プリオン病及び遅発性ウイルス感染症に関する調査研究班
研究代表者(班長)のごあいさつ
国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 病院
臨床検査部 部長
高尾昌樹
「プリオン病及び遅発性ウイルス感染症に関する調査研究」班のホームページをご来訪いただきありがとうございます。
本研究班は、厚生労働省の指定難病に指定されている、①プリオン病、②亜急性硬化性全脳炎(SSPE)、③進行性多巣性白質脳症(PML)に関して、新知見による早期診断等の指針改定、重症度・バイオマーカー・治療実態・感染予防・自然歴の検討、サーベイランスによるデータベース構築、診療ガイドライン(GL)改定等により医療水準向上を目指しています。
このホームページは、患者さんやご家族、診療や研究に携わる医療従事者や研究者等の方々に、この3疾患についての最新の研究成果をお知らせすることを目的としております。難病情報センターホームページにも、一般向けの情報や医療従事者向けの診療支援情報を掲載しておりますので、併せてご利用いただければ幸いに存じます。
本研究班の歴史は、1976年度から開始された、厚生省特定疾患調査研究班「スローウイルス感染と難病発症機序に関する研究班」として発足に遡ります。その後、臨床医、基礎医学研究者、疫学研究者などの幅広い領域を含む協力体制により研究は大きく推進され、研究班は世界を先導する成果をあげてまいりました。2010年度、サーベイランス等の継続性を確保するという観点から、難治性疾患克服研究事業「プリオン病及び遅発性ウイルス感染症に関する調査研究」班から「プリオン病のサーベイランスと感染予防に関する調査研究」が指定研究として分離され(指定班)、2つの研究班が連携して調査研究を行う体制になりました。
2014年度から、厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業「プリオン病及び遅発性ウイルス感染症に関する調査研究」班は厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業「プリオン病及び遅発性ウイルス感染症に関する調査研究」班となり、診断基準の策定・改訂、重症度分類の策定・改訂、診療ガイドラインの策定・改訂、診断基準・重症度分類策定・改訂のための疫学調査を行うことになりました。
これらの3疾患はいずれも難病ですが、発症機構の解明、それに基づく診断・治療法の開発研究は着実に進歩してきております。また、プリオン病における高齢者発症の知見、PMLのようにあらたな病態を示唆する例、SSPEでは、小児から成人へのトランジションの問題など、対策を行わなければならないことが多くあります。研究班一同、これらの疾患に苦しむ全ての患者さんへよい治療法が開発されるための、基礎研究への橋渡し、あるいは、適切な診断と早期介入とケアを目指して、総力をあげて研究を推進しております。今後とも、どうぞよろしく御指導、ご支援をお願い申し上げます。