研究内容

フラボノイドの作用機序解析

近年、生活環境の変化などによりアレルギー患者の増加が大きな社会問題となっている。このような状況の中で、アレルギー症状の発現予防や緩和の効果が期待できるとしてさまざまなサプリメントが開発されており、特に天然素材を用いたサプリメントは生体に安全であるとして多くのものが商品化されている。

フラボノイドは野菜や果物に含まれ、抗炎症作用、抗アレルギー作用、抗酸化作用などの生理作用を有し、疾病予防効果が期待されている機能性成分であるが、フラボノイドの詳細な生理活性発現機序について明らかにされていない。これまでに当研究室ではフラボノイドの一種であるケルセチン、ミリセチン、ケンフェロールは肥満細胞において転写因子nuclear factor-erythroid 2 related factor 2 (Nrf2)を介してheme oxygenase (HO)-1の発現および活性を増強させることにより抗アレルギー作用を示すことを明らかにした。さらに線維芽細胞においてケルセチンがHO-1を誘導し、サイトカイン誘導性の膠原線維増生を抑制することも明らかにした。

当研究室ではフラボノイドの活性発現の詳細な分子機構の解明を目指して研究を行っている。