研究成果
プリオン病サーベイランスの疫学的解析
分担研究者:自治医科大学公衆衛生学教室・中村好一
ヒストグラムは発生患者数、折れ線グラフは死亡者数
1999年4月1日から2007年8月末日までに研究班事務局では臨床調査個人票や本サーベイランスを進めていく中で判明してきた1640件(重複例を含む)の情報を得ている。このうち平成19年9月13日現在までに合計975人がプリオン病としてサーベイランス委員会で認められ、登録されている。近年は一部例外を除き毎年100人以上の患者発症が確認されている。発病後数年以内の致命率がほぼ100%という本疾患の特性に鑑み、死亡数と対比すると、わが国の患者の約9割が把握されていると評価できる。
本サーベイランスを実施し、疫学的解析を行うことにより、わが国のプリオン病の疫学像を明らかにしてきた。また、わが国におけるプリオン病の大きな問題の1つである硬膜移植歴を有するクロイツフェルト・ヤコブ病患者132人(1996年の全国調査のデータなどを含む)の疫学像も明らかにしてきた。