新着論文紹介
Horizontal transmission of HTLV-1 causing uveitis
HTLV-1の水平感染はぶどう膜炎を引き起こす
ジャーナル:Lancet Infectious Diseases
著者:Kamoi K, Horiguchi N, Kurozumi-Karube H, et al.
責任著者:鴨居功樹(東京科学大学 眼科)
https://www.thelancet.com/journals/laninf/article/PIIS1473-3099(21)00063-3/fulltext
要約・インパクト
HTLV-1は日本に約100万人の感染者がおり、先進国で最も感染者が多い国とされています。特に東京などの都市部においては、水平感染が一因とみられる感染者増加が指摘されています。これまでHTLV-1関連疾患は主に母子感染(垂直感染)によって発症すると考えられてきましたが、眼科学の視点からの本研究により、HTLV-1関連疾患であるHTLV-1ぶどう膜炎は、水平感染によっても生じることを発見しました。また、水平感染によるHTLV-1ぶどう膜炎は、強い炎症や再発・遷延を起こし、視力障害や生活の質の低下をもたらす可能性が示唆されました。これらの成果は、HTLV-1が疾患を引き起こす上で、水平感染が重要な経路であることを示し、都市部での感染増加を踏まえ、HTLV-1感染症に対する認識と啓発の必要性を指摘しました。
プレスリリース
https://www.tmd.ac.jp/topics_detail/id=54499
https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/research/papers/page_00017.html