはまだかけ離れている部分も多い。このシンポジウムではAA改訂診断基準について、その概要と診療からの視点、画像バイオマーカーからの視点、体液バイオマーカーからの視点、病理からの視点、について、それぞれのエキスパートに解説してもらった上で、認知症診療に生かすための意義や留意点、今後の展望について意見を交換する機会としたい。
シンポジウム12「CADASILの病態・創薬研究」
- 日時:
- 11月21日(金)13:05~14:45
- 座長:
- 猪原 匡史(国立循環器病研究センター)
伊藤 素行(千葉大学大学院薬学研究院生化学研究室) - 演者:
- 西原 秀昭(山口大学 大学院医学系研究科 臨床神経学講座)
伊藤 素行(千葉大学 薬学部 大学院薬学研究院 )
齊藤 聡(国立循環器病研究センター 脳神経内科)
水田依久子(京都府立医科大学 大学院医学研究科 脳神経内科学)
▼ 概要
CADASILの病態研究が活発化し、わが国の創薬研究は世界をリードしている。これまでCADASILの病態を忠実に再現するモデル系はなかったが、近年、iPSモデルやゼブラフィッシュモデル等が開発され、その病態メカニズムの解明や治療薬開発が加速化している。本シンポジウムではCADASILのメカニズムと治療薬候補を議論する機会としたい。
シンポジウム13「生物学的年齢と老化・認知症研究」
- 日時:
- 11月21日(金)15:00~16:40
- 座長:
- 武田 朱公(大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学)
齊藤 祐子(東京都健康長寿医療センター) - 演者:
- 早野 元詞(東京理科大学 研究推進機構総合研究院 )
橋本 浩介(大阪大学 蛋白質研究所)
仲木 竜(株式会社Rhelixa)
山田 秀和(近畿大学 アンチエジングセンター)
▼ 概要
「老化」は認知症の重要な危険因子であるが、その定義は一様ではない。「暦年齢」は老化の一般的な指標の一つであるが、同じ年齢でも臓器や細胞の生物学的な老化の程度には大きな個体差が存在する。近年、DNAメチル化やタンパク質代謝などの指標を利用して「生物学的年齢(Aging Clock)」を客観的に評価する手法が精力的に研究されている。生物学的年齢は、認知症のリスクを反映する新しい老化の指標となり得るだけではなく、病態解明や患者層別化、治療効果の評価にも応用される可能性があり、認知症研究に大きなインパクトをもたらすと考えられる。本シンポジウムでは、生物学的年齢・老化研究のトップランナーの先生にご講演をいただく。
シンポジウム14「プリオン病の治験における問題点とその解決策」
- 日時:
- 11月21日(金)15:00~16:40
- 座長:
- 三條 伸夫(東京科学大学国際医工共創研究院 希少神経難病治療薬開発講座、脳神経内科)
濵口 毅(金沢医科大学 脳神経内科学) - 演者:
- 小佐見光樹(自治医科大学 地域医療学センター 公衆衛生学部門)
松林 泰毅(独立行政法人国立病院機構 災害医療センター 脳神経内科)
佐藤 克也(長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科保健科学分野)
桑原 宏哉(東京科学大学 脳神経病態学分野(脳神経内科))
照屋 健太(長崎大学 研究開発推進機構)
▼ 概要
世界的にプリオン病の有病率が高まる中で、2024年よりプリオン病の国際治験が始まっている。しかしながら、治験を進めてゆく上で、より早期に診断を行うために診断基準が求められていること、より有効な治療薬の開発が必要なこと、遺伝子抑制治療における有効な抑制量が不明なこと、投与経路と効率的な血液脳関門通過技術の開発が必要なことなど課題が多い。本シンポジウムでは、これらの課題について、どのように解決してゆけば良いのかを、各分野のエキスパートの意見を伺いながら検討してゆきたい。
シンポジウム15「ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン(DEI)を踏まえた認知症の医療・ケア・研究・まちづくりの未来」
- 日時:
- 11月21日(金)15:00~16:40
- 座長:
- 小原 知之(九州大学大学院医学研究院 精神病態医学)
羽田沙緒里(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 バイオものづくり研究センター) - 演者:
- 内門 大丈(医療法人社団彰耀会 メモリーケアクリニック湘南)
牧之瀬 潤(福岡市認知症フレンドリーセンター(株式会社メディヴァ))
東 晋二(東京医科大学茨城医療センター メンタルヘルス科)
坂内 博子(早稲田大学)
▼ 概要
ダイバーシティ推進委員会企画の本シンポジウムでは、本学術集会のテーマである共生社会の実現を踏まえ、認知症の医療・ケア・研究・まちづくりの在り方について、多様な視点から意見交換を行うことを目的としています。認知症の共生社会の実現には、認知症の人それぞれの多様性を理解し、共感を持つこと、そして異なるニーズに応じた適切な支援を行うことが不可欠です。これらの視点は、DEI(Diversity, Equity, Inclusion)の概念と深く関わるものと考えられます。
当日は、認知症の医療・ケアの現場、認知症フレンドリーなまちづくり、認知症専門医の役割、大学講座を含む研究室の取り組みについて、それぞれの組織や個人がDEIをどのように実践しているのか、そしてそれが認知症の共生社会の実現にどのように貢献し得るのか、現状や課題を示し、議論を深めていきます。
当日は、認知症の医療・ケアの現場、認知症フレンドリーなまちづくり、認知症専門医の役割、大学講座を含む研究室の取り組みについて、それぞれの組織や個人がDEIをどのように実践しているのか、そしてそれが認知症の共生社会の実現にどのように貢献し得るのか、現状や課題を示し、議論を深めていきます。
シンポジウム16「脳健診と認知症」
- 日時:
- 11月21日(金)15:00~16:40
- 座長:
- 須田 智(日本医科大学大学院医学系研究科 神経内科学分野)
冨本 秀和(三重大学大学院/済生会明和病院) - 演者:
- 木下 彩栄(京都大学 大学院 医学研究科 人間健康科学系専攻)
関島 良樹(信州大学 医学部 脳神経内科、リウマチ・膠原病内科)
春日 健作(国立長寿医療研究センター 診断イノベーション研究部)
井原 涼子(東京都健康長寿医療センター 脳神経内科)
新堂 晃大(三重大学 医学部 脳神経内科)
▼ 概要
抗アミロイド抗体薬治療が現実のものとなり、アルツハイマー病の超早期発見が課題となっている。脳検診ではプレクリニカル期の高リスク被検者を把握し早期介入することが課題となっており、認知症バイオマーカーの適用範囲について最新の状況を共有しておく必要がある。
脳検診でアミロイドPET検査を検診で実施することは不適切であるが、末梢血P-tau217など同等の診断能をもつ新規技術が登場してきており、その適用範囲について医療経済的、あるいは倫理的検討が必要となっている。社会資源の濫費に繋がらないように、脳検診施設は認知機能のスクリーニングに注力し、異常を認めた場合に治療施設との連携を適切に行う仕組みが必要となっている。
脳検診でアミロイドPET検査を検診で実施することは不適切であるが、末梢血P-tau217など同等の診断能をもつ新規技術が登場してきており、その適用範囲について医療経済的、あるいは倫理的検討が必要となっている。社会資源の濫費に繋がらないように、脳検診施設は認知機能のスクリーニングに注力し、異常を認めた場合に治療施設との連携を適切に行う仕組みが必要となっている。
シンポジウム17「認知症疾患のヒト生体試料中における病態蛋白凝集体の動態を探る」
- 日時:
- 11月21日(金)15:00~16:40
- 座長:
- 小野賢二郎(金沢大学医薬保健研究域脳神経内科学)
服部 信孝(順天堂大学医学部附属順天堂医院 脳神経内科/順天堂大学/順天堂大学ニューロングリア クロストークセンター順天堂/理化学研究所脳神経科学研究センター神経変性疾患連携研究チーム) - 演者:
- 服部 信孝(順天堂大学 医学部 ニューロングリアクロストークセンター順天堂)
田井中一貴(新潟大学 脳研究所)
井上 治久(京都大学iPS細胞研究所)
小野賢二郎(金沢大学医薬保健研究域脳神経内科学)
▼ 概要
認知症疾患研究の進歩により脳脊髄液検査やPETなどで病態蛋白の検出が実際の臨床現場で可能になってきている一方で、病態をより反映している蛋白凝集体(早期・中間凝集体を含む)の存在については依然、不明な点が多い。本シンポジウムでは実験モデルではなく、実際のヒト生体試料中(脳脊髄液、血液、iPS細胞など)で蛋白凝集体の可視化、動態、測定に関してご講演いただき、研究の現状と今後の臨床応用への展開について皆様と議論したい。
シンポジウム18「DMT時代における認知症治験のあり方」
- 日時:
- 11月21日(金)15:00~16:40
- 座長:
- 鈴木 啓介(国立長寿医療研究センター 先端医療開発推進センター)
新美 芳樹(東京大学医学部附属病院 認知症共生社会創成治療学/早期・探索開発推進室) - 演者:
- 鈴木 啓介(国立長寿医療研究センター 先端医療開発推進センター)
新美 芳樹(東京大学医学部附属病院 認知症共生社会創成治療学/早期・探索開発推進室)
村松 隆(日本イーライリリー株式会社)
木村紗弥佳(厚生労働省 医薬局 医薬品審査管理課) - 指定発言/パネリスト:
- 患者の立場の方
- パネリスト:
- 井上 忠(株式会社Vitalive)
▼ 概要
抗アミロイド抗体薬が上市された現在、認知症領域における新規薬剤治験の実施において、様々な困難が生じるようになっており、特に保険診療での治療が可能となったステージでの治験リクルートにおいて難渋することが多い。そこで本シンポジウムでは、J-TRCやCLIC-Dなどの治験リクルートの効率化、迅速化を目指して構築されたプラットフォームをアカデミアの立場から紹介する。また製薬企業や行政、さらには当事者の立場からも認知症領域における臨床開発の重要性やその課題についてご講演いただく。各演者が参加する総合討論も実施し、本邦における認知症治験のあるべき姿について、立場を超えた意見交換を行う。
シンポジウム19「抗Aβ抗体薬のリアルワールド -私の施設では、私の地域では、こう使っている」
- 日時:
- 11月22日(土)9:00~11:00
- 座長:
- 井原 涼子(東京都健康長寿医療センター)
新堂 晃大(三重大学 脳神経内科) - 演者:
- 稲川 雄太(東京医科大学 高齢総合医学分野)
成瀬 聡(総合リハビリテーションセンター・みどり病院 脳神経内科)
北村 ゆり(医療法人鳴子会 菜の花診療所)
森原 隆太(岡山大学病院 脳神経内科)
新美 芳樹(東京大学医学部附属病院 認知症共生社会創成治療学/早期・探索開発推進室)
▼ 概要
抗アミロイドβ(Aβ)抗体薬・レカネマブの使用開始から約2年になろうとしている。2024年末には2剤目となるドナネマブが承認され、患者により合った治療を選択できるようになった。そして、最適使用推進ガイドラインで規定される18か月間の投与を迎える患者が出はじめており、継続投与をどうするかは大きな課題である。また、抗Aβ抗体薬は投与施設が限られるため、多くの患者に治療を提供するには地域連携が欠かせない。様々な地域でユニークな取り組みがなされており、その中から新潟・高知の取り組みをご紹介したい。抗Aβ抗体薬の投与判断に重要なAPOE遺伝子検査について、保険未収載のため現在AD DMTレジストリにてAPOE遺伝子検査を提供しているが、検査の意義の説明や結果開示をどうすべきか、悩まれる方もいるだろう。研究の枠組みでAPOE遺伝子検査を実施している施設でどのように実施し、どのような課題が感じているか、経験を共有いただく。
シンポジウム20「新規モダリティ治療薬の認知症性疾患への応用」
- 日時:
- 11月22日(土)9:00~11:00
- 座長:
- 岩坪 威(国立精神・神経医療研究センター神経研究所)
- 演者:
- Szofia Bullain(Biogen International GmbH)
Jose-Alberto Palma(Eli Lilly and co)
小牧 宏文(国立精神・神経医療研究センタートランスレーショナル・メディカルセンター)
荒木 康弘(厚生労働省 医政局研究開発政策課 治験推進室)
▼ 概要
認知症の疾患修飾療法の開発が進み、まずアミロイドβに対する抗体薬が臨床実用に供されているが、核酸医薬、遺伝子治療などの新規モダリティ治療の可能性が期待され、実用も視野に入りつつある。本セッションでは認知症性疾患を中心に、神経筋疾患や前臨床研究を含め、新規モダリティ医薬の最新状況と臨床応用の展望から新規モダリティ創薬にかかわる政策までを幅広く議論したい。
シンポジウム21「レビー小体型認知症の新展開」
- 日時:
- 11月22日(土)9:00~11:00
- 座長:
- 勝野 雅央(名古屋大学大学院医学系研究科神経内科学)
藤城 弘樹(名古屋大学大学院医学系研究科 精神医療学寄附講座) - 演者:
- 重水 大智(国立長寿医療研究センター 研究所 メディカルゲノムセンター)
皆川 栄子(国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 モデル動物開発研究部)
平賀 経太(名古屋大学 大学院医学系研究科 神経内科学)
竹田 和弘(名古屋大学大学院医学系研究科 精神医学分野)
▼ 概要
レビー小体型認知症は、パーキンソン病に近い臨床像を呈する症例から老年期精神病を呈する例まで、臨床症状における多様性が高い疾患である。本シンポジウムではレビー小体型認知症の病態に迫る基礎・臨床研究の最前線を取り上げる。基礎研究については、ゲノム研究から明らかになってきた遺伝学的背景やマーモセットモデルなどを用いて解明された睡眠障害の病態などを解説していただく。さらに、臨床研究のアプローチとして、プロドローマル期における病態進行の多様性解明やバイオマーカー開発の取り組み、およびブレインバンクに基づく臨床病理学的多様性に関する最新の知見をご紹介いただく。
シンポジウム22「次世代タンパク質フォールディング研究」
- 日時:
- 11月22日(土)9:00~11:00
- 座長:
- 富田 泰輔(東京大学大学院薬学系研究科)
里 直行(国立長寿医療研究センター) - 演者:
- 樽谷 愛理(東京都医学総合研究所 臨床医科学研究分野 認知症研究プロジェクト)
松永 康佑(埼玉大学大学院 理工学研究科)
田上 俊輔(理化学研究所 生命医科学研究センター)
坪山幸太郎(東京大学 生産技術研究所)
▼ 概要
2024年ノーベル賞化学賞はコンピューターによるタンパク質のde novoデザインと、AIによるタンパク質構造予測の開発に与えられた。これらの技術はすでに創薬研究の現場に導入され、様々な形で利用されている。またタンパク質の構造は一定ではなく揺らいでおり、そのゆらぎを計算科学によって解析するMD(分子動力学)シミュレーションなどの技術を組み合わせることで更に正確なタンパク質の構造活性相関が明らかになりつつある。また、様々なアミロイド線維の構造を明らかにしたクライオ電子顕微鏡(cryo-EM)の技術を応用し、細胞内におけるタンパク質の構造を明らかにできるクライオ電子線トモグラフィー(cryo-ET)の開発と応用も進んでいる。本シンポジウムではこれからの創薬研究にインパクトを与えることが間違いないと考えられるこれらの革新的タンパク質構造解析技術の開発に取り組んでおられる最先端研究者にご講演いただき、新たな認知症創薬への道筋を議論したい。
シンポジウム23「認知症基本法とこれからの認知症施策」
- 日時:
- 11月22日(土)9:00~11:00
- 座長:
- 粟田 主一(認知症介護研究・研修東京センター/東京都健康長寿医療センター)
内田 直樹(医療法人すずらん会 たろうクリニック) - 演者:
- 笠貫 浩史(聖マリアンナ医科大学 神経精神科学教室)
水島 俊彦(社会福祉法人浴風会 認知症介護研究・研修東京センター)
内田 直樹(医療法人すずらん会たろうクリニック)
武田 章敬(国立長寿医療研究センター もの忘れセンター)
吉川 悠貴(認知症介護研究・研修仙台センター)
▼ 概要
2024年6月に「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が制定され、同年12月認知症施策推進基本計画が閣議決定された。この法律の最も重要な特徴は、第1条に共生社会というビジョンを掲げ、そのビジョンを実現するために認知症施策を総合的かつ計画的に推進することが法の目的であると明示した点であろう。また、基本計画には、「すべての施策は第3条の基本理念を根幹に据えて共生社会の実現に向けて実施していく」と記されている。本シンポジウムでは、そのような観点を踏まえて、基本的施策に深く関連する5つの重要テーマにフォーカスをあてて、これからの認知症施策のあり方・考え方と具体的な方向性について討議する。
シンポジウム24「ミトコンドリアから読み解く神経変性疾患発症機序と診断への応用」
- 日時:
- 11月22日(土)9:00~11:00
- 座長:
- 安藤香奈絵(東京都立大学)
野中 隆(東京都医学総合研究所) - 演者:
- 平林 祐介(東京大学大学院 工学系研究科 化学生命工学専攻)
佐藤 栄人(順天堂大学 大学院 医学研究科)
尾内 康臣(浜松医科大学 光医学総合研究所)
山田 勇磨(北海道大学 大学院薬学研究院)
▼ 概要
ミトコンドリアの機能不全は、神経細胞の機能不全と密接に関連している。ミトコンドリアの機能低下は神経変性疾患の診断に応用できる可能性があり、またミトコンドリアやその関連タンパク質を標的とすることは、新たな疾患修飾療戦略となる可能性がある。基礎研究からはミトコンドリアの動体や機能の制御について新たな知見が次々に得られ、それらの応用が期待されている。本シンポジウムでは、ミトコンドリアに注目した診断・治療法の最新の展開について議論したい。
シンポジウム25「ブレイン・マシン・インターフェースの認知症・高齢者医療への応用」
- 日時:
- 11月22日(土)13:25~15:05
- 座長:
- 岡村 信行(東北医科薬科大学医学部薬理学教室)
舟本 聡(同志社大学大学院生命医科学研究科) - 演者:
- 長谷川良平(産業技術総合研究所 人間社会拡張研究部門)
平田 雅之(大阪大学 大学院医学系研究科 脳機能診断再建学共同研究講座)
田中 久弥(工学院大学 情報学部 情報デザイン学科)
茨木 拓也(株式会社NTTデータ経営研究所)
▼ 概要
認知症への効果が期待されるBrain Machine Interface(BMI)に関する最先端の研究とその社会実装について、各分野の第一線で活躍する専門家をお招きし、多角的にご講演いただきます。産業技術総合研究所の長谷川良平先生からはBMIによる認知機能訓練システム開発、大阪大学の平田雅之先生からは嚥下機能再建への応用、工学院大学の田中久弥先生からは認知症の早期発見に向けた検査技術、そしてNTTデータ経営研究所の茨木拓也先生からは認知症に関するニューロテクノロジーの応用可能性について、ご講演いただく予定です。BMIの未来像を描く貴重な機会となりますので、ぜひご参加ください。
シンポジウム26「CPC―認知症臨床のために」
- 日時:
- 11月22日(土)13:25~15:05
- 座長:
- 齊藤 祐子(東京都健康長寿医療センター研究所 神経病理学)
他田 真理(新潟大学脳研究所病理学分野・同脳疾患標本資源解析学分野) - 臨床担当:
- 塩瀬 拓人(竹田綜合病院脳神経内科/新潟大学脳研究所脳神経内科学分野)
- 病理担当:
- 池上いちこ(新潟大学脳研究所脳神経内科学分野/新潟大学脳研究所病理学分野)
- 病理担当:
- 齋藤 理恵(新潟大学脳研究所病理学分野/新潟大学脳研究所脳疾患標本資源解析学分野)
- ディスカッサント:
- 石原 智彦(新潟大学脳研究所脳神経内科学分野)
- 臨床担当:
- 栗原 正典(東京都健康長寿医療センター 脳神経内科)
- 病理担当:
- 松原 知康(広島大学 脳神経内科)
- ディスカッサント:
- 仙石 錬平(東京慈恵会医科大学第三病院 脳神経内科)
▼ 概要
認知症外来では、神経心理所見、神経学的所見、精神症状、画像等の各種バイオマーカーを駆使して、診断を行う。そして種々の介入に役立てる。さらに現在、そして近い将来の根本治療を行うにあたり、さらにその背景疾患を正確に診断することが望まれている。しかし、臨床での確定診断は未だに困難であり、出来る限り、神経症候、精神症状、バイオマーカーの実証を行いながら、今後の臨床を進めなければならないのは周知のことである。よって、一例一例を病理解剖をとおして丁寧に振り返り、日々の実臨床にフィードバックするCPCを大切にし、学んで行きたい。
シンポジウム27「新しい認知症危険因子としてのウイルス感染症」
- 日時:
- 11月22日(土)13:25~15:05
- 座長:
- 下畑 享良(岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野)
中嶋 秀人(日本大学医学部内科学系 神経内科学分野) - 演者:
- 中嶋 秀人(日本大学 医学部 内科学系神経内科学分野)
森 泰子(岐阜大学大学院 医学系研究科 脳神経内科学分野)
横山 和正(東静脳神経センター)
下畑 享良(岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野)
黒田 隆之(東京科学大学大学院 医歯学総合研究科 脳神経病態学分野)
▼ 概要
近年、ウイルス感染と神経変性疾患の関連が注目され、特に認知症発症への影響が議論されている。ヘルペスウイルス(HSV-1、VZV)、インフルエンザ、EBV、SARS-CoV-2などの感染が慢性炎症や免疫異常を介して神経変性を促進する可能性が示唆されており、特にHSV-1はアルツハイマー病との関連が深く研究されている。本シンポジウムでは、総論としてウイルス感染が認知症のリスクとなる機序を解説したのち、各ウイルスにおいて判明している情報を整理し、ワクチンや抗ウイルス療法の予防的役割についても議論する。ウイルス感染と認知症についての最新知識を共有し、今後の研究と臨床応用の方向性を探る機会としたい。
シンポジウム28「認知症者の権利擁護のための視点と課題」
- 日時:
- 11月22日(土)13:25~15:05
- 座長:
- 玉岡 晃(筑波記念病院)
大平 雅之(国立精神・神経医療研究センター 総合内科/臨床検査部/仁邦法律事務所) - 演者:
- 大平 雅之(国立精神神経医療研究センター)
齋藤 正彦(東京都立松沢病院)
玉岡 晃(筑波記念病院 脳神経センター)
三村 將(慶應義塾大学予防医療センター)
▼ 概要
認知症基本法が目的とする共生社会の実現と認知症者の人権擁護のためには、認知症者の自己決定に関わる問題は極めて重要であり、避けて通ることは出来ない。本シンポジウムでは、大平雅之氏に、認知症者を取り巻く法的問題点を、後見制度を含めて概説していただき、東京都立松沢病院で患者の身体抑制最小化に成功された斉藤正彦氏に、身体抑制ゼロに向けた取り組みについて紹介していただく。また、玉岡より認知症者の遺言能力判定の現況と課題を提示させていただくとともに、成本氏より認知症者の意思決定支援に関する試みについて解説していただく。本シンポジウムが、認知症者の権利擁護に役立ち、共生社会の実現を促進できれば幸いである。
シンポジウム29「メタアグリゲートとアミロイド蛋白凝集研究の未来」
- 日時:
- 11月22日(土)13:25~15:05
- 共催:
- 学術変革領域研究(B)「メタアグリゲートの超分子挙動と動的キャプチャー」
- 座長:
- 村上 一馬(京都大学農学研究科 食品生物科学専攻食品生命科学講座)
小野賢二郎(金沢大学医薬保健研究域脳神経内科学) - 演者:
- 村上 一馬(京都大学 農学研究科 食品生物科学専攻)
矢吹 悌(熊本大学 発生医学研究所 ゲノム神経学)
中山 隆宏(金沢大学 ナノ生命科学研究所)
杤尾 豪人(京都大学大学院理学研究科)
長尾知生子(大阪大学 蛋白質研究所 計算生物学研究室)
▼ 概要
アミロイド蛋白質は凝集性や分解耐性を獲得することで、神経変性疾患につながると考えられている。近年、神経変性疾患の新しい疾患修飾薬が国内外で注目されている。アミロイド凝集研究の次の一手を打つ上で、多彩なバックグラウンドによる学際研究の果たす役割は大きい。オーガナイザーらは、アミロイドと生体分子との共凝集体をメタアグリゲートと命名し、2023年度より分野横断的な学術変革領域研究(B)を展開している。領域最終年度に際し、本シンポジウムではメタアグリゲートの構成因子に関する領域研究の最新成果を紹介する。さらに、今後のメタアグリゲートの高次生物での階層性や未来志向の創薬ブーストを議論する契機としたい。
シンポジウム30「ダウン症候群に伴う認知症(Alzheimer disease in Down syndrome: DS-AD)」
- 日時:
- 11月22日(土)13:25~15:05
- 座長:
- 竹内 千仙(東京慈恵会医科大学附属病院 遺伝診療部)
笠井 高士(京都府立医科大学 脳神経内科学) - 演者:
- 竹内 千仙(東京慈恵会医科大学附属病院遺伝診療部)
笠井 高士(京都府立医科大学 大学院医学研究科 脳神経内科学)
竹之下慎太郎(岡山大学学術研究院医療開発領域 精神科神経科)
高下かおり(社会福祉法人けやきの杜 食彩工房プラスワン)
▼ 概要
ダウン症候群は21番染色体トリソミーに起因する最も頻度の高い染色体疾患であり、現在では寿命は60歳を超えるようになった。21番染色体にはアミロイド前駆体タンパク質の遺伝子があり、その量的効果によりダウン症候群では、50代以降に早発性のアルツハイマー病(DS-AD)が必発となる。しかしながら合併する知的障害のために診断が困難で、本邦においてその実態はほとんど知られていなかった。本シンポジウムでは、ダウン症候群について包括的にとりあげ、DS-ADの臨床的・生物学的特徴を確認するとともに、知的障害者の認知症に対しての望ましい支援についても検討したい。
シンポジウム31「医療経済学的観点からみたアルツハイマー型認知症治療の現状と未来」
- 日時:
- 11月22日(土)15:20~17:00
- 座長:
- 五十嵐 中(東京大学大学院薬学系研究科 医療政策・公衆衛生学)
三村 將(慶應義塾大学予防医療センター) - 演者:
- 花岡 晋平(千葉県総合救急災害医療センター 精神科)
池田 俊也(国際医療福祉大学 医学部 公衆衛生学)
丸木 雄一(社会福祉法人 シナプス 埼玉精神神経センター)
久住呂友紀(国家公務員共済組合連合会立川病院)
伊東 大介(慶応義塾大学医学部 内科(神経)/メモリーセンター)
▼ 概要
ARIAの副作用がアジア人で少ないこと、国民皆保険制度、高額療養費制度などの日本の医療システムにより、日本では諸外国にくらべ、抗アミロイド抗体薬の治療が普及している。一方、病院にとって利益に繋がらないため、継続投与施設が不足しているのが現状である。今後も新薬の発売が続くことが予想され、今後の医療の在り方、整備が問われている。
シンポジウム32「認知症予防、関連症状へのNeuromodulationは 治療選択肢となり得るか?」
- 日時:
- 11月22日(土)15:20~17:00
- 座長:
- 前澤 聡(国立病院機構 名古屋医療センター 脳神経外科)
深谷 親(日本大学医学部 脳神経外科・リハビリテーション科) - 演者:
- 前澤 聡(国立病院機構名古屋医療センター 脳神経外科)
鴫原 良仁(北斗病院 精密医療センター)
越智さと子(マロニエ通 クリニック)
花田 朋子(鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 脳神経外科学)
安中 裕紀(新潟医療福祉大学 リハビリテーション学部 作業療法学科)
西田南海子(田附興風会 医学研究所北野病院 脳神経外科)
▼ 概要
高齢社会を迎え、認知症対策は喫緊の医療的課題である。認知症病理に伴う焦点てんかん、パーキンソン症候群、本態性振戦、便秘等の自律神経症状に対し、各領域で技術革新が著しいneuromodulationがその進行抑制や治療の選択肢となり得るか?機能外科的実践成果や研究成果の知見を集約検討し、将来の新展開を図る。また、反対に適応除外とするべき点や副作用、合併症等に関連した情報共有の機会とする。
シンポジウム33「認知症PPI」
- 日時:
- 11月22日(土)15:20~17:00
- 座長:
- 新美 芳樹(東京大学医学部附属病院認知症共生社会創成治療学)
大田 秀隆(秋田大学 高齢者医療先端研究センター/秋田県立循環器・脳脊髄センター 物忘れ診療科) - 演者:
- 小村 悠(国立がん研究センター東病院 臨床研究支援部門/医薬品開発推進部門(併任))
武藤 香織(東京大学医科学研究所)
原 等子(新潟県立看護大学大学院)
森口 奈菜(特定非営利活動法人 日本医療政策機構)
新美 芳樹(東京大学医学部附属病院 認知症共生社会創成治療学/早期・探索開発推進室)
大田 秀隆(秋田大学 医学部 高齢者医療先端研究センター)
▼ 概要
2023年に成立した共生社会の実現を推進するための認知症基本法では、第二十条に「共生社会の実現に資する研究等の基盤を構築するため」の「当該研究等への認知症の人及び家族等の参加の促進」が謳われている。また基本法を受け2024年12月に閣議決定された認知症施策推進基本計画では、認知症の人と家族等の意見を認知症に関する研究事業に反映させることが重点目標とされている。認知症政策が目指す「共生社会の実現に資する研究」の実現に向けては、研究への参加のみならず、認知症の人や家族等が研究に参画し、研究者と対等に研究を共創することが期待される。そのためには研究者側が取り組むべき論点として、認知症の人と家族等の参画に対する意識の醸成や、環境の整備が挙げられる。本シンポジウムでは、認知症領域の研究者に加えて、患者・市民参画(PPI: Patient and Public Involvement)を推進する他疾患の研究者の視点を加え、認知症研究におけるPPI推進に向けた検討を行う。
シンポジウム34「メディアと考える新しい認知症観」
- 日時:
- 11月22日(土)15:20~17:00
- 座長:
- 池内 健(新潟大学脳研究所 遺伝子機能解析学分野)
木下 彩栄(京都大学大学院医学研究科) - 演者:
- 下山 進(ノンフィクション作家)
影本菜穂子(読売新聞)
村川実由紀(一般社団法人 共同通信社 科学部)
岡 肇(NHK 長崎放送局)
種岡 郁江(新潟日報社 編集局 報道部)
▼ 概要
認知症に対する社会的な関心が高まる中、認知症に関するメディア報道が増えている。認知症への正しい理解を促進し、最新の動向を知る上でメディアは大きな役割を果たしている。認知症に関する報道は、新しい研究成果から新薬開発、医療・介護の現場、社会的な課題まで幅広いトピックスが扱われる。我々認知症関係者は、メディアによって認知症に関して社会と結びつけられているともいえる。本シンポジウムでは、認知症に関する取材を精力的に行っているメディア関係者をお招きし、「メディアからみた認知症」をテーマに、幅広いトピックスについて意見交換を行う機会としたい。本シンポジウムを通して、社会に向けた認知症に関するよりよい情報発信へと発展させたい。
シンポジウム35「若年性認知症の診断後支援 ~若年性認知症支援コーディネーターのかかわり~」
- 日時:
- 11月22日(土)15:20~17:00
- 座長:
- 粟田 主一(認知症介護研究・研修東京センター/東京都健康長寿医療センター)
谷向 知(愛媛大学大学院医学系研究科 老年精神地域包括ケア学) - 演者:
- 粟田 主一(東京都健康長寿医療センター 認知症未来社会創造センター)
来島みのり(東京都多摩若年性認知症総合支援センター)
野﨑 和美(国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター病院 看護部)
駒井由起子(東京都若年性認知症総合支援センター)
▼ 概要
若年性認知症は高齢者認知症とは異なり、社会的、経済的、精神的な負担が大きい。診断を受けた若年性性認知症の多くができる限りこれまでの生活の継続を望んでおり、診断後ただちに介護保険の枠に収めるのではなく、就労支援や障害福祉の利用を検討するなど多様な配慮が必要である。
現在、各都道府県で若年性認知症支援コーディネーターが配置されている。若年性認知症の診断の多くは認知症疾患医療センターでされいるとの報告はあるが、そこからの紹介は多いわけではない。
若年性認知症の診断後支援を行っていくうえで、コーディネーターが認知症地域支援推進員等の支援者と異なりどのような役割を担っているか理解を深める機会としたい。
現在、各都道府県で若年性認知症支援コーディネーターが配置されている。若年性認知症の診断の多くは認知症疾患医療センターでされいるとの報告はあるが、そこからの紹介は多いわけではない。
若年性認知症の診断後支援を行っていくうえで、コーディネーターが認知症地域支援推進員等の支援者と異なりどのような役割を担っているか理解を深める機会としたい。
シンポジウム36「『特発性正常圧水頭症(ハキム病)』のわかりにくさを解明する~診療と研究のアップデート」
- 日時:
- 11月22日(土)15:20~17:00
- 座長:
- 數井 裕光(高知大学医学部神経精神科学講座)
森 悦朗(大阪大学大学院連合小児発達学研究科 行動神経学・神経精神医学寄附講座) - 演者:
- 山田 茂樹(名古屋市立大学 脳神経外科学講座)
鐘本 英輝(大阪大学キャンパスライフ健康支援・相談センター)
河合 亮(高知大学 医学部 神経精神科学講座)
伊関 千書(東北大学大学院 高次機能障害学)
山田 薫(東京大学 医学部附属病院 認知症共生社会創成治療学)
▼ 概要
内科系の認知症専門医にとってわかりにくいとされがちな本疾患の診療と研究の最新を紹介したい。国際的なワーキンググループより、特発性正常圧水頭症から「ハキム病」への名称変更が提唱された。なぜ変更か、何を目指すのかを解説する。認知症の背景病理を考える時代においては、ハキム病の診療で、脳脊髄液検査とタップテストをどのように行うべきか、また脳神経外科との連携のコツを伝授する。ハキム病の臨床では、他の認知症疾患も併存する病態の進行が観察されているが、基礎研究でも、認知症病理研究すなわち脳実質側の研究が、脳脊髄液の病態と接点を発見してきている。ハキム病のダイナミックな病態に迫るトピックスを紹介する。
シンポジウム37「Blood biomarkers for Alzheimer's disease: emerging roles and clinical implementation」
- 日時:
- 11月23日(日)9:30~11:30
- 座長:
- 池内 健(新潟大学脳研究所 遺伝子機能解析学分野)
栗原 正典(東京都健康長寿医療センター 認知症未来社会創造センター バイオマーカー部門) - 演者:
- Kaj Blennow(Eli Lilly)
Joel Braunstein(C2N DIAGNOSTICS, LLC)
Tobias Bittner(F.Hoffmann-LaRoche AG, Basel, Switzerland)
金子 直樹(株式会社島津製作所 田中耕一記念質量分析研究所)
山下 和人(シスメックス株式会社 中央研究所)
Natalya Benina(Fujirebio Diagnostics, Inc)
▼ 概要
認知症に対する疾患修飾薬が上市された今、血液バイオマーカーの臨床実装は、認知症診療における次なるマイルストーンとなると思われる。血液バイオマーカーの精度は著しく向上しており、一部の血漿バイオマーカーは脳脊髄液マーカーと同等の精度で脳内アミロイドの存在を推定できるようになっている。本シンポジウムでは、血液バイオマーカーの開発を進めている国内外の検査企業の研究者から、血液バイオマーカー開発の最前線の知見を発表いただく。血液バイオマーカーは低侵襲性で汎用性があるため拡張性は大きいが、臨床現場では適正に活用することが求められる。本シンポジウムでは血液バイオマーカーの臨床実装に向けた現在地を共有するとともに、適正な形で血液バイオマーカーを臨床導入するための議論の機会としたい。
シンポジウム38「認知症の早期発見に向けたAI活用」
- 日時:
- 11月23日(日)9:30~11:30
- 座長:
- 樋口 真人(量子科学技術研究開発機構)
武田 朱公(大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学) - 演者:
- 植田 大樹(大阪公立大学 大学院医学研究科 人工知能学)
南 泰浩(電気通信大学 人工知能先端研究センター)
遠藤 浩信(量子科学技術研究開発機構)
武田 朱公(大阪大学大学院医学系研究科 臨床遺伝子治療学)
▼ 概要
認知症を早期に検出する評価系として、近年ではバイオマーカー開発が進展し、認知機能が正常な段階で背景病態を推定しうる。一方で、デジタルバイオマーカーによる簡便・迅速・客観的なプレスクリーニングの需要が増している。簡易認知課題・会話記録・健診画像・マルチプレックス血液計測・ウェアラブルデバイスによる生活記録を起点に、データ駆動型のAI解析により、加齢変化・認知症リスク推定・病態検出とステージング・各種症状の評価や予測が実現しうる。さらには疾患修飾薬の選択や薬効評価にも有用となりうる。本シンポジウムでは、これらの観点でAI活用の現状と展望を理解し、議論する。
シンポジウム39「自分らしさを支える医療とケア」
- 日時:
- 11月23日(日)9:30~11:30
- 座長:
- 繁田 雅弘(医療法人社団彰耀会 メモリーケアクリニック湘南)
中西 亜紀(大阪公立大学大学院生活科学研究科) - 演者:
- 竹本与志人(岡山県立大学 保健福祉学部 現代福祉学科)
石井 敏(東北工業大学 建築学部 建築学科)
青山 聡子(医療法人社団ひかり会のぞみメモリークリニック)
繁田 雅弘(栄樹庵診療所)
▼ 概要
「認知症施策推進基本計画」においても医療とケアにおいて「その人らしさ」や「自分らしさ」を重視することが求められている。認知症の人が一人の人間として尊重され、その人らしい生き方を送る権利は人間の基本的な権利である(尊厳の尊重)。また「その人らしさ」を尊重することは、その人が望む生活を送れるよう支援することにつながり、自立を促し残存能力を最大限に活用することにつながる(自立支援)。そして「その人らしさ」に焦点を当てることで、画一的な医療やケアではなく、個々のニーズや希望に合わせた医療やケアを提供することができる。それにより効果的で満足度の高い医療とケアを実現できると考える。
シンポジウム40「認知症者における併存疾患の管理」
- 日時:
- 11月23日(日)9:30~11:30
- 座長:
- 亀山 祐美(東京大学医学部附属病院老年病科)
山本 浩一(大阪大学大学院医学系研究科 老年・総合内科学) - 演者:
- 田村 嘉章(東京都健康長寿医療センター 糖尿病・代謝・内分泌内科)
山本 浩一(大阪大学大学院 医学系研究科 老年・総合内科学)
小島 太郎(国際医療福祉大学 医学部 老年病学)
小川 朝生(国立がん研究センター東病院 精神腫瘍科)
梅屋 玲子(順天堂東京江東高齢者医療センター)
▼ 概要
認知症者の併存疾患管理は非常に難しい。コミュニケーション不良などにより病状の理解が困難な上に、認知症者の併存疾患治療に関する有効性・安全性のエビデンスが極めて乏しい。認知症を考慮せず併存疾患の治療ガイドラインに従うと過剰医療になったり、認知症を理由に治療しないと過少医療になりがちである。認知症者に適切な医療提供をするために生活習慣病、multimorbidity(多疾患併存)、がん、白内障について診療上の注意点、管理のポイントについて専門家から講義いただく。対象は、医師、看護師、薬剤師など、認知症者に関わる多くの職種の方を予定している。
シンポジウム41「認知症トータルケアを目指したリハビリテーション」
- 日時:
- 11月23日(日)9:30~11:30
- 座長:
- 古和 久朋(神戸大学大学院保健学研究科)
小野 玲(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所 身体活動研究センター) - 演者:
- 沖 侑大郎(神戸大学 大学院 保健学研究科)
杉本 大貴(国立長寿医療研究センター 予防科学研究部)
尾嵜 遠見(神戸学院大学 総合リハビリテーション学部 作業療法学科)
鈴木 裕子(SOMPOケア株式会社 ウェルビーイング事業部 認知症プロジェクト推進室)
▼ 概要
本セッションでは、認知症予防から発症後の共生支援に至るまでの一貫した介入と社会実装について、最新の知見と実践例を紹介する。まず、高齢者における認知症の一次予防として、TAMBA Studyを中心に多因子介入の有効性とエビデンスを概説する。次に、軽度認知障害(MCI)を対象とした非薬物的介入の効果と、それを地域で持続可能に展開するための社会実装の課題について検討する。さらに、認知症発症後におけるデイケアでのリハビリテーション介入の実際と、その有用性や現場での工夫について、自身の経験を交えて報告する。最後に、予防から共生までを切れ目なくつなぐ支援体制の構築と、地域に根ざした具体的な取り組みを紹介し、今後の展望を考察する。
シンポジウム42「アミロイド関連画像異常ARIAと脳アミロイド血管症」
- 日時:
- 11月23日(日)9:30~11:30
- 座長:
- 新堂 晃大(三重大学 脳神経内科)
藥師寺祐介(関西医科大学 神経内科学講座) - 演者:
- 徳丸 阿耶(東京都健康長寿医療センター 放射線診断科)
眞木 崇州(京都大学 医学部 脳神経内科)
北爪しのぶ(福島県立医科大学・保健科学部・臨床検査学科)
石川 英洋(三重大学大学院医学系研究科 神経病態内科学)
藥師寺祐介(関西医科大学)
▼ 概要
本邦における認知症の原因として、アルツハイマー病(AD)が最も多くを占め、その病理学的背景にはアミロイドβタンパク(Aβ)による老人斑と微小管結合タンパク質(タウ)の沈着による神経原線維変化が挙げられる。AD患者の剖検脳において、脳アミロイド血管症CAAは約8割以上に認められる。近年、抗Aβ抗体療法が臨床現場へ登場した認知症診療は大きく変化している一方、アミロイド関連画像異常ARIAという新たな副作用が認められるようになった。ARIAの画像は浮腫、滲出液貯留を示すARIA-Eと出血性変化のARIA-Hに分けられ、ARIA-EはCAA関連炎症と、ARIA-HはCAAに伴う微小出血や脳表ヘモジデリン沈着といった出血性病変と同様の所見を呈する。ARIAのリスク因子として、APOEε4、ベースラインでの微小出血数などがあげられ、また背景に存在するCAAの関与が報告されている。ARIA発現の機序としてドレナージ機構の障害に伴うCAAの増悪や炎症、CAAからのAβ除去に伴う血管透過性の亢進が機序として考えられている。本シンポジウムでは、ARIAとCAAの関連について、画像、ドレナージ機構との関連、モデル動物の作成を中心に考え、さらに近年CAAの新たな原因として注目されている医原性脳アミロイド血管に関しても検討する機会としたい。
シンポジウム43「認知症関連の適正使用新ガイドライン」
- 日時:
- 11月23日(日)12:50~14:30
- 座長:
- 冨本 秀和(三重大学大学院/済生会明和病院)
池内 健(新潟大学脳研究所 遺伝子機能解析学分野) - 演者:
- 石井 賢二(東京都健康長寿医療センター)
池内 健(新潟大学 脳研究所 生命科学リソース研究センター)
関島 良樹(信州大学 医学部 脳神経内科、リウマチ・膠原病内科)
新井 哲明(筑波大学 医学医療系 臨床医学域 精神医学)
冨本 秀和(三重大学大学院医学研究科)
▼ 概要
認知症領域では新薬の臨床実装が矢継ぎ早に生じている。まず、抗アミロイド抗体薬の保険適用に伴って、最適使用推進ガイドライン・レカネマブ、ドナネマブが策定された。さらに、これに関連してアミロイドPET、液性バイオマーカー、APOE遺伝子検査の各ガイドラインが厚生労働省特別研究として平成6年度に改定されている。併せて、抗精神病薬ブレクスピプラゾールのアジテーションに対する保険適用が承認されたため、かかりつけ医・認知症サポート医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドラインも同時に改定されている。本シンポジウムではこれらの認知症関連の新ガイドラインをまとめて取り上げて、臨床現場への浸透を図ることを目的とする。
シンポジウム44「認知症におけるタウ病態伝播の解明」
- 日時:
- 11月23日(日)12:50~14:30
- 座長:
- 池津 庸哉(メイヨークリニックフロリダ校神経科学科)
佐原 成彦(新潟大学脳研究所附属統合脳機能研究センター 臨床機能脳神経学分野) - 演者:
- 山田 薫(東京大学 医学部附属病院 認知症共生社会創成治療学)
武田 朱公(大阪大学大学院医学系研究科 臨床遺伝子治療学)
佐原 成彦(新潟大学 脳研究所 統合脳機能研究センター)
池津 庸哉(メイヨークリニックフロリダ校)
▼ 概要
アルツハイマー病理診断基準となる変性タウ病態は認知機能の低下と強く相関しており、タウ病態伝播の解明は認知症の次世代治療薬の開発に重要である。これまでの研究から伝播性のあるタウ凝集体の同定、細胞外小胞を介した伝播、慢性的神経興奮やミクログリアなどのグリア細胞の活性化に伴うタウ病態伝播の促進が報告されている。また、タウ病理の伝播を正確に再現できる動物モデルの作成も治療開発には必須である。本シンポジウムではこの領域で最先端の研究を進めている研究者にご講演いただき、最新の研究展開をご紹介いただくと共に次世代治療法の開発を議論する。
シンポジウム45「認知症疾患医療センターの現在と未来」
- 日時:
- 11月23日(日)12:50~14:30
- 座長:
- 田中 稔久(大阪けいさつ病院)
粟田 主一(認知症介護研究・研修東京センター/東京都健康長寿医療センター) - 演者:
- 田中 稔久(大阪けいさつ病院 認知症センター)
井原 涼子(東京都健康長寿医療センター 脳神経内科)
繁信 和恵(公益財団法人浅香山 精神科 認知症疾患医療センター)
中西 亜紀(大阪公立大学大学院 生活科学研究科 人間福祉学分野)
▼ 概要
認知症疾患医療センターの原型は平成元年に始まり、認知症医療の地域における中核的機関として、詳細な診断や急性精神症状への対応、身体合併症を有する患者への対応を行うことをその中心的役割としつつ、専門職研修会や連携協議会開催、専門的な相談を通して、医療機関と介護サービス提供事業所等との連携強化を図ることになっている。しかし現在は、認知症に対する新規の抗体治療薬の出現、かかりつけ医や一般病院等に対する認知症対応力向上研修の普及などを通して、認知症診療に対する地域のニーズは変化してきている。本シンポジウムにおいては、このような時代の変化を概観し、認知症疾患医療センターのこれからの役割について議論したい。
シンポジウム46「認知症診療クリニックの現在と未来」
- 日時:
- 11月23日(日)12:50~14:30
- 座長:
- 吉山 容正(稲毛神経内科・メモリークリニック)
繁田 雅弘(医療法人社団彰耀会 メモリーケアクリニック湘南) - 演者:
- 繁田 雅弘(栄樹庵診療所)
奥村 歩(おくむらメモリークリニック)
吉山 容正(稲毛神経内科・メモリークリニック)
井門ゆかり(井門ゆかり脳神経内科クリニック)
藤本 直規(医療法人 藤本クリニック 連携型認知症疾患医療センター)
▼ 概要
高齢化に伴い認知症患者は増加し、すでにCommon Diseaseとしてよい状況であるが、その診断や適切な治療、家族指導、ケア体制の構築などには広範な専門的な知識が要求される。さらに、疾患修飾薬の登場により薬物治療の対象者がアルツハイマー病を背景とした軽度認知障害にも拡大し、適切な患者選択や治療実施にはより専門的な知識が求められるようになった。このような状況下で、認知症を主な診療対象とするクリニックが増加しているが、その診療内容は地域の状況や医師の専門性によりさまざまである。このシンポジウムでは現在の認知症クリニック診療実態と課題、さらに将来の展望を明らかにしたい。
シンポジウム47「災害医療と認知症の方への支援」
- 日時:
- 11月23日(日)12:50~14:30
- 座長:
- 古川 勝敏(東北医科薬科大学医学部 老年・地域医療学)
片山 禎夫(片山内科クリニック) - 演者:
- 高橋 純子(北上済生会病院)
石木 愛子(東北医科薬科大学)
片山 禎夫(片山内科クリニック)
篠原もえ子(金沢大学医薬保健研究域医学系 脳神経内科学)
▼ 概要
近年、自然災害の激甚化や超高齢社会の進展により、認知症患者を含む高齢者の災害による被害が深刻化している。高齢者は、体力や認知機能の低下、持病の多さ等から、災害時の脆弱性が非常に高い。そのため、高齢者の命と生活を守り、認知機能の低下をできる限り防ぐために、我々が尽力せねばならないことに異論はないだろう。今回のシンポジウムでは、東日本大震災、西日本豪雨、能登半島地震等を経験したシンポジスト達に、災害後 フレイルな高齢者や認知症患者に対し我々が何を行い、何を学んできたのかを議論する。多様性に富む彼等、彼女等に対する災害医療やサポートは重要且つ決して容易ではない課題であり、適切な実践が求められている。
シンポジウム48「認知症とフレイルの関係」
- 日時:
- 11月23日(日)12:50~14:30
- 座長:
- 梅垣 宏行(名古屋大学大学院医学系研究科地域在宅医療学・老年科学(老年内科))
竹屋 泰(大阪大学大学院医学系研究科 保健学専攻 老年看護学教室) - 演者:
- 芳野 弘(藤田医科大学医学部認知症・高齢診療科)
竹下 悠子(大阪大学大学院 医学系研究科 保健学専攻 老年看護学研究室)
内田 一彰(国立長寿医療研究センター 予防科学研究部)
渡邊 一久(名古屋大学大学院医学系研究科地域在宅医療学・老年科学)
▼ 概要
フレイルは、加齢に伴う生理的予備能の低下と定義され、様々な予後不良の関連因子となっている。認知症の方はフレイルになりやすく、フレイルは認知症発症のリスクであり、認知症とフレイルは双方向性に関連が深い。そのため、認知症の診療や予防を考えるうえで、フレイルとの関りを理解することは重要である。本シンポウムでは認知症とフレイルの関連にフォーカスして議論を深めたい。
シンポジウム49「神経難病と認知症」
- 日時:
- 11月23日(日)12:50~14:30
- 座長:
- 和泉 唯信(徳島大学大学院医歯薬学研究部臨床神経科学分野)
丸山 博文(広島大学大学院医系科学研究科脳神経内科学) - 演者:
- 渡辺 保裕(国立病院機構 松江医療センター)
安藤 孝志(日本赤十字社愛知医療センター 名古屋第一病院 脳神経内科)
松井 尚子(徳島大学大学院医歯薬学研究部臨床神経科学分野)
中森 雅之(山口大学大学院 医学系研究科 臨床神経学)
▼ 概要
神経難病における認知機能障害に関して、新規治療開発の観点から捉えなおす必要性が高まっている。かつて認知症を呈さないとされた筋萎縮性側索硬化症は、病態において前頭側頭葉変性症と関連するが、それ自体の神経心理学的特徴を有する。多系統萎縮症も認知症を伴わないとされたが、認知障害に関する知見が増加している。多発性硬化症では治療の発展に伴い認知障害の長期間の抑制が重要性を増している。一方、従来認知障害を伴うことが知られる筋強直性ジストロフィーでは、治療薬開発が進んでいる。これらの疾患に伴う認知機能障害の知見を整理し、従来の認知症疾患との相違点を踏まえた治療の戦略について議論し、今後の開発を展望する。
学会賞受賞講演
- 日時:
- 11月23日(日)9:30~10:30
- 座長:
- 小野寺 理(新潟大学脳研究所 脳神経内科学分野)
長谷川成人(東京都医学総合研究所) - 演者:
- 加藤 泰介(新潟大学 脳研究所 分子神経疾患資源解析学分野)
互 健二(量子科学技術研究開発機構 量子医科学研究所 脳機能イメージング研究センター)