過ぎたるは及ばざるがごとし、ワクチンと水銀

H24.11/9

ワクチンを打たないのもワクチン禍
と、言う事で、水銀だのなんだの言われて不評であった、防腐剤として、チメロサールからフェノキシエタノール(PE)を1社だけ換えて平成23年度インフルエンザワクチンを供給した。
そうしたところ、平成23年度にあったアナフラキシーショックの副作用51例のうち43例がPE含有のワクチンだった。10万例あたり0.4件のところ、PE含有製剤では、1.4件と突出していた。
防腐剤単体をつかった試験、ワクチン単体をつかった試験、チメロサール入りのワクチンを使った試験。これらの試験では、試験管内での好塩基球活性化試験では表面マーカーCD203cの増強は見られなかった。
しかし、某社のPE入りインフルエンザワクチンでは、アナフラキシーを起こした患者の末梢血を使った試験で、表面マーカーCD203cが増強し、好塩基球が活性化していた。
厚生労働省参考資料[pdf]

ポピュリズムに靡くと、曲学阿世に陥る。対策だけ考えて、どちかが不利益か、不利益具合の天秤を計算抜きに、リスクカウントするだけでは、道を誤る。


過ぎたるは及ばざるがごとし、ひじきとヒ素

H25.2/26

おおむねヒ素中毒は井戸水か鉱毒というのが主で、付随して事件性のある事案が浮いてくる。
しかし、良識を超えた摂取形態で、ヒ素を過剰摂取してしまう事例もあるらしい。

ヒ素を多く含むのは、海藻類で「平成 14~18 年度平均で 178 μg/人/日である。 食品群からの摂取割合は、魚介類から 53.6 %、野菜・海藻から 35.4 %、米から 7.1 %で、90 % 近くを魚介類と海藻等が占める。」とされている。
乾燥ひじきは海苔や昆布より一桁高い、110mg/kgの総ヒ素を含む。
 ヒ素は蒸した後乾燥し、それを水に戻してから使う。それは生産者団体も繰り返しお願いしている。 9割が戻す時に溶け出すが、6000tのヒジキを1億2千万人が食べると50g/年、水に戻して洗い流して500μg/人年だから健康被害は出ない筈である。
ひじきに含まれるヒ素の評価基礎資料調査にもあるが、ヒ素を考える上でヒジキは大人で毎日4.7g 以上を継続的に摂取しない限り PTWI (暫定耐容週間摂取量)を超えないが、年間の平均50gと多くのレシピにおける1回消費量1人前10gを考えるに、子どもで月1回程度で抑えているから健康被害などが生じないとも言える。

 戻さず粉末にして食べると、容積が少ないのでより多くのヒ素を取り込む事が出来る。
急性毒性の話をすると、和歌山のカレー事故では平均53mgだった。粉末のヒ素の生体利用率を考えると、1回で1kg摂ると、和歌山の事案と同じ量のヒ素を摂取可能となる。粉ミルクの砒素濃度を、森永ひ素ミルク中毒事件で合計76サンプル測定したところ、30㎎/㎏前後に最頻値を持つ1㎎/㎏から60㎎/㎏の分布を示していた。子どもの粉ミルクの消費が100g(3ヶ月)から150g(6ヶ月)なので、森永の被害者たちは1から60mgのヒ素を1日摂っていたことになる。離乳食で考えれば、毎日ではやはりヒジキは多い様に見受けられる。
 汚染水で炊いたコメは無機ヒ素なので吸収率が良く8割が取り込まれる、一方栽培地がヒ素汚染されているコメは有機体のヒ素で吸収率は3割と少ないが、DMAなど催奇形性の高い形態になっている。戻さずに、乾燥したままのヒジキをご飯と一緒に炊けば、無機ヒ素がコメに再度含まれて、生体利用率が高まることになる。
 此の様な非伝統的な摂り方をしても活用出来ない。加熱すると壊れる、有効成分が失われる。そういう言葉に踊らされると足を掬われる。

同じような話に、マグロや金目鯛の水銀濃度の話が有る。ワクチンの防腐剤のチメロサールの半分が水銀で出来ているが、1回分0.5ccのインフルエンザワクチンには50μgのチメロサールしか入っていない。水銀にすれば25μgだがマグロの赤身60gからトロ80gに相当する水銀量である。有機水銀の生体利用率は100%なので、注射も経口も体に取り込まれる水銀の量は多くは変わらない。
心配も摂取も、適正量、量の評価が不可欠である。


   


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