リビング・ウィルと事前指示書 -書き方と例文-        




























     リビング・ウィルや事前指示書を書くときの留意点

          


リビング・ウィルや事前指示書を書かれる場合には、以下のことに留意してください。

リビング・ウィルは、書かれた本人の終末期医療のありかたを決定する重要な書類です。
これを手にし、書かれた本人の意思を尊重して終末期医療を行おうとする医療者にとっても、たいへん重い決断を迫られる重要書類です。  

したがって、チェックリストのような簡便書式のリビング・ウィルはお勧めできません。  
チェックリストだと、誰かが後から付け加えたかどうかの判定が難しいことがあります。
例文のように、重い決断を迫られる医療者が納得できるような文書にしてください。

内容は、あいまいな表現を避けて、できるかぎり具体的に書いてください。  

ときどき、「点滴ぐらいは続けて欲しい」と言われる家族がいます。点滴で水分を補給し続ければ、かなり長期間生き続けることになります。
ただし、水分だけを補給して生き続ける場合には、体内のエネルギー源が消費されますから、痩せて骨と皮だけになってしまいます。

その結果、お亡くなりになられるときには、元気だったころとかけ離れたお姿になりますので、点滴の続行を決める際には、それらを覚悟しておくことが必要です。

そのようなことも考慮しつつ、胃ろう、鼻管、点滴、中心静脈栄養、人工呼吸器などをどうして欲しいかを具体的に記述してください。

例文は、延命治療の中止を希望しているものですが、延命治療の続行を希望する文書も立派なリビング・ウィルです。
もし、そのように希望されるのであれば、できるかぎり具体的に希望を記述してください。