アビガン:イレッサを超える国際薬害スキャンダル
COVID-19の最大の功績の一つは,メディアが簡単に製薬企業の広告塔と化してしまうことを明らかにした点にある.本稿で示すように大手メディアは全て,番組・記事と称するアビガンのステルスマーケティングで溢れかえっている.イレッサの悪夢を彷彿とさせるが,実は,アビガンはイレッサと違って,そもそも薬を名乗る資格がない.イレッサの場合には治験によってその有効性が証明されている.ところがアビガンは,有効性が科学的に証明されていないのに重い副作用だけがある(薬ではない)錠剤だ.そんなものを患者に投与するのは患者の人権侵害,ヘルシンキ宣言違反以外の何物でもない.さらにアビガンの正体は既にニューヨーク・タイムズの記事となり,世界中の人々が知るところとなっている.ところが外務省はそんな代物を80ヶ国に輸出するという.外務省のくせして外交の「が」の字も知らない役人どもの愚挙である。その80ヶ国全てで日本と同様の安全管理ができると外務省が本気で信じているか否かは関係ない.できるわけがないのだから,80ヶ国の患者全てが原告となる極東国際薬害裁判の被告席は,最初に日本のグリュネンタール,二番目が外務省で確定したことになる。しかし,まだまだ空席はあるので心配するには及ばない.なお,誰を訴えるかは原告の勝手だから,被告は法人,国には限らない.たとえば「観察研究」とやらに関わっている個人も被告となることは十分にありうる.
残りの被告席に座るのは富士フイルム富山化学の広告代理店と化したジャーナリスト・メディアである
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陸軍省の記者クラブの連中が,和,戦何れかの情報取りに大臣官邸に来て,大臣に面会を求めた.今迄よく知っている連中である.私をとりまいて一人が言った.「どうですか,対米交渉は.国民の間にはもう東条内閣の弱腰に非難の声が起こり出した」云々と.(西浦 進 日本陸軍終焉の真実 日本経済新聞出版社)
開戦前後に首相秘書官を務めた西浦の著書には,対米開戦をためらっていた東条英機首相を「弱腰」と盛んに非難する国民の皆様の声が,歴史的事実として淡々と記されている.A級戦犯達が国民を騙して戦争を始めたというのは,北陵クリニック事件なんぞ足下にも及ばないような壮大な虚構である.その虚構を創ったのは極東国際軍事裁判の検察官達ではない.ましてやルーズベルト(そもそも亡くなっていたし)でもなければマッカーサーでもない.八紘一宇を信じて鬼畜米英を叫んだ国民の皆様とその声を伝えた報道記者の記銘力障害に他ならない。
記銘力障害は決して病的なものではない。むしろ精神衛生の観点から言えば、健康管理に必須のツールである。自らの恥を全て覚えていれば、ストレスに押しつぶされてたちまちのうちに命を失う。今も昔も忘却とは「ジャーナリスト」とやらが生きる知恵である。
開戦前、国民は日本が朝鮮半島や満州に進出するのは当然の権利だと思っていた。メディア、といっても当時は主に新聞ですが、部数を上げたいから読者が喜びそうな記事を書く。世論が「軍は何をしてるんだ」と尻を叩いて戦争に突入していったという側面もある。ならば国民やメディアにも責任はあるだろうと。
そんな戦争責任を負った者のなかで、いちばん悪質だと思う者をあえて挙げるとすれば、それは新聞ジャーナリズムです。小林(注:英雄)の言う「利巧な奴」ですね。敗戦まであれだけ戦意を煽っておいて、敗戦と同時に凄まじい東條バッシング。あれはそうしなければ「お前たちこそ日本を戦争に誘導していったじゃないか」と自分に火の粉が降りかかってきたからでしょう。ナチスに協力したドイツの新聞はすべて廃刊されていることと比較すると愕然とします。(亀井宏 旧日本軍の将兵たちはあの戦争をどう振り返ったか)
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各メディアの戦犯度
NHK:破廉恥度最悪 実質的なアビガンの広告番組放送の罪でA級戦犯確定
アビガン 新型コロナ治療薬承認へ 手続き大幅短縮で審査方針(2020/5/4)
新(あたら)しいコロナウイルスに「アビガン」を使つかう試験(しけん)が始はじまる(2020/4/1)
この他にもNHKには,アビガンよいしょ番組・記事(実質的な広告)がてんこ盛りである.(2020/5/11現在,「アビガン nhkニュース 効果」でGoogle検索すると,約 3,250,000 件。それに対し,「アビガン 日本経済新聞 効果」で検索しても,約 1,480,000 件でNHKの半分にもならない)
この過熱報道ぶりは,「イレッサを彷彿させる」と書きたいところ
だが,我々はその証拠を見ることができない.わずかに残っているのは,イレッサ「薬害」を他人事のようにしらばっくれた番組の解説だけである.(クローズアップ現代 No.1690 2003年1月20日(月) 新抗ガン剤・副作用死の波紋 出演者山内 昌彦(NHK社会部記者))
NHKは下記のように豊富なアーカイブズを持っている.持っていながら「イレッサよいしょ」の番組を隠蔽したまま,「サリドマイド」のサの字も出さず,「アビガンよいしょ」を繰り返す確信犯であり,A級戦犯として,東京裁判2021の法廷に召喚されることになる.
●薬禍の歳月〜サリドマイド事件・50年〜(2015年2月21日放送)
●急増!サリドマイド個人輸入 〜問われる管理体制〜(クローズアップ現代 No.1689 2003年1月16日)
●復活する悪魔の薬〜追跡サリドマイド〜(クローズアップ現代 No.606 1996年7月15日)
●NHK特集 旅立とう、いま〜こずえさん20歳の青春〜(1981年)
●11年経て和解 サリドマイド訴訟(1974年)
日本経済新聞:破廉恥度最悪 A級戦犯確定←アビガン承認に時間 日本、柔軟性欠ける審査(2020/5/2)「何をやっている!遅い!」と厚労省を悪者に仕立て上げるところに明白な犯意が認められ,イレッサ「薬害」と全く同じ手口.この記事1本でA級戦犯確定.
共同通信社:破廉恥度最悪←日本、「アビガン外交」を本格化 医療資材支援の中国にらみ 共同通信社 2020/05/12 17:50 東洋経済にアビガンの正体を暴露する記事が載ってから3日も経ってからの記事である.これが全国各地に配信された.アビガン推奨の確信犯.この記事1本でA級戦犯確定.
政府は、新型コロナウイルス感染症に効果が期待される新型インフルエンザ薬「アビガン」の各国への無償提供を本格化させている。日本が開発した薬の供与を
通じ、収束に向けた国際社会への貢献を狙う。医療資材を支援する「マスク外交」を展開する中国をにらみ、日本は「アビガン外交」で存在感を発揮したい考え
だ。茂木敏充外相は12日の参院外交防衛委員会で「海外の多くの国から関心が寄せられ、80カ国程度の国から依頼を受けている」と明らかにした。8日には
第1号となるエストニアに供与した。外務省幹部は「世界が待ち望んでいる。日本は貢献できる立場だ」と強調した。
ニッポン放送:破廉恥度最悪:日本政府が各国へアビガンを無償提供〜ポストコロナにおける有効な外交(2020/5/13)能天気てんこ盛りトーク.この記事1本でA級戦犯確定.
飯田)新型コロナにも治療効果が期待されているアビガンを用いて、外交にも活かすということですが。
高橋)中国がマスク外交をやっているでしょう。マスクよりはるかにいいでしょうね。
飯田)国際的にも期待されているわけです。
高橋)ポストコロナにおける外交のやり方でしょうね。この感染症は強力ですから、治療薬かワクチンがなければ封鎖するしかありません。それでは経済が回りませんので、早く治療薬、ワクチンが欲しい状況です。それを世界でいちばん早く提供できた国が覇権を握るだろうとも言われています。そういう意味では、各国必死です。日本もそれに乗り遅れないようにということでしょう。
読売新聞:破廉恥度高←【独自】アビガン早期承認求める…日本医師会の会長「早く政治で決めていただく必要」(2020/4/24) こんなゴミをわざわざ【独自】と銘打って読者会員限定にしているのは,読者をバカだと思っている何よりの証拠.良い子はこんな記事を読みません.題名を見ただけでバカが読む記事だとすぐにわかるから.この記事を破廉恥度最悪としなかったのは,タイトルを読んだだけで,日本医師会の会長が「日本では政治家が医薬品の承認審査を行う」と信じていることがわかる点を勘案したからである.
朝日新聞:破廉恥度高←コロナに効く既存薬、見いだせるか アビガン研究の今(野中良祐、三上元 2020年4月7日 10時28分)”「安倍憎し」は偽装だった.読者を騙し続けてきた朝日新聞に天誅を”という声がどこからも聞こえて来ないのは,既に朝日の応援団だけでなく,反朝日派さえも,やる気が失せて解散した証拠.
”アビガンについては、安倍晋三首相が3月28日の記者会見で「これまで数十例投与が行われ、症状の改善に効果が出ているとの報告もある。今後希望する国々と協力しながら臨床研究を拡大する」と発言。藤田医科大などが患者を対象にした臨床研究を進めている。”←みっーーけ!!「観察研究じゃない!!臨床研究だ!!」との首相のお墨付き!!「この紋所が目に入らんかぁ」 さすが朝日さん,芸が細かい!!これで破廉恥度最悪を免れた.意味がわからない人は→しかし安倍首相はこの研究を臨床研究と認めている。こうして保険を掛けていた朝日の仮面ライダー顔負けの変わり身の早さに脱帽。
毎日新聞:破廉恥度高←首相、治療薬アビガン「5月中承認目指す」、レムデシビル「4日に特例承認申請」(2020/5/4) 薬害オンブズパースン会議が意見書を出した3日も後になってこのザマだ。「恥を知れ!毎日!」言っても、もともと恥の何たるかを知らなきゃ無理だよね。
産経新聞:破廉恥度高←治験や増産進む「アビガン」 早期投与で効果期待(2020/4/19)2ページ目の末尾に一応中立的な意見のようなものを載せて体裁を取り繕ってはいるのだがそんなもん,誰も読みゃしない.読んだとしても頭の中には決して残らない.タイトル通り,立派なアビガンの広告.だけど広告料は取らないという気前の良さ.そんなことだから経営が傾くのだ.
東京新聞:破廉恥度高←「命救う薬に」コロナへの効果期待 アビガン開発者に聞く(2020/4/13)”「安倍憎し」は偽装だった.読者を騙し続けてきた東京新聞に天誅を”という声がどこからも聞こえて来なくても誰も不思議に思わないのが,この新聞らしいところ.広告塔の張本人のインタビュー記事をそのまま載せたのに広告料をもらわないという,そんな気前の良さ&メディア自身リテラシーの決定的欠如,並びに自分たちがイレッサ「薬害」を招いたことから何も学んでいない点で,破廉恥度高.
”新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言を発令した七日、安倍晋三首相は治療候補薬として、インフルエンザ治療薬「アビガン」を増産する方針を表明した。開発に携わった富山大名誉教授の白木公康さん(67)は「命を救う薬として貢献できればうれしい」と語る。 (森耕一)”
その他のB級,C級戦犯達はコメントに値しない.推して知るべし.興味のある方は→「日本不参加 新型コロナウイルスワクチン開発 12カ国 電話会談 日本 アビガン 安倍首相 富士フイルム 新型コロナウイルス 20200420」(2020/5/12追記)
承認されたってへいちゃらさ.だってアビガンを勧めるような破廉恥なお医者様はお断りすればいいだけなんだから
自分の命は自分で守ろう!!
→安倍首相が推しまくるアビガン「不都合な真実」
→日医会長の不都合な真実
→トップセールスの罠:原発村とアビガン村
→敵前逃亡レースが始まった
→臨床研究無法地帯
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