研究成果
JC virusの増殖を規定する因子であるDEAD box protein 1 (DDX1)の同定
北海道大学 人獣共通感染症リサーチセンター 分子病態診断部門:澤 洋文
JC virusは進行性多巣性白質脳症の原因ウイルスである。JC virusはヒト神経系細胞 (IMR-32)を含む少数の細胞のみで増殖でき、HEK293等の感染非許容細胞では増殖しない。本研究ではIMR-32細胞からJC virusの増殖に必要なタンパク質であるDEAD box protein 1 (DDX1)を単離することに成功した。図AはHEK293細胞にDDX1を発現させると、JC virusの接種によりウイルスタンパク質が発現することを示しており、また図BはJC virusの感染許容細胞においてDDX1をknockdownするとJC virusを接種しても、そのタンパク質が発現しないことを示している。これらの結果からDDX1はJC virusの増殖を規定する因子であることが明らかになった。