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第57回日本小児感染症学会総会・学術集会

会長挨拶

第57回日本小児感染症学会総会・学術集会
会長 松原 知代(獨協医科大学埼玉医療センター 小児科)

 皆様、こんにちは。
 このたび、歴史ある日本小児感染症学会の第57回総会・学術集会の会長を務めさせていただくことになり大変光栄に存じます。
 昭和44年(1969年)に第1回日本小児感染免疫学研究会が、昭和45年(1970年)に日本小児ウイルス病研究会が開催され、昭和62年(1987年)に2つの研究会が合併して日本小児感染症学会となり第19回学術集会が大阪で開催されました。以後、開催地の最多は東京で6回、札幌と福岡で3回ずつ開催されていますが、それ以外は旭川から長崎まで全国多岐にわたっております。埼玉と千葉県では開催されておりませんでした。私が勤務している獨協医科大学埼玉医療センターは埼玉にありますが千葉のすぐ西側に位置しております。今回の学術集会は千葉県浦安市の東京ディズニーリゾート・オフィシャルホテルであるグランドニッコー東京ベイ舞浜で開催することとしました。また、長い歴史の中で、女性の会長は昭和60年に開催された第17回日本小児感染免疫学研究会の上原すゞ子先生(千葉大学)だけで、日本小児感染症学会になってからは初です。本学会の会長にご推薦してくださった諸先生方に厚く御礼申し上げます。
 テーマは「こどもたちの明るい未来のためにー遺伝子・感染・免疫を理解して症例から学ぶ」としました。子ども達が被害にあう事故・事件、登校拒否やいじめの報道が毎日のようにあり、世界各地でも紛争で多くの子ども達が被害にあっています。「こどもたちの明るい未来」のために「子どもの総合医」である小児科医としてできることをいつも考えています。感染症はすべての子ども達にとってもっともポピュラーな疾患です。ウイルスや細菌などの病原体はヒトに感染することにより病気をおこしますが、病原体の感染だけが問題ではなく、感染によって引きこされるヒトの免疫反応が関与します。同じ病原体でも個体により反応は大きく異なり、重篤な病態になるヒトも軽症ですむヒトもいます。それには遺伝子、遺伝子多型が関与することがわかってきました。例えば、新型コロナウイルス感染では軽症ですむ場合と、全身性炎症反応がおこってMIS-Cが発症する場合があります。川崎病は、流行があるなどの疫学データから何らかの病原体の感染を契機にして、ある遺伝子多型をもったヒトでおこる過剰な炎症性サイトカイン産生によって引き起こされる血管炎が主要な病態と考えられています。遺伝子、感染、免疫を理解することにより、疾患の病態が把握でき治療につながります。症例との出会いは一期一会です。独学で経験できる症例には限りがありますが、学術集会は多くの症例経験を共有できる最適な場と考えます。ウェブでの学会は、忙しい日常診療の中では便利でしたが、対面でディスカッションをしてこそ得られるものも多いと思われます。オンデマンド配信も予定していますので、聞きたい講演が重なっても後日視聴できるし、興味のある講演では反復視聴ができるのもオンデマンド配信の利点です。
 学術集会後にはディズニーランド、ディズニーシー、イクスピアリなどのエンターテイメントも楽しめますので、若手の先生方やご家族連れでおいでになるのも歓迎します。
 多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。

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