学会概要
前会長就任の挨拶
大阪大学微生物病研究所 木下タロウ
去る8月24日25日の第44回補体シンポジウムの運営委員会と総会で、瀬谷先生の後任として4年間会長を務めるよう推挙されました。補体シンポジウムには、1974年倉敷での第11回に参加して以来、30年以上お世話になっており、自らの研究者としてのキャリアは、補体シンポジウム/研究会と共に歩んできたと言えます。そのような補体研究会のために精いっぱい努力する所存です。
折しも今年は、補体研究に携わるものが待望していた補体関連薬が米国FDAに認可され使用が始まりました。Eculizumab(商品名Soliris)は、ヒト化抗C5モノクローナル抗体で、発作性夜間血色素尿症の血管内溶血を阻止する医薬としての使用が認められました。日本での治験も今秋から開始され、数年後には使用できるようになるでしょう。今後、補体による炎症が関与する他の疾患への応用が期待されます。
このような補体関連薬の登場は、また臨床補体研究にもインパクトを与えるでしょう。これを機会に、より多くの方が臨床補体研究に参加されることを期待します。
補体研究会のアイデンティティーと方向性についての議論が10年以上続いており、その間生体防御学会との何度かの合同集会開催など新しい方向性が模索されてきました。今後も前向きな議論を続けつつ、補体研究会の発展につなげたいと思います。
研究会の発展はなんと言っても、活発なシンポジウムと会員数にかかっています。2008年の補体シンポジウムは、瀬谷先生の主催のもと、7月10-12日札幌で行われます。生体防御学会とインターフェロンサイトカイン学会との同時開催です。ぜひ、1題でも多くの演題発表と多くの皆様のご参加をお願いいたします。また、お知り合いで関連研究に携わっておられる方にご入会をお勧めくださいますようお願い申し上げます。
それでは、4年間どうぞよろしくお願い申し上げます。
(2007年9月)