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研究成果

AIDSに対するHAART療法後に発症したimmune reconstitution inflammatory syndrome (IRIS)を示唆する症例の解析

札幌東徳洲会病院病理:長嶋和郎

最近highly active antiretroviral therapy (HAART)療法の導入によりAIDSの治療効果の飛躍的な改善が見られる一方、AIDSに伴う日和見感染脳障害などの想定外の病像悪化が報告されてきている. この稀な病態はimmune reconstitution inflammatory syndrome (IRIS: 免疫再構築症候群)と呼ばれ注目を集めている。今回、神経症状で発症したAIDSに合併した進行性多巣性白質脳症の症例で、HAART療法後にIRISの関与が推察された症例を検索した。下図は症例の白質周囲の血管周囲で炎症細胞浸潤が著明な部位の免疫組織学的検索を行った結果である。この検索により炎症細胞はTリンパ球が主体であることが明らかとなり、他の結果と合わせてJC virusの感染にCD8 (+) Tリンパ球浸潤を伴う自己免疫性白質脳炎が加わった病態であるIRISの存在が示唆された。

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