研究成果
フィリピンの亜急性硬化性全脳炎(SSPE)患者におけるMxA, IL4, IRF1およびTLR3の遺伝子解析
九州大学大学院医学研究院成長発達医学分野(小児科)
楠原浩一、吉良龍太郎、鳥巣浩幸、武本環美、石崎義人、原 寿郎
Department of Pediatrics and Neurosciences, University of the Philippines
- Philippine General Hospital
Judy R. Pipo-Deveza、Catherine Lynn T. Silao、Marissa B. Lukban、
Aida M. Salonga
これまで私たちは、日本人においてInterleukin-4 (IL4) 、Interferon regulatory factor 1 (IRF1)、MxA、Toll-like receptor 3 (TLR3)の4つの遺伝子がSSPEの発症に関連していることを明らかにしてきた。本研究では、同じ関連がフィリピン人でもみられるかどうかを検討した。その結果、一部の遺伝子で日本人と同様の傾向がみられたものの有意差はみられず、関連を明らかにできなかった。この理由として、二国間の遺伝学的背景の違いに加えて、フィリピンでは日本と比較して環境因子の関与が大きい可能性が考えられた。