ホーム > 研究報告 > 堀内 基広

研究成果

プリオン細胞間伝播機構解析に向けて

北海道大学大学院獣医学研究科プリオン講:堀内 基広

プリオン感染動物でプリオンが広がる際には、プリオンが細胞から細胞へ伝播する必要がある。例えば、経口的に感染したプリオンが上行性に神経を伝わり中枢神経系へ移行する際には、シナプス間を移動する必要がある。しかし、プリオンの細胞間伝播機構は良く判っていない。N2a細胞のサブクローンであるN2a-3およびN2a-5は、ともにプリオン感受性で、プリオンが持続感染してPrP-resを産生する。しかし、ScN2a-3の培養上清中には非感染細胞に伝達可能なプリオンが存在するが、ScN2a-5の培養上清中にはプリオン感染性が検出されない。ScN2a-3の培養上清中のプリオン感染性は、10,000 xgの遠心操作で沈殿しないが、100,000 xgでは沈殿する。ScN2a-3およびScN2a-5は、プリオンの細胞間伝播機構を解析する有用なツールとなることが期待される。

このページの先頭へ