会長挨拶

GREETING

  • 第30回日本糖尿病教育・看護学会学術集会
    会長 柴山 大賀

この度、第30回日本糖尿病教育・看護学会学術集会を開催させていただくにあたり、ご挨拶申し上げます。

本学術集会は、「多様性に配慮した糖尿病療養支援」をテーマに掲げ、糖尿病教育・看護の新たな地平を切り開くべく企画いたしました。世界がボーダーレスになりつつある現在、わが国は少子高齢化が進む先に待ち受ける人口減少を見据えながら、社会のグローバル化にも対応しなくてはなりません。特に、多様な文化や特性への配慮は、国外だけではなく国内でも求められる機会が増えています。糖尿病医療の現場においても患者さんの背景や価値観の多様化が進む中、個々のニーズに寄り添った療養支援の重要性がますます高まっています。

今回の学術集会では、静岡県立大学の竹熊カツマタ麻子先生による「多様性のマネジメント」と題した基調講演をはじめとして、多彩なプログラムをご用意しております。まずはこの基調講演を通じて、多様性を尊重し、個々の患者さんに最適な支援を提供するための新たな視点や方法論について、深い洞察が得られることを確信しております。

教育講演では、中村友香先生による糖尿病の異文化理解に関する文化人類学の立場からのご講演、数間恵子先生による最新の外来看護と診療報酬に関するご講演など、時宜を得たテーマを取り上げます。これらの講演は、私たちの臨床実践や研究活動に直接役立つ知識と示唆に富んだ内容となるに違いありません。

シンポジウムでは、「医科歯科連携」や「糖尿病とがん」など、多職種連携と複合疾患管理に焦点を当てた議論を展開します。これらのテーマは、糖尿病療養支援の質を高める上で極めて重要であり、活発な意見交換が期待されます。

また、多様性への理解を深めるため、ミニレクチャーでは障害理解やLGBTQへの理解についても取り上げます。これらのセッションは、私たちの視野を広げ、より包括的な療養支援の実現に寄与するものと確信しております。

さらに、実践的なスキルアップの機会として、フットケアのワークショップも開催いたします。このセッションは、日々の臨床で即座に活用できる技術の習得に役立つことでしょう。

上記のプログラムに加え、最新の研究成果や実践報告を共有する一般演題発表、参加者同士の交流を深める交流集会など、皆様の興味関心に応じて選択できる多様なセッションをご用意しております。

本学術集会が30回目の節目を迎えられましたのも、ひとえに会員の皆様方のご支援とご協力の賜物と深く感謝申し上げます。この記念すべき集会を、臨床と研究の懸け橋となる魅力的な場にすべく、企画委員一同、全力を尽くして準備を進めております。

皆様方におかれましては、日々の臨床や研究でお忙しいことと存じますが、本学術集会に奮ってご参加いただき、活発な議論と交流を通じて、糖尿病教育・看護の更なる発展に寄与されることを心よりお願い申し上げます。