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練馬区立石神井公園ふるさと文化館・分室の常設展示に、日本メンデル協会初代会長・篠遠喜人氏が「研究 ♫練馬ゆかりの文化人」として紹介されています。

場  所:練馬区立石神井公園ふるさと文化館・分室 

会  期:2019年4月3日(土)~ 2020年3月29日(日)

観覧時間:9時 ~ 18時

休 室 日:月曜日(月曜日が祝休日の場合は翌平日)

TEL : 03-5372-2572 FAX : 050-3352-2983



国際メンデルデー

2015年3月8日は、チェコ共和国ブルノのメンデル博物館において、メンデル法則が発表されて150年の記念の会が催された。150年を祝うとともに、記念講演会がもたれ、メンデル資料の展示も行われた。(公財)日本メンデル協会はそれに賛同し、当会の活動もポスターとして展示していただいた。

その後、メンデル博物館エヴァ・マタロバ(Eva Matalova)教授らの提唱で、3月8日を『国際メンデルデー』としようという提案があり、当協会もそれに賛同しました。なお、当協会は、2016年度10-12月にかけて、所蔵するメンデル資料の公開と遺伝学の黎明期の紹介の企画展を長野県下諏訪町諏訪湖博物館で開催予定であることもお知らせいたします。

英語の案内はこちらのウェブサイトでご覧になれます。

公益財団法人 日本メンデル協会会長  長 田 敏 行 


27年度キトロギア奨励賞・和田賞授賞式および27年度日本メンデル協会評議委員会を開催します。

日時:2016年2月27日(土)15:00-17:00

場所:東京大学理学部2号館2階223号室


挨拶   15:00-15:05(5分)

授賞式  15:05-15:15(10分)

 

  柴田洋 15:15-15:30(15分)

      「染色体進化における反復配列の役割について」   

  内田英伸 15:30-15:45(15分)

      「藻類分子育種の対象となるテルペン生合成・二酸化炭素固定の代謝酵素遺伝子」   

  数藤由美子 15:45-16:05(20分)

      「ヒト染色体の蛍光in situハイブリダイゼーション法と生物線量評価について」

休憩    16:05-16:10(5分)

評議委員会 16:10-17:00(50分)



長田会長がイグ・ノーベル賞を受賞しました。

9月12日、2013年度のイグ・ノーベル賞が発表されました。オペラがもつ延命効果、半生のトガリネズミを丸のみした場合の消化の度合い、天の川を頼りに方角を知るフンコロガシなど、にわかには信じがたい研究成果が今年もこの賞を受賞しましたが… 今年度の化学賞は、至極真っ当で、「タマネギ涙の化学反応」を解き明かしたハウス食品ソマテックセンター研究主幹の今井真介氏らと長田会長が受賞されました。祝・日本人受賞です。タマネギ涙の化学反応を仲立ちする酵素が発見されたことで、酵素の設計図となる遺伝子の機能を抑え込み涙のでないタマネギを作出できることも証明しています。

第23回目にあたる今年度の受賞者は、ハーバード大学のサンダーズシアターを会場に、科学誌「Annals of Improbable Research」とハーバード大学の学生グループの主催による式典で発表されました。写真は授賞式の様子と長田会長の授賞証です。 

2013年度のイグ・ノーベル賞の授賞式
2013年度のイグ・ノーベル賞の授賞式
イグ・ノーベル賞の授賞証
イグ・ノーベル賞の授賞証

タマネギを切ると目にしみます。これはタマネギを切ると催涙成分が放出され目を刺激するからです。従来、原料分子(S-1-プロペニルシステインスルホキシド)から酵素反応ひとつで進むのだろうと信じられており、催涙成分(プロパンチアールS-オキシド)と風味成分(チオスルフィネート)の作られ方は分かっていませんでした。ただ、原料分子から中間体(1-プロペニルスルフェン酸)への変換を触媒する酵素は分かっていて、アリイナーゼという名前がついています。中間体ができれば催涙成分へは勝手に反応が進むだろうと思われていました。

ハウス食品の今井氏と長田会長らの研究グループは、精製したアリイナーゼと原料分子を混ぜても催涙成分を作ることができずむしろタマネギの風味成分ばかりができてしまうことから、タマネギ抽出物を分画して中間体を催涙成分に変える酵素を新たに見つけ出しました。定説を覆す発見です。中間体分子へ速やかに酵素が作用すると催涙成分になり、酵素が作用せず時間が経つと自発的に風味成分に変わるという仕組みでした。新しく見つかった酵素には、催涙因子合成酵素(lachrymatory-factor synthase; LFS)と名前がつけられました1)。この発見が評価されて、イグ・ノーベル賞が授与されました。

今井氏らはさらに研究を続け、実際に、RNA干渉を使ってノックダウンタマネギを作出しました2)。催涙成分がぐんと減るようです。泣かないタマネギの完成です。ただ、この泣かないタマネギは、遺伝子組換植物なので、日本の法律だと実験室でしか育てられず、さらに実験室は飲食禁止なので、論理的に考えると誰も食べたことがないはずですが… いったいどんな味がするのでしょう?

  1. Imai1, S., Tsuge, N., Tomotake, M., Nagatome, Y., Sawada, H., Nagata, T. & Kumagai, H. (2002) Plant biochemistry: An onion enzyme that makes the eyes water. Nature 419, 685. 
    http://www.nature.com/nature/journal/v419/n6908/full/419685a.html
  2. Eady, C.C., Kamoi, T., Kato, M., Porter, N.G., Davis, S., Shaw, S., Kamoi, A., & Imai, S. (2008) Silencing onion lachrymatory factor synthase causes a significant change in the sulfur secondary metabolite profilel. Plant Physiol. 147, 2096-2106. 
    http://www.plantphysiol.org/content/147/4/2096