日本植物形態学会(The Japanese Society of Plant Morphology)は、植物の形態・構造、そしてその機能に関連した分野の研究者が、新しい技術や理論、そして研究の発展方向などを積極的に論議し、 実質的な相互の交流の場を持とうという趣旨のもと、1988年1月に設立されました。
2007年には、日本学術会議協力学術研究団体の指定を受けました。現在(2024年2月1日)、会員数は232名です。
毎年、日本植物学会開催の前日に、大会(総会・講演会・展示発表会・懇親会)を開催するとともに、日本植物学会においても共催シンポジウムを開いています。大会には、例年およそ100名の参加者があります。学会賞として、3賞(形態学会賞・平瀬賞・奨励賞)を設け、毎年複数の受賞者を選出しています。大会では、総会で受賞者の表彰、講演会で学会賞と奨励賞の受賞者による講演が行われます。また、展示発表会では、平瀬賞の論文を含め例年約40の発表がなされ、参加者の投票により最優秀ポスター賞が選ばれます。
学会設立時から、学会誌として、英文の原著論文を含む「Plant Morphology」を刊行しています。Plant Morphology誌の第1巻から最新巻までの論文・総説・解説等の内容は、独立行政法人科学技術振興機構(JST)の学術雑誌電子アーカイヴ事業の支援を受け、広く一般向けに公開されています。
本学会は比較的小さな学会であることから、大会では「交流の場」を重視しています。ポスター発表会では飲食しながら盛んな議論が行われています。参加者の年齢層も幅広く、退任された著名な先生から学部の学生までが一緒となった和やかな会話の場も見られます。
本学会は、幅広い意味での「植物形態学」の発展にご尽力いただける方の新入会を歓迎いたします。
学会事務局(庶務幹事:武智 克彰)
〒860-8555 熊本県熊本市中央区黒髪2丁目39-1
熊本大学理学部内
日本植物形態学会
e-mail: ktakechi@kumamoto-u.ac.jp (@は半角に直してください)
home page: http://square.umin.ac.jp/pl-morph/
2024-25年の日本植物形態学会長に就任することになりました、熊本大学大学院先端科学研究部の高野です。元日の能登半島地震や、羽田での航空機衝突など、新年早々に大きなニュースが立て続けに入ってきました。会員および関係者の皆さんの無事をお祈りいたしております。世界に目を向けると、そろそろ2年になろうかとするロシアのウクライナ軍事侵攻や、中東パレスチナ自治区ガザ地区での軍事衝突など、こちらも気がかりです。一つの救いとしては、COVID-19の猛威が収まりつつあることでしょうか。
私と本学会との繋がりについて、学会のホームページも参考に、昔の資料なども掘り出してみました。私が学会という場で最初に発表を行ったのが、1989年の日本植物学会仙台大会でした。この時には第2回植物形態学会大会が、今の形式と同様に、日本植物学会前日に開催されているのですが、学会後に立ち寄った松島しか記憶にありません。1990年の第3回植物形態学会静岡大会において、P-16「真正粘菌の細胞核によるミトコンドリア融合頻度の調節」の共同発表者となったのが、最初の関わりかと思われます。静岡では、初めて食べた生しらすに感激した記憶はあるのですが、学会の記憶は残念ながら霞の向こうです。発表タイトルにあるように、当時は真正粘菌のミトコンドリア融合を主に研究しており、何度か共同発表者として名前を連ねることはあるものの、日本植物形態学会との繋がりはそれほど強くありませんでした。その後、1999年に縁あって熊本大学に赴任することになり、当学会設立準備委員会のメンバーでもあった小野莞爾先生の研究室でコケ植物の葉緑体分裂の研究を始めます。2001年の第13回東京大会には、P-18「ペプチドグリカン合成阻害剤によるヒメツリガネゴケ葉緑体の形態変化」という発表も行い、少しずつ当学会が近いものになってきました。その後、2014年に野口哲子会長の元で広報委員長を務めてからは、学会運営にも関与することとなりました。更に、コケ植物の葉緑体に細菌細胞壁であるペプチドグリカンが存在することを見出した研究により、2020年には望外にも学会賞に選出いただきました。学会への更なる貢献をと思っていた矢先に、これも学会参画当初には思いもよらなかったことですが、学会長を拝命することになり、光栄に思うと共に、重圧を感じているところです。
大会は2022年京都大会から対面でのポスターセッションが復活し、昨年度の札幌大会でもオンサイトでの実施となりました。本年度についても、日本植物学会の宇都宮大会は対面で実施したいとの話を聞いていますので、皆で集まる機会を作れるのではないかと思っています。大会は学会にとって重要な事業であり、大会長である帝京大学の朝比奈雅志先生と準備を進めていきたいと思います。前庶務幹事の林八寿子先生が大会準備委員長として、環境研の松崎令先生と共に運営に関わって頂けることになり、心強い限りです。学会では思う存分に研究の話をしたいところですが、ポスター発表の時間が植物学会の代議員会と重なっていることもあり、植物形態学会のポスター発表をじっくり見れない年が多いことは個人的には非常に残念です。
簡単ではありますが、大会関係以外の学会役員の紹介をさせて頂きます。庶務幹事は熊大で私が一緒に研究している武智克彰先生に、会計幹事は、前任の岩元明敏先生が新評議員に選出されましたので、茨城大の小林優介先生に引き受けていただきました。学会のもう一つの大事な事業である会誌の発行に関わる編集委員会、また対外的に重要な広報委員会の先生には、留任を快くお引き受けいただきました。会長選挙と同時に実施された評議員選挙で、再任の方も含め10名の先生が選ばれており、これらの方々と一緒であれば、学会運営を進められる気がしています。勿論、会員の皆様のご協力も必要です。これからの2年間、どうぞよろしくお願いいたします。
日本植物形態学会
会長 高野 博嘉
初代会長 原 襄(2期)1988年1月〜1991年12月
第2代会長 新津恒良(1期)1992年1月〜1993年12月
第3代会長 黒岩常祥(2期)1994年1月〜1997年12月
第4代会長 植田勝巳(1期)1998年1月〜1999年12月
第5代会長 大隅正子(1期)2000年1月〜2001年12月
第6代会長 河野重行(2期)2002年1月〜2005年12月
第7代会長 田中一朗(1期)2006年1月〜2007年12月
第8代会長 今市涼子(2期)2008年1月〜2011年12月
第9代会長 野口哲子(2期)2012年1月〜2015年12月
第10代会長 河野重行(1期)2016年1月〜2017年12月
第11代会長 峰雪芳宣(2期)2018年1月〜2021年12月
第12代会長 野崎久義(1期)2022年1月〜2023年12月
第13代会長 高野博嘉(現職)2024年1月〜
【総則】
第1条
本会は日本植物形態学会(The Japanese Society of Plant Morphology)という.
第2条
本会は植物形態学会の発展と普及を図り、あわせて会員相互の親睦を深めるのを目的とする.
第3条
本会は前条の目的を達成するために会誌等の出版物の刊行、講演会など、そのほか必要と思われる事業を行う.
【会員】
第4条
本会の会員は次の2種とする : 通常会員・団体会員.
第5条
通常会員とは所定の会費を納める者をいう.
第6条
団体会員とは所定の会費を納める団体をいう.ただし、団体会員は本会役員の選出・被選出にかかわる権利を持たない.また、第20条に定める会員の権利のうち、本会の刊行物の配布にかかわる権利のみを有する.
【役員】
第7条
本会には次の役員を置く :会長1名・幹事若干名・評議員若干名・編集委員長1名・編集委員若干名・広報委員長1名・広報委員若干名・会計監査1名.
第8条
役員は会員の中から選出し任期は2ヵ年とする.
第9条
会長は全会員の投票により就任の前年度中に選出される.その際評議員会は若干名の候補者を推薦することができる.会長は引き続き3期選出されることはできない.
第10条
評議員は全会員の投票によって選出される.評議員は引き続き3期選出されることはできない.なお会長および会計監査は評議員を兼任することができない.
第11条
幹事・編集委員長・広報委員長・広報委員はいずれも会長が委嘱する.会計監査は会長が評議委員会にはかり、委嘱する.編集委員は編集委員長が選び評議員会にはかり、会長がこれを委嘱する.
第12条
会長は会務の全体を統括する.編集委員長は会報の編集に関する一切の責任を負う.幹事は庶務・会計・選挙管理など日常の会務を行う.会計監査は会計を監査する.
第13条
評議委員は評議員会を構成する.評議員会は会長の諮問の範囲で本会の要務を審議する.
第14条
編集委員は編集委員会を構成する.編集委員会は編集委員長の諮問の範囲で、会誌の編集に関する要務を審議する.
第15条
広報委員長と広報委員は広報委員会を構成する.広報委員会は学会ウェブページの管理・運営、会誌のオンライン公開等に関する要務を審議・遂行する.
第16条
会長は必要に応じて特定の委員会を設けることができる.委員会の任務、委員の選出方法・任期等は評議員会が定める.
【会計・会費】
第17条
本会の会計年度は1月に始まり12月に終わる.
第18条
通常会員の会費は年3,000円、ただし、学生の場合に限り年1,000円とする。団体会員の会費は一口年10,000円とする.
【総会・講演会等】
第19条
本会は原則として毎年1回総会を開き、会務を協議し議決する.なお会長が必要と認めた場合に臨時総会を開くことができる.
第20条
本会は総会の時、研究発表および講演会などを行う.このため臨時の役員を置くことができる.臨時の役員は会長が委嘱する.
【会員の権利・義務】
第21条
会員は会合に出席して講演をし議事に参加し、会報に投稿することができる.また定期刊行の会報は無料で配布を受ける.ただし、その他の刊行物の配布方法は評議員会の議を経て決定される.
第22条
会員が退会しようとするときは、そのことを本会に通知しなければならない.もし会費の滞納がある時はその際全額を納めなければならない.ただし既に納めた会費は一切これを返さない.通常会員および団体会員が会費を滞納したときは直ちに前条の権利は停止され、1ヵ年以上滞 納したときは除名されることがある.
【会則変更】
第23条
本会の会則を変更するには総会または臨時総会でこれを協議し、出席会員の3分の2以上の同意を得なければならない.
【付則】
1.この会則は平成16年1月1日から実施する。
2.平成21年1月1日改正(第17条)
3.平成24年1月1日改正(第7、11、15条)
【申し合わせ(令和6年4月1日評議員会にて改定)】
1.役員の定数は当分下記の通りとする.
会長1、評議員10、幹事2(庶務、会計)、編集委員長1、編集委員3、広報委員長1、会計監査1.広報委員は2名とするが、幹事(庶務)と編集委員の1名がこれを兼務する.
2.会長の選挙は単記、評議員の選挙は10名連記で、全会員の郵送による無記名投票によっておこなう.
1)広報委員会は学会ウェブページの管理・運営、会誌のオンライン公開、その他の主にウェブを介した学会の広報活動に関する要務を審議・遂行することを任務とする.
2)広報委員会は、委員長1名、編集委員との兼任の委員1名、庶務幹事との兼任の委員1名から構成される.
3)広報委員長と広報委員の任期は2年とする.
4)広報委員長は会長が会員の中から選びこれを委嘱する.編集委員兼務の広報委員については編集委員長が編集委員の中から選び会長がこれを委嘱する.庶務幹事兼務の広報委員については会長が庶務幹事にこれを委嘱する.
5)広報委員長は広報委員会内の審議を統括するとともに学会ウェブページ全体にわたり管理・実務作業を行う.
6)編集委員兼務の広報委員は主に会誌のオンライン公開関連の要務を担当するとともに広報委員会の審議全般に加わる.
7)庶務幹事兼務の広報委員は学会から発信する情報を広報委員長に提供するなど学会ウェブページからの情報発信を助けるとともに広報委員会の審議全般に加わる.
この規則は2012年1月1日より実施する.(2011年9月16日総会決定)
学会事務局
〒860-8555
熊本県熊本市中央区黒髪2-39-1
熊本大学理学部内 日本植物形態学会(庶務幹事:武智克彰)
ktakechi@kumamoto-u.ac.jp
(@は半角に直してください)
日本植物形態学会ウェブサイト担当
〒464-8601
愛知県名古屋市千種区不老町
名古屋大学ITbM 日本植物形態学会(広報委員長:栗原大輔)
kuri@bio.nagoya-u.ac.jp
(@は半角に直してください)