研究成果
亜急性硬化性全脳炎診断における麻疹抗体価検査法の比較検討
山口大学大学院医学系研究科小児科学分野:市山高志
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SSPE疑い患者で髄液麻疹抗体価をhemagglutinin inhibition (HI)、enzyme immunoassay (EIA)、neutralization test (NT)で行った(表1)。
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3検査法の値は比較的相関した。1例でHI、NT陰性かつEIA弱陽性の患者がいた(Δ)。本患者は7年後まで無症状からSSPEとは考えにくい。
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国際的に汎用されているのはEIAとNT(表2)。
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EIAは高感度で、検査手技が簡便。本邦の検査会社はEIAをOD値で報告。国際的にはIU/mLへの換算が必要。
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NTの感度はEIAに劣るが、疑陽性のリスクは低い。検査手技が煩雑。
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以上からEIA とNTが推奨されるが、さらなる検討が必要である。