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研究成果

プリオン感染マウスの脳における骨髄由来間葉系幹細胞の動態

北海道大学大学院獣医学研究科プリオン病学講座:堀内 基広

プリオン感染マウスに投与したヒト骨髄由来間葉系幹細胞(MSC)の脳内分布(上)、およびMSCからの神経栄養因子の産生(下)
プリオンChandler株感染マウス(接種後120日)にヒト骨髄由来間葉系幹細胞(MSC)を尾静脈より投与した。投与3週間後、海馬、視床、大脳皮質、小脳、延髄に広くMSCが分布した(右:抗b-gal抗体により染色、緑)。図は、海馬および視床におけるMSCの分布を示す。非感染マウスの脳内にはMSCは殆ど検出されないことから(左)、MSCはプリオン病の神経病変部に集ぞくすることが判明した。
プリオン感染マウスの脳に移植したMSCでは、非感染マウスに移植したMSCと比較してBDNFの産生が亢進していることが判明した。
これらの結果から、MSCがプリオン増殖抑制活性を有する遺伝子のベクターとして機能し得ること、および、病変部位へ集ぞくして神経保護作用を発揮する可能性があることが示唆された。

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