エピネット日本版について
エピネット日本版は、職業感染制御研究会から発行されている血液・体液曝露報告書式です。1991年米国バージニア大学
International Healthcare Worker Safety Center のJanine Jagger教授によって開発された EPINet
TM(エピネット):Exposure Prevention Information Network を基に作成されています。 EPINet
TM は血液・体液曝露の予防に活用できる優れた報告書式として、現在1500以上の米国医療施設に導入され、さらにカナダ、イタリア、スペイン、日本、イギリス、台湾、韓国など世界各国で活用されています。
1997年にバージニア大学の承諾を得て、職業感染制御研究会の下で自由に活用できるようになりました。以後、企業会員の協力により、「エピネット日本版」(A:針刺し・切創報告書とB:皮膚・粘膜汚染報告書)及びその集計・解析ソフトである「Episys(エピシス)」を作成し、順次公開しました。
エピネット日本版は、1996年から厚生科学研究費補助金エイズ対策研究事業として実施された「エイズ拠点病院における針刺し・切創損傷調査」および、2002年に厚生労働科学研究費補助金特別研究事業として報告された「医療従事者における針刺し・切創の実態とその対策に関する調査」でも活用されました。 エピネット日本版は現在でも様々な施設、機関での血液・体液曝露サーベイランス実施時に活用されています。
その後、 2013年9月には利用者からの要望の強かった手術部用の、エピネット日本版/手術部版Ver1.0 を作成しました。これによって手術部における針刺し・切創、皮膚・粘膜曝露事例のより詳細な記録、解析が可能となりました。
また この度、エピネット日本版の集積データおよびユーザーのフィードバックを踏まえて近年の日本の医療現場に即した内容に改訂することを目的として、エピネット日本版報告書式(version5.0 A:針刺し・切創報告書、B:皮膚・粘膜曝露報告書)を16年ぶりに改訂し発行します。また、その改訂に伴い、エピネット日本版手術部版報告書式(version2.0 AO:針刺し・切創報告書/手術部用、BO:皮膚・粘膜曝露報告書/手術部用)、および全ての改訂報告書に対応するEpisys401を発行します。
エピネット日本版を用いたサーベイランスではエピシスを活用することで、各設問のデータ集計に加えて複数の設問をクロス解析し、曝露リスクや感染リスクを的確に把握することが可能となりますが、今回の改訂により、データ収集および入力がより有効に行われ、血液体液曝露の実態がより正確に把握されることで、有効な予防対策の発展の一助になれば幸いです。
最新版のエピネット日本版は下記リンクからダウンロードしてください。
エピネット日本版報告書4種2018(zipファイル)
ダウンロードファイルには下記のファイルが含まれています。
- A:針刺し・切創報告書Ver.5.0.pdf
- B:皮膚・粘膜曝露報告書Ver.5.0.pdf
- AO:針刺し・切創報告書/手術部用Ver.2.0.pdf
- BO:皮膚・粘膜曝露報告書/手術部用Ver.2.0.pdf
- エピネット日本版Ver.5.0記入の手引き.pdf
関連ソフトウェア
Episys
Episys にはA、B の2種類があります。EpisysA はエピネット日本版の「A:針刺し・切創報告書」、および「AO:針刺し・切創報告書手術部用」に、EpisysBは「B:皮膚・粘膜曝露報告書」、および「BO:皮膚・粘膜曝露報告書手術部用」にそれぞれ対応した集計・解析ソフトです。
2018年3月エピネット日本版報告書の改訂に合わせ、EpisysA401、EpisysB401 がリリースされています。この Episys401 は、これ以前のバージョンの Episys109_01、201、301に保存された事例データを引継ぐことができます。
このソフトウェアを活用するためには、「EpisysA&B401使用説明書」や「エピネット日本版Ver.5.0記入の手引き」を参照してください。
Episys401は下記のパソコン環境で使用することができます(2018年3月現在)。
PC :WindowsPC
OS :Windows 7 sp1、Windows 8.1、Windows 10
必要なソフトウェア:
Access 2013、Access 2016、または Access 2019
および Excel 2013、Excel 2016、またはExcel 2019
Episysの利用登録とダウンロード
Episysのご利用には予め利用登録をして頂く必要があります。この利用登録では、今後のEpisys のバージョンアップなど、配布後の管理とネットワーク作りの基礎資料として活用するために、Episys を入手した方の氏名、職種、勤務先施設名を職業感染制御研究会の会員に公開することを Episys の無償配布のための同意事項にしています。
Episys利用登録によって、Episys の他、見える化君、エピネット日本版A用入力フォーム(Excel版) などのソフトウェアがご利用頂けます。
- Episys201 やそれ以降のバージョンで利用登録してある場合は、改めて利用登録する必要はありません。こちらからEpisysの最新版を取得、または再取得して頂けます。(登録内容に変更がある場合はこちら)
- 利用登録をしていない場合や、Episys201 より古いバージョンでの登録の場合は下の「申込みはこちら」をクリックし、利用登録手続きを行なってください。 必要事項を記入し「次に進む」ボタンをクリックすると、確認画面に続きダウンロード画面に移動します。同時に登録者宛に、登録管理番号をメールでお送りします。
- ダウンロードファイルには Episys の他に、見える化君、エピネット日本版A入力フォーム、説明書類が含まれます。
- ダウンロードファイルは圧縮ファイル(ZIPファイル)です。解凍方法についてはこちら参考にして下さい。
ファイルを zip 圧縮および解凍する
- 現在の Episys の最新バージョンは Episys401-1 です。
申込みはこちら
見える化君(Episys分析ツール)
Episys にも集計解析機能がありますが、その機能を補強するために外部ツールとして作成された 見える化君(Episys分析ツール)のご利用もお勧めします。見える化君には、年・年度別の項目集計、項目間のクロス集計、自施設の報告データを全参加病院のデータと比較などの機能があり、自施設の報告データの集計解析のために有用な手段を提供します。
現在の見える化君301は、Episys401 に保存されたエピネット日本版Ver.5 AとBの事例データ(手術部版2のデータを含む)を分析対象にしています。Episys301 以前の Episysには 見える化君201 をお使いください。
- 見える化君301は Episys401 と同時にダウンロードできます。
- 見える化君を使用するために必要なパソコンの利用環境は Episys401 と同じです。
- 見える化君 の最新バージョンは 301-1 です。JES2018までの標準値が含まれています。
見える化君利用の概略図
エピネット日本版A入力フォーム(Excel 版)
「エピネット日本版A用入力フォーム(Excel版)」(以下、入力フォームと呼びます)は次のことができます。
- Excel があれば 「エピネット日本版Ver.5 A.針刺し・切創報告書」に記録された事例データを入力し保存できる。
- 入力した事例データはEpisys に取り込むことができる(EpisysA401以降で対応)。
- 入力画面が Episys と似ているのでAccessがない場合にも Episys での入力の模擬体験ができる。
ただし、以下の制約もあります。
- 集計機能がないので、集計には Excel の機能を使う
- 現在(2018年3月)のところ「エピネット日本版Ver.5 A.針刺し・切創報告書」へのみの対応で、「B.皮膚・粘膜汚染報告書」や「手術部版」の入力はできない。対応は未定。
- エピネット日本版A用入力フォームは Episys401 と同時にダウンロードできます。
- エピネット日本版A用入力フォームの最新バージョンは 1.1 です。
以下にEpisys利用登録済みユーザー用のメニューをまとめました(Episysのバージョン201以降の利用登録のユーザー用)。
- 最新バージョンのダウンロード(見える化君を含む) こちら
- 登録管理番号が分からない場合 こちら
- 利用登録情報の訂正 こちら
- 利用登録情報がどうしてもわからない場合は、「申込みはこちら」ボタンから新規に利用登録をしてください。
※ 当研究会では現在、利用登録についてのお問い合わせには対応しておりません(JES参加施設を除きます。詳細はこちらを参照)。
- エピネット日本版や Episysについて、ご不明な点は Q&A やソフトウェア添付の利用説明書をご参照ください。
※ 当研究会では現在、エピネット日本版や Episys等のソフトウェアについてのご質問には対応しておりません(JES参加施設を除きます。詳細はこちらを参照)。
※ ご質問への回答ができない場合も、jimukyokuにメールでご連絡戴いたご指摘の事項に関しましては、バージョンアップ時の参考にさせていただきます。
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