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Akio Horiguchi MD
Dept of Urology, NDMC

治療まで

初診から治療までのながれを簡単に説明いたします。
  1. 初診時には身体検査、問診、(自力排尿が出来る方は)尿流測定検査を行います。2回目の診察予定と手術日を相談して決めます。手術の日程は来院された順番で予約します。手術待ちの患者さんがたくさんいらっしゃるので、平均して手術まで約半年ほどお待ちいただいております。より早い時期に手術をご希望される場合には、連携施設である独立行政法人西埼玉中央病院で手術を行うことも可能です。
  2. 尿道カテーテルが挿入されている場合は、手術まで尿道を安静に保つ必要があるため、尿道カテーテルを抜いて膀胱ろうカテーテルを作成します。遠方から来院される方は地元の病院に膀胱瘻の作成と交換をお願いするようにしています。
  3. 2回目の診察時は、一般的な採血採尿、心電図検査、尿道造影、内視鏡検査、必要に応じてMRI検査を行います。検査結果をみて手術方法を決定します。手術についての説明を行い、手術同意書をお渡しします。
  4. 入院の1~2週間前から尿を無菌にするための抗生物質を投与します。遠方から来院される方は地元の病院に抗生物質の処方をお願いしています。尿の無菌化は手術を成功させるために非常に重要です。
  5. 入院は手術の数日前になります。遠方から来院される方や尿の無菌化が不十分な場合には、もう少し早めに入院していただきます。
  6. 手術前日に麻酔科の先生の診察があります。麻酔方法に関する説明を受けます。
  7. 傷口の感染を防ぐため、手術当日朝にシャワー浴をしていただきます。尿の無菌化と同様に、傷口の感染予防は手術を成功させるために極めて重要です。普段よりも入念に時間をかけて、陰嚢〜会陰部〜肛門周囲を洗うようにしてください。
  8. 陰部の剃毛は手術室でおこないます。
  9. 球部尿道、後部尿道の手術では肛門の上から陰のうまでの縦切開をします。後部尿道の手術では狭窄の程度により、下腹部の切開を追加することがあります。振子部尿道の手術では陰茎と陰のうの間を切開します。手術時間は怪我や瘢痕の程度で変わりますが、尿道端々吻合で2-3時間、口腔粘膜を利用する場合で3-4時間前後です。
  10. 手術後は尿道にカテーテルを入れておきます。これは尿を排出する目的ではなく、吻合部や形成した部分を安静にして、良い形に仕上げるためです。例えるならば、骨折したときに使うギブスやシーネのような役割ですので、抜けないように大事に扱っていただきます。
  11. 手術後の出血予防、粘膜移植した場合には粘膜の生着を促すため、手術後2日目までベッド上安静になります。
  12. 口腔粘膜を採取した場合には、粘膜保護剤と痛み止めの入ったうがい薬で毎日うがいをします。
  13. 手術後の止血目的と、粘膜移植した場合には粘膜の固定のため、創の上を厚いガーゼで覆い、テープでしっかり固定します。固定は原則として手術後3日目に外します。
  14. 創は埋没縫合で閉じますので、抜糸は不要です。尿道カテーテルをつけたままになりますが、手術後7日目前後には一時退院することも可能です。なお、抗生物質の内服は尿道カテーテルが抜けるまで続けていただきます。
  15. 尿道カテーテルは術後2-3週間目に尿道造影で確認したあとに抜きます。逆行性尿道造影で再建部位の確認をして問題がなければ、膀胱ろうをキャップで閉じ、排尿を始めていただきます。
  16. 排尿を始めて2-3日問題がなければ、膀胱ろうを抜き、退院となります。
  17. 手術後の再狭窄が起こるのは最初の1年目が最も多いので、手術後1年間は3-4か月おきに診察をします。その後は状態に応じて1年おきの診察になります。

バナースペース

防衛医科大学校 泌尿器科

〒359-8513
埼玉県所沢市並木3-2

TEL 04-2995-1511

尿道狭窄症の本を
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