- ホーム
- CDGの病型
- N型・ムチン型
先天性グリコシル化異常症
(Congenital Disorder of Glycosylation,
CDG)の病型
N型・ムチン型糖鎖異常症
本疾患は先天性グリコシル化異常症として小児慢性特定疾病に認定されており、申請により医療助成がうけられます。
N型糖鎖異常症
N結合型糖鎖は、タンパク質の特定のアスパラギンのアミノ基(-NH3)に結合する糖鎖で、細胞間の情報伝達やタンパク質の安定性・機能に重要な役割を果たします。代表的な疾患にPMM2-CDG(最も一般的なCDG)が含まれ、神経症状や成長障害などが見られます。
ムチン型糖鎖異常症
ムチン型糖鎖は、セリンやスレオニンの水酸基(-OH)に結合するO結合型糖鎖で、粘液や細胞表面のタンパク質に多く含まれ、粘膜の保護や細胞間相互作用に関与します。
症状
精神運動発達遅滞、 てんかん、筋緊張低下などの神経症状に加えて特異顔貌、眼科異常や臀部脂肪沈着・乳頭陥没など皮膚症状、肝機能異常や凝固異常、免疫異常など多彩な症状を伴うことがあります。 器官形成段階の糖鎖異常は、中枢神経の構造異常や先天性心疾患などを生じ、免疫不全や骨系統疾患の様相を呈する場合もあります。
診断
関連の遺伝子は130種類程度知られており、遺伝子解析で変異遺伝子が見つかることがあります。病的な変異かどうかの診断は、血清中の代表的な糖タンパクであるトランスフェリンやApoCⅢを用いて質量分析法で糖鎖欠損や構造異常を証明します。スクリーニングとして血清を用いてこれらの検査を行い、異常値が出れば遺伝子解析をして原因遺伝子を同定し、診断を確定する場合もあります。
原因遺伝子
各病型の詳細(医療従事者向け)
治療
治療は全身管理や療育訓練などの対症療法が中心となります。一部の病型は糖補充療法が有効です。PMI-CDGはマンノース補充療法が、SLC35C1-CDGはフコース補充療法が有効です。SLC35A2-CDG、PGM1-CDG 、SLC39A8-CDG、TMEM165-CDG ではガラクトース補充の有効例があります。このうちSLC39A8-CDG はマンガンが補因子として有効です。