リビング・ウィルと事前指示書 -書き方と例文-        


















参考:
厚生労働省「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」





     









    高齢患者を抱える病院・介護施設の関係者の方へ

          

寝たきり高齢患者や重度認知症患者の医療・ケアに当たられる関係者には、延命治療問題は言うにおよばず、胃瘻造設問題などにお悩みのことと思います。

終末期医療に当たっては、厚生労働省などのガイドラインが出されているものの、それらの法的根拠がないことより、特に、意識低下や認知能障害のためにインフォームド・コンセントを表出できない患者においては、スムースに運用されていないとの声も聞かれます。

皆さまが頭を痛めておられる、寝たきり高齢者や重度認知症患者に対する、胃瘻を含め無意味と思われる延命治療・ケアの問題を解決するためには、あらかじめ、個々の患者さんが理性的判断のできる内に、人生の最期はどうして欲しいかを書面で残す、すなわち、リビング・ウィルを書き残していただくことが最良の方法です。

最高裁判所の判例にもあるように、患者の自己決定権を尊重しているわが国において、厚生労働省などのガイドラインに従って終末期医療・ケアに対応する際、リビング・ウィルさえあれば、医療者が法に問われることはないと断言できます。

厚生労働省は、2018年に3度目の改訂版を出した「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」において、アドバンス・ケア・プランニングの概念を導入し、終末期の医療・ケアの方針を話し合うことと、本人が自らの意思を伝えられない状態になる前に、本人の意思を推定する者について、家族等の信頼できる者を前もって定めておくことの重要性を記載しています。

そして、2018年の診療報酬・介護報酬の改定において、「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」に従って終末期医療に対応することに対し、診療報酬・介護報酬を上乗せして、アドバンス・ケア・プランニングの推進の後押しをしています。

既に、医療・介護施設の中には、このホームページにあるリビング・ウィルの例文をほとんどそのまま、診療用コンピュータからダウンロードできるようにし、患者に渡してリビング・ウィルを書き残していただいている病院もありますので、このような形での患者啓発もお考えください。

リビング・ウィルの啓発活動の必要性は理解するが、予算がないとの嘆きが聞かれます。
自治体病院の長を務めた経験より事情は重々承知しており、限られた予算内での啓発講演などに進んで協力いたしますので、ご希望があれば、お気軽に、下記のメールまでご相談ください。ohnoryu@suisui-w.ne.jp