主訴からirAEを検討する|発熱の場合
手順1
【主訴から想定する疾患】(手引書 P.5-6)の「発熱」にチェックします。想定される疾患には○印がついているので関連性を検討してください。主訴「発熱」の場合、「サイトカイン放出症候群、インフュージョンリアクション、血液毒性、感染、副腎機能低下、肺障害・結核、下肢血栓・塞栓、下痢・腸炎、肝機能低下・胆管炎、腎機能低下」が想定される疾患です。
手順2
手順1でチェックした主訴(発熱)が分類されている症状(全身症状)に関する【症状別のStep3】(手引書P.11-12)で、さらに検討してください。
- ・「レッドフラッグサイン」に該当する症状はないか
- ・Step1:irAEを見逃さない
- ・Step2:irAEと決めつけない
- ・Step3:対応が後手に回らない
の順に検討していきます。
該当しないことを確認します。
「38℃以上」の発熱の場合は、鑑別前でも緊急対応を考慮してください。
チェックを入れた症状に対して、見逃してはいけない疾患に○印が付いています。
「発熱」にチェックし、いつから症状があるのか、増悪しているかを確認します。発熱で特に見逃してはいけない疾患として、「副腎機能低下症、糖尿病、胆管炎」が挙げられるため、これらの可能性がないかを確認します。
該当する症状にチェックし、irAE以外の疾患(基礎疾患の再発・再燃、他の疾患)の可能性がないかを検討してください。
主訴「発熱」の場合、基礎疾患の有無からその再発や再燃、感染症・FN、血液障害、感染性腸炎の可能性がないかを検討してください。
疑ったirAEの対応が遅れないよう、検査漏れがないかを確認します。
疑ったirAEに関連する検査で未測定のものがあれば、測定依頼を検討してください。
これらの検査項目と【専門医へ引き継ぐまでの間に実施を考慮する追加検査】(手引書P.9-10)から総合的に検討してください。