球状赤血球 (spherocyte)
中央淡明がはっきりせず厚みが増します。直径が減少し小円形状に見えます。
赤血球の体積に対する赤血球の表面積が減少している場合に出現します(表面積/体積比の減少)。
有口赤血球 (stomatocyte)
中央淡明が長方形になり、わずかに開いた唇から白い歯がみえるような赤血球です。
赤血球内のNaが増加し、Kが減少している場合に出現します。
楕円赤血球 (elliptocyte)
卵円形や棒状を呈しています。中央淡明も楕円状になっています。長軸の方向はランダムで、方向が同じ向きを呈している場合はアーティファクトである可能性が高いと考えられます。
赤血球の膜蛋白分子の欠損や結合異常のため、形態の保持ができなくなり楕円状になります。
標的赤血球 (codocyte)
弓の的のように見える赤血球です。target cellとも呼ばれます。
赤血球の体積に対する赤血球の表面積が増加している場合に出現します(表面積/体積比の上昇)。赤血球の膜が増加している場合、もしくはヘモグロビンの合成障害によって体積が減少し、相対的に赤血球膜が過剰となった場合に認められます。
鎌状赤血球(drepanocyte)
三日月のように見える赤血球です。
異常ヘモグロビンが繊維状に重合した場合に認められます。
ウニ状赤血球 (echinocyte)
突起の分布および長さや太さが規則的で先端が尖っている赤血球です。
ATPの減少によるCaの増加およびKの減少によって細胞内の脱水状態によって起こります。
有棘赤血球 (acanthocyte)
突起の分布および長さや太さが不揃いで先端は丸みがある赤血球です。
血漿の脂質異常による膜のリン脂質構成異常によって起こります。
破砕赤血球 (schizocyte)
引き裂かれた赤血球です。一般に小さく、引き裂かれた部位は鋭角な突起状になっています。
赤血球が血管内で物理的な外力によって断裂されるため生成します。
涙滴赤血球 (dacryocyte)
一部がしっぽのように伸びて、涙の滴の様な赤血球です。teardrop cell(tear drop cell)とも呼ばれます。
脾臓での脱核時に生じた塑性変形の名残と考えられています。
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