人には寿命があり、いつかは死ぬ運命にあります。
ほとんどの方は、「死ぬ直前までは、健康で元気に暮し、叶うことなら、ころっと 死にたい。
苦しむことなく、やすらかに死んで逝きたい。できれば 自宅で、家族や友人に見守られながら、静かに死んで逝きたい」と願っておられます。
いわゆる「ピンピンコロリ」願望です。
でも、現実は、決してそうではありません。
点滴や胃ろうや人工呼吸器などで、無理やり生かされている人たちが一杯います。
人間らしい生き方ができなくなったときに、点滴や胃ろうや人工呼吸器などの人工手段で、無理やり生かされるのは嫌だと、誰もが思っています。
そのような自分の希望を尊重してもらうには、どうしたらよいでしょうか?
唯一確実な方法は、判断能力のある元気なうちに、リビング・ウィルを書き残しておくことです。医療側も本人の意思がわからないときには、医学的に不要と思っても、点滴や胃ろうや人工呼吸器などを使わざるをえないことが多いのです。
わが国では、リビング・ウィルの効力を保証する法律はありませんが、厚生労働省や医学会・協会などが出している終末期医療についてのガイドラインには、リビング・ウィルで示された本人の意思を尊重するよう書かれており、これらのガイドラインにしたがって延命治療を中止しても、医療側が罰せられれたことは一度もありません。
ここでは、リビング・ウィル(終末期の医療・ケアについての意志表明書)や事前指示書(アドバンス・ディレクティブ)がなぜ必要かやリビング・ウィルに従って延命治療を中止しても医療者が罰せられることはないかを説明しつつ、どのように書いたらよいか分からない方のために、例文を示しています。
例文をご自分のパソコンにコピーし、自分なりのリビング・ ウィルや事前指示書に修正し、印刷してから署名・捺印しててください。
例文PDFを直接印刷してから、署名・捺印しても、リビング・ウィルや事前指示書として使用できます。
健康保険証などと一緒に、見つけやすいところに保管しつつ、家族やかかりつけ医などにコピーを渡し、入院や介護施設入所時には主治医に見せてください。 医療施設や介護施設でのアドバンス・ケア・プランニング(ACP)の際には、これを主治医に見せてください。
できるだけ、2〜3年毎に所定欄に日付と署名・捺印し、更新してください。