理解と実行の狭間ーマスコミとインフルエンザ

2009-01-18

  1. 12chの女子アナが39.4度の熱があり、インフルエンザと診断され、出社し、出社停止を会社から告げられ、帰宅し番組に穴をあけたことを詫びている。
  2. 入院患者と職員の17%百名余が1/3から17までの間にインフルエンザを発症し高齢認知症患者3名がお亡くなりになった病院の院長が、自身もインフルエンザに掛かりながら、記者会見に引き擦り出され、マスクを掛けながら詫びている。
さて、間違いは何処か?
罹患しているのに、出社したことであり、公衆の面前に立った事である。

前者は、新型インフルエンザ対策が、自宅待機が基本であり、通勤などで社会の中を動き回ることが感染を拡大させる事を広報する立場にある筈である。自分が接する機会があった自社の報道番組を見ていない理解していない事になる。
また会社は予め出社に及ばない事を周知徹底させる事を怠っている。出社させないことで社内に持ち込む事を防衛して良しとしてるなら、それは違い、病院から会社までの道中で感染拡大を招いたかもしれないことを見落としている。

後者は、まず発端者と思われる看護職員が出社しなくて良い様に、事前に手筈していなかった。これは責められても仕方が無い。
しかし、マスコミは取材と称して病院に押し掛け、まだ罹患状態にある院長を病院に誘引し、公衆の面前に晒したという、誤謬を行っている。
記者だけでなく、音声やカメラ・照明、さらには運転手や中継スタッフなど不特定の人間の出入りは避けなければならない、エピデミック下にある病院に、大挙して押し掛け、大勢がここからウイルスを「持ち去って」拡散させた可能性が高いと思われる。
適切な報道とは呼べない。
あるべき報道のあり方とは、管轄の保健所ないし市役所で立ち入りをした保健所スタッフと病院からのスタッフのうち罹患していない者をテレビ会見で直接の接触を避けながら行わないといけない。

報告が水曜日であり立ち入りが翌週の火曜日となっており、新型インフルエンザではないが死亡率3%罹患率17%と想定しているインフルエンザの割合に近いにも拘らず患者数:約380万人 (29%)死亡者数:約1万4千人 (人口比0.1%、患者中0.34%)、スピード感がない。のは、行政の新型インフルエンザ対策が口先だけに過ぎないと思われても仕方が無い。
結果責任を問うべきではない。
この事件が新型インフルエンザであったなら、大挙しての報道スクラムなどの拡散防止阻害や速やかな疫学調査の欠落など反省すべき点が多いことをまず汲み取るべき事例だろう。


大江麻理子の出没!日記2009年1月17日
あまりにもフラフラするので、もう一度病院に行ってみたら。。。インフルエンザでした。熱も39度4分まで上がっていてビックリ!!!今日も会社に来てみたのですが、「会社の規定でインフルエンザは出勤停止!」ということで、これからションボリ帰ることになってしまいました。
病院は7日に保健所に集団感染を報告し、13日に市、14日に都が実地調査に入った。17日夜に会見した日野院長は自身も発症しマスク姿で会見し、また、報道陣も用意されたマスクを着けて会見に臨んだ。Mainichi.jp 2009-01-18

加湿に頼らずマスクと手洗いを

2009-01-23

一部で加湿器を過大評価する報道があるが、マスクうがい手洗いのスタンダードプリコーションの徹底が先、マスクはときに鼻を隠さない不届き者がいるが、クシャミにしても呼吸にしても鼻を隠さないと意味がない。加湿器のレジオネラ症の方がよほど気がかり。マスク手洗いであり、湿度だけで解決するわけではない。カビや緑膿菌、なによりレジオネラなど、加湿器で増える感染症も多い。「病院内インフルエンザ流行が湿度のためという報道が先走りしていることについて・・・」や「加湿するとインフル予防になるの?」も参照されたい。熱帯では雨期に流行するのがインフルエンザ、狭いところに居る、外に出ないで屋内に集中するリスクの方が高い。


   

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