教授から一言

教授から一言

教授:川部 勤

平成21年4月に検査技術科学専攻 病因・病態検査学講座(免疫学研究室)の教授に就任しました川部です。免疫検査学の教育ならびに基礎および臨床免疫の諸問題に対する研究をはじめました。同時に呼吸器内科分野で研鑽した経験をもとにした研究もはじめました。新たな研究室が今までにもまして活動的で自由に発想できる場であるようにと思っております。これまで進むべき道に迷い行く末を案じる度に諸先生方のご指導、ご助力、ご鞭撻で今日に至っております。この度研究室を主宰するにあたり改めてお世話になった先生方に深く感謝いたします。研究室運営の基本方針は、臨床の現場でも必要とされる思考力・行動力を培うことができる研究、しっかりとした教育・研究の基盤の構築、そしてその中で優秀な若い人材を集め育成していくことです。これまで数々の逸材を輩出してきた名古屋大学の伝統をしっかりと大切に受け継いでいかなければならないと強く感じております。

この研究室では免疫・アレルギー性疾患の診断・臨床経過を説明できる基礎医学的な病態の解明や臨床でのニーズに応える基礎的研究とトランスレーショナル・リサーチの模索、さらには医工・産学連携を基軸に新規の検査法、検査機器の開発を主眼に置いた臨床検査医学的研究の推進を目標に研究を進めます。研究室の活動に参加を希望する学生諸君! 院生学部生を問わず大歓迎です。いち早くその研究手段に細胞工学・遺伝子操作法を取入れ驚異的な進歩を遂げた免疫学をもとにして、ともに新しい科学の道を拓きましょう。

名古屋大学医学部保健学科
検査技術科学専攻 病因・病態検査学講座
教授 川部 勤
(2011年3月ホームページ立ち上げ時)

略歴

昭和55年愛知県立千種高校卒業、昭和62年に名古屋大学医学部医学科を卒業し、社会保険中京病院で内科医(呼吸器)としての第一歩を踏み出す。 気管支喘息をはじめとする多くの免疫・アレルギー疾患患者を担当するうちに免疫・アレルギー疾患の発症機序について興味を抱き、名古屋大学大学院医学研究科 内科学第一専攻に入学。大学院では第一内科および免疫学教室で研究し、この時期に免疫学をもとに呼吸器疾患を中心として免疫・アレルギーを研究するスタイルを形作る。大学院では肺胞マクロファージによるリンパ球増殖抑制機序がnitric oxide(NO)によることを発見し、学位論文として発表。残りの大学院時代は大阪大学でB細胞分化抗原であるCD40分子の機能をノックアウトマウスを作成し解明する。その後、米国スローンケタリング研究所ならびに米国ロックフェラー大学に留学し抗体の受容体について研究する。平成9年に帰国し内科・呼吸器・アレルギーの専門医として十分な臨床経験を積んだ後、平成16年4月に名古屋大学医学部保健学科に移る。臨床検査医学的な研究にも新たに着手し、ペプチドを用いたアレルギー検査法、検査機器の開発として2つの共同研究も進めている。