ベテランに訊く―検査血液学の王道―
1.日時・会場
①7月26日(土)第9会場(国立京都国際会館 2F Room K)
②7月27日(日)第9会場(国立京都国際会館 2F Room K)
※お申し込みは不要です。参加をご希望の方は直接会場までお越しください。
2.プログラム
7月26日(土)
9:00~10:15 凝固線溶①
10:30~11:45 血球形態①(基礎)
14:15~15:30 フローサイトメトリー①
15:45~17:00 血球形態②(症例)
7月27日(日)
8:50~10:05 凝固線溶②
10:20~11:35 フローサイトメトリー②
凝固線溶およびフローサイトメトリーは①、②とも同一内容で実施します。
<担当>
由木洋一(京都府立医科大学感染制御・検査医学教室)
田中秀磨(大阪医科薬科大学健康科学クリニック)
久保田浩(大阪公立大学医学部附属病院中央臨床検査部)
村瀬幸生(血液内科太田クリニック・心斎橋/株式会社D・リレーションズ)
池本敏行(滋賀医科大学医学部附属病院検査部)
渡部俊幸(倉敷芸術科学大学生命科学部生命医科学科)
『王道』とは、正しく進む道、一般的、基本的に認められた正しい手順や方法のことである。
血球形態検査、凝固線溶検査、フローサイトメトリー検査は一人前の血液学検査を目指す者にとって、避けて通ることは許されない領域である。これらの検査を習得するためには書物から得た知識だけでなく、先輩や上司、医師からのアドバイスは不可欠と思われる。
今回は、主に認定血液検査技師試験受験希望者を対象に、指定研修とは一味違ったベテラン技師による対面講習を予定しており、認定血液検査技師として必要な知識を得るための一助にしていただければ幸いである。
3.抄録・概要
「血球形態検査」
血球形態とその他の検査から血液疾患に迫る。
末梢血液像や骨髄像検査において、正常な幼若細胞から成熟細胞まで分類することは基本であるが、それ以外の細胞に遭遇した場合、その細胞の特徴から系列や反応性あるいは腫瘍性などを鑑別する必要がある。そこに重要となるのは詳細な細胞観察と鑑別規準であり、更には病態や疾患を推測できるだけの情報分析となる。本講演では、細胞鑑別の基本および異常所見と疾患、関連検査などについて解説を行いたい。
「凝固線溶検査」
凝固線溶検査は血球形態、フローサイトメトリー検査とともに血液検査の根幹をなしているが、「形態は好きだけど凝固検査は苦手でデータの見方がよくわからない」という声をよく耳にする。そこで今回は認定血液検査技師に必要な凝固線溶検査の知識として①クロスミキシングテスト。②ループスアンチコアグラントと抗リン脂質抗体症候群。③FDP、D-dimer高値例。④DOAC投与検体における凝固検査への影響等に関する解説を行い、参加者の知識の向上につなげたい。
「フローサイトメトリー検査」
形態所見をFCM による造血器腫瘍細胞解析に活かす。
フローサイトメトリー(FCM)による造血器腫瘍細胞解析は、造血器腫瘍診断や治療方針の決定に直結する重要な検査であるが、その解析の仕方によっては解釈を誤ることがある。解析ゲートの決定には形態学的所見が有用であることから、骨髄塗抹標本動画から解析ゲートについて考え、また症例の蛍光ヒストグラムのパターンの解説を行い、FCMによる造血器腫瘍細胞解析の理解と解析精度向上につなげたい。