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研究成果

亜急性硬化性全脳炎に対するリバビリン療法に関する研究

熊本大学医学部附属病院発達小児科:野村恵子

亜急性硬化性全脳炎(SSPE)に対するリバビリン療法について、全国の実施施設に対しアンケート調査を行った。患者様のご家族の同意が得られた場合のみ主治医が回答し、調査票からは個人が特定されない様配慮した。20症例について回答が得られた。男性10名、女性10名、平均発症年齢は7.3歳、平均潜伏期間は6.9年。リバビリンによる平均治療期間は2.2年。転帰は、死亡が3例、中止・終了が5例で、治療を続行しているのは12例であった。
1歳未満で麻疹に罹患している例では予後が悪く、また早期に診断され治療開始されても急速に進行し増悪する例があった。臨床症状スコアが比較的低い内にリバビリン治療を開始できた群では、調査時の臨床症状スコアが比較的低い傾向にあり、治療効果を認めている。従って早期診断・早期治療が望ましいと考えられる。そのためには、友人とのトラブル、性格変化、活気低下、全身倦怠感、意識レベル低下、動作の鈍化、書字の乱れ、集中力低下、計算間違いの増加、学力低下、退行、脱力発作、転びやすい、歩行困難、流涎、構音障害、発語減少、尿失禁、錐体外路徴候といった初発症状を見落とさない様にする必要がある。またSSPEの予防は、麻疹の予防に他ならないため、予防接種の徹底が望まれる。
本治療中に見られた有害事象の内、血圧低下と頻回の穿刺が誘因と考えられる髄膜炎には注意が必要である。それ以外はいずれも重篤ではなく、治療中止や休薬により回復を見ている。

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