「世界HTLVデー」制定の経緯について

当学会においては、患者・キャリア団体および厚生労働省と「HTLV-1の日」を制定することを検討して参りました。学会理事会において議論した結果、11月1日か11月10日を「HTLV-1の日」とする案が了承されました。その後、6月に学会員へのパブリックコメントの募集を行い、原案が承認されました。

一方、国際的な動きを見ますと、オーストラリア原住民におけるHTLV-1の50%にも上る高い感染率と新たな関連疾患(肺の慢性炎症)の存在が明らかになり、オーストラリア政府はAnti-HTLV-1 Task Forceを組織し、年間800万豪ドルの予算をつけて、対策に乗り出しました。
欧米のウイルス学研究者も認識を改めて、Global Virus Network (GVN)という組織を中心に様々な活動を行い始めました。「WHOへの公開書簡」を発表し、HTLV-1が不当に軽視されている実情を訴え、全世界的な対策の必要性をアピールしております。

そこで、私は国際レトロウイルス学会(IRVA)の理事長として、IRVAの国際理事会においても「世界エイズデー」(12月1日)のように、「HTLV-1の日」を制定する提案をして検討していただきました。その結果、世界的にはHTLVの1型と2型のキャリアがいるため、「-1」を外し「HTLV Day」とする事、さらに、11月1日はキリスト教圏では「万聖節」にあたるため11月10日を「World HTLV Day」とする事、さらに、「世界エイズデー」のように、国連WHOの認定する「International Day」への登録を目指す事が了承されました。
この決定は、IRVAのHPで公開されております(https://htlv.net/, New Update)。

当学会では、本年9月1日の社員総会におきまして、これらの経緯の報告とともに、11月10日を「世界HTLVデー」とすることの承認をいただきました。

以上、「世界HTLVデー」制定の経緯につきましてご報告申し上げます。

2018年9月吉日

一般社団法人 日本HTLV-1学会
理事長 渡邉俊樹

「世界HTLVデー(11月10日)」制定記念講演会
(Human T-cell Leukemia Virus ヒトT細胞白血病ウイルス)

日時:2018年11月10日(土)午前10時〜12時
場所:東京大学医科学研究所講堂
主催:一般社団法人 日本HTLV-1学会
共催:NPO法人スマイルリボン
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