心療内科のこと

 心療内科ではどんな病気を治療しているのでしょうか。「心療」だから心の病気?それとも「内科」だから体の病気?心療内科がどんな病気を治療するのか、よくわからないという方は多いと思います。ここでは心療内科で扱う病気と治療についてお話しします。

消化器心身症

胃腸に症状が出ているのに一般的な検査では異常がなく、さまざまなストレスとの関係が深い、そんな心身症を機能性消化管障害 と言います。機能性消化管障害についてはRome IVという国際的な診断基準が取り決められています(当科の科長 福土審はROME IV委員会のメンバーの1人です)。私たち東北大学病院心療内科では機能性消化管障害の治療に力を入れています。

代表的な機能性消化管障害に過敏性腸症候群があります。極端な下痢または便秘と激しい腹痛が慢性的に繰り返されて、生活に 著しい支障を来たす病気です。通常の検査では異常は見つけられませんが、腸の運動や感覚を調べてみると、蠕動運動が激しくなって いたり、感覚が過敏になっていたりするのが確かめられます。

胃の機能性障害の代表としては機能性ディスペプシアがあります。「ディスペプシア(dyspepsia)」という言葉は、英和辞典で 調べると「消化不良、胃弱、胃病」などいう訳が付けられています。胃の痛み、あるいは食後の胃もたれがあって悩まされているのに、 内視鏡検査を受けても結果は異常なしという病気です。

他にも中枢性腹痛症候群、機能性胸やけといった、一般にあまり同じのない名前の病気が、Rome IVには掲載されています。

こうした心身症の治療はどのように行うのでしょうか。